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東京大学大学院 情報理工学系研究科の入試対策

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東京大学大学院 情報理工学系研究科の入試体験談および対策について,2020年度に修士課程に合格した私がまとめました.

最新の正確な情報は研究科のWebサイトでチェックしてください.
本記事によって生じたいかなるトラブル・損害・損失に対して筆者は責任を負いません.

試験の種類

筆記試験口述試験がありました.筆記試験の科目として

  • 一般教育科目(数学)
  • 外国語(英語:TOEFL)
  • 専門科目

が行われました.ただし,創造情報学専攻では一般教育科目として数学またはプログラミングから選択できるようです[1]

試験日程

  1. 英語(TOEFL-ITP)
    まず,8月の初めにTOEFL-ITPの試験がありました.出願時にTOEFLスコアを提出した受験生はパスできますが,そのような人はあまりいませんでした.多くの人が仲良くこの日に東大でTOEFL-ITPの試験を受けたようです.
  2. 数学・専門科目
    TOEFL-ITPの2週間ほど後,数学と専門科目の試験が同じ日に行われました.午前に数学,午後に専門科目の試験がありました.
    専攻によっては2日に分けて行われるようです.
  3. 口述試験
    その4日ほど後に口述試験が行われました.

試験の内容・対策

英語(TOEFL-ITP)

リスニングとリーディングの試験です.

https://www.toefl-ibt.jp/toefl-itp/

出願時にTOEFLスコアを提出しておきこの試験を受けなければ,受験期に数学や専門科目の勉強に集中できて有利なのですが,そこまで計画的な人は少ないようです.
そもそも,英語の点数が数学や専門科目の点数ほど重視されているかについては怪しいところがあるので,そこそこできればよいのではないでしょうか.
とはいえ,問題量が多く時間配分には気をつけたほうが良いので,ひとまず模擬テストを2回ほどやって慣れておくとよいでしょう.

数学

研究科共通の問題です.10:00から12:30までの2時間半で3題出題されますので,時間配分は1題あたり50分を目安にするとよいでしょう.

出題範囲

出題範囲は以下の通り公式に発表されています.

※平成20年度入試から一般教育科目の数学試験問題の出題範囲は以下の通りとする(平成19年度以前とは異なる)。
「情報理工学全般に必要な数学の基礎力を問うための【1】線形代数、【2】解析(微分積分、常微分方程式など)、【3】確率・統計の3分野から出題された3問に解答する。」

過去問アーカイブ | 入学・進学案内 | 東京大学 大学院 情報理工学系研究科

傾向と対策

出題傾向は下表の通りです.

年度 第1問(線形代数) 第2問(解析) 第3問(確率・統計)
2020 行列の指数関数 平面内の(閉凸)曲線 秘書問題
2019 ユニタリ行列 フーリエ変換による偏微分方程式(波動方程式)の求解 三角形と半直線の交点座標の確率
2018 擬似逆行列 定積分で定まる関数列 独立試行の結果に応じて複素平面上の点が\pm 90^\circ回転移動
2017 実対称行列によるベクトルの漸化式 フーリエ展開による偏微分方程式(熱伝導方程式)の求解 指数分布
2016 トリボナッチ数列 回転体の表面積についての変分 黒玉と白玉を一列に並べる
2015 非対称行列による2次形式 楕円・双曲線の集合を表す微分方程式 幾何分布の確率母関数

第1問(線形代数)では,教養レベルの線形代数の知識が要求されます.対角化はできるようにしておきましょう.
証明問題も出題されたことがあります.また,多変数関数の微分と絡めて出題されたこともありますので,行列の微分を見ても狼狽えないようにしておきましょう.

第2問は,一口に解析と言っても幅広く,蓋を開けてみないと何が出題されるかわかりません.基本的には微分積分,常微分方程式の知識があればよいでしょう.
フーリエ変換・ラプラス変換,ベクトル解析,変分法といった知識があると有利になると思います.

第3問(確率・統計)は,高校生レベルの知識で解ける問題が多いです[2]
確率密度関数から期待値を求めることくらいはできるようにしておきましょう.
また,各種の確率分布(二項分布,ポアソン分布,正規分布,t分布など)の知識はあると有利でしょう.条件付き確率およびベイズの定理の問題が近年出題されていないので,今後出題される可能性はあります.

過去問解答

おすすめの勉強法は過去問を解くことです.過去問は研究科のWebサイトで公開されています.

2020年度

https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2020-1
https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2020-2
https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2020-3

2019年度

https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2019-1
https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2019-2
https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2019-3

2018年度

https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2018-1
https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2018-2
https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2018-3

2017年度

https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2017-1
https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2017-2
https://zenn.dev/goshouhiro/books/utokyo-ist-math-2017-3

専門科目

各専攻の分野に応じて専門科目の試験が行われます.筆記試験の中では最も重視される科目だと思いますので,入念に対策しましょう.
こちらも各専攻のWebサイトで過去問が公開されていますので,過去問を解いて対策するのがよいでしょう.

口述試験

口述試験はいわゆる面接です.
専攻の教授陣が勢揃いした会議室に受験生が一人ずつ呼ばれました.
一人の若手の先生が司会となっており,その先生から質問されました.質問されることは

  • 卒業研究についての簡潔な説明
  • 志望動機(この専攻を選んだ理由)
  • 大学院での研究計画

といったところでした.最後に司会の先生が受験生の志望教員に追加の質問やコメントを伺います.私の場合は志望教員に特に質問されず,歓迎されている感じでした.
試験時間は5分以内で終わったと思います.
ドアは呼び込みの先生が開け閉めしてくれたので,ノックのマナー等を気にする必要はないでしょう.
服装はスーツが無難ですが,私服でも問題ないと思います.私はノーネクタイ・ノージャケットで行きました.

まとめ

専門科目と数学の試験が重要ですので,計画的に院試勉強を進めていきましょう.
対策としては,過去問を解いていき,わからないところがあったら調べるという方法が効率的だと思います.

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脚注
  1. 創造情報学専攻は学科を持たず,様々な経歴をもつ外部生の受験が多いためか,試験に特色がありますね ↩︎

  2. そもそも,大学の教養過程で学ぶ確率・統計の知識ってあまりありませんよね ↩︎