GNSS TimeSync 2025の感想
8月の異動で突然GNSSの世界に首を突っ込むことになったGNSS素人の菊田です。先日、IIJさん主催の「GNSS TimeSync 2025」に参加したので、感想を書きたいと思います。貴重な機会なのでぜひオフライン参加したかったのですが、別件があって後日オンラインを聴講したレポートです。
GNSS TimeSync 2025イベントはGNSSの情報をググってたら、たまたま出てきて知りました。GNSSにおいて時刻同期が大切というのは学んでいましたが、思わず「え、TimeSync?時刻同期のこと?GNSSの時刻同期だけをテーマにしたイベントってこと!?」と驚いてしまいました。でもセミナーの冒頭で企画に至った経緯を伺ったり、以下ブログを読んだりしているうちに、起こるべくして起きたイベントなんですね。
社会インフラを変えるPTPと時刻同期の進化
時刻同期ってNTP(Network Time Protocol)だよな、というぐらいの知識しかない私はPTP(Precision Time Protocol)を知りませんでした。
NTPは精度がミリ秒なのに対してPTPはマイクロ秒とのこと。IPネットワーク上でそんな精度だせるんですね...。セッションを聞いて、普段自分が気づいていないだけで、身の回りの社会インフラでたくさん使われているんだなと。
そして近年の紛争からGNSSの受信が困難になる状況が出てきていて(ジャミングやスプーフィングにより)、他国の衛星に頼らない日本のQZSSを活かした新規技術開発なども進んでいるとのこと。Optical Clockや量子時刻同期なんて話も出てきてるらしいです。
セッションはセイコーソリューションズさんで営業をされている方とのことでしたが、技術的な話がメインで、かつ説明がとてもわかりやすく、勉強になりました。
GNSS受信システム構築の課題とその対策
古野電気さんの発表でした。GNSSの仕事に入って最初に知った(聞いた)企業名が古野電気さんだったので「おぉ」という感じでした。元々は舶用向けのソナーとかレーダーとかがメインで、海の上で位置を算出ることは非常に重要とのことで、1986年にはGPSナビシステムを作られていたそうです。私は6歳ですね。。
時刻同期=人々の時計をみんなの時計に合わせること=UTC同期
というお話があったのですが、UTCって各国機関のUTCを比較して加重平均によって概念的な時刻を生成している、というのにびっくりしました。普段何気なく使ってるUTCにそういう背景があったとは...。
あと、GNSSの脆弱性(GNSS Vulnerability)のお話がとても勉強になりました。

こちらの5つが脆弱性の要素とのこと。
- 環境依存の脆弱性(雷(Lightning Strikes)、マルチパス、電離層(Ionosphere))
- GNSS信号断時に自走することをHoldoverという
- GNSS DO(Disciplined Oscillator) = GNSS Receiver + Oscillator
- ジャミング(Jamming)
- スプーフィング(Spoofing)
- GNSSそのものがエラーを発生する(GNSS Segment Erros)
- 隣接バンド帯のトランスミッター?RFの干渉(RF Interference)
途中からは今の私にはちょっとまだわからないー...という感じでメモとるだけになってしまいました。最後にノルウェーでやってるJammertestに古野電気さんが参加された結果報告でした。このイベントについては社内でも聞いていたので、具体的にどんなことをやられているのか聞けて良かったです。
試みてわかる。GNSS受信システム構築の課題とその対策試みてわかる。
精工技研さんからGNSS受信システム構築に関するお話でした。屋上のアンテナから、建物内、機器室までどのようにつなぐのか?という話でした。同軸ケーブルではなく光ファイバを使ったり、受信を冗長系にしたりというようなお話。GNSS信号を光ファイバで伝送できること自体、知りませんでした。A-RoF技術(エーロフ、Analog Radio over Fiver)を使うとのこと。
7機体制を迎える準天頂衛星システムみちびき-時刻を提供する社会インフラとしての役割
内閣府の方からみちびきに関するお話。スライドのトップがVTuber(内閣府主催「第7回宇宙開発利用大賞」PRキャラクター)なのが熱いですね。
北白川かかぽ
私がスマホに入れてるGNSS Viewの話もありました。このAR Display、地味に面白いんですよね。
自動車分野やドローン分野、農業やインフラなど様々な分野で活用されているみちびきの高精度測位サービス、具体的な事例として、自動車の自立型モビリティや水道メータ位置把握、ごみ収集管理など研究的なものから身近なものまで幅広くあることを知りました。ゆくゆくは11機体制になるとのことで、さらに活用の幅が広がりそうです。
高精度時刻配信の現状と国際動向、NICTの取り組み
日本標準時を出してるNICTさんからのお話。
GNSSの脆弱性として、先日ニュースにもなっていた太陽フレアの話やジャミングの話がありました。1つ前の内閣府の方の話でも出てきたGPSJAMのサイトを例に「今日の欧州は明日の東アジアかもしれない」と言っている人もいる、とおっしゃっていました。

チップスケール(CLIFS)、ワイワイ...etc まだまだ知らない言葉がたくさん。
おわりに
全体的に細かい部分になるとまだまだ知らない用語などがあって、自分の勉強不足を痛感しましたが、時刻同期のテーマでこれだけの話題と人が集まることに驚き、テンションが上がりました。コツコツ勉強を続けて詳しくなっていきたいと思います。
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