複数チームを兼務するエンジニアになってから意識していること
最近複数チームを兼務するようになりました。
すると職場で「いろんなところから仕事が降ってくるのに、どうやって整理してるんですか?」と聞かれることがでてきました。
自分の中では「整理している」感覚はなくて、どちらかというと「破綻しないように持ち方を調整している」のが正直なところです。
特別なノウハウではないと思うのですが、複数の領域を兼務するようになってから、自分がパンクせず、かつ周囲に迷惑をかけないために意識していることを書き出してみようと思います。
いま関わっている仕事の話
前提として、いま自分が関わっている領域とウェイトはざっくりこんな感じです。
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オウンドメディア(Rails):35%
記事制作のディレクション業務の効率化や、AIを活用して記事制作を進める仕組みづくりを担当。 -
習い事塾向けSaaS(React/NestJS):25%
前四半期まではテックリード兼PdM的に動いていましたが、現在は設計・レビュー・相談役がメイン(実装もします)。 -
全社AI活用推進:20%
ビジネスサイドの効率化と、エンジニアの生産性向上の半々くらい。 -
脆弱性診断:10%
社内のセキュリティスペシャリストの指示のもと動く実働部隊。 -
その他突発的な開発:10%
突発的に新規サービス開発が始まることがあり、それの部分対応や設計相談などをやっています。
こう並べると「どうやって回しているのか」と言われるのも分かるのですが、これを回すために意識しているのは、タスク管理ツールを使いこなすことではなく、もっと泥臭いコミュニケーションや立ち回りの部分です。
1. なるべく即レスでボールを離す
Slackのメンション、レビュー依頼、仕様相談などが来たら、見落としがない限りすぐに返すようにしています。
これは複数チームを兼務しているからとかは関係ないですが、やはり関わり方としてやや距離が遠くなる分、あの人に依頼や相談をするとプロジェクトの流れが止まるんだよなと思われないように、より意識するようになりました。
自分としても、ボールを抱えたままのタスクが増えるほど、頭のメモリが削られていく感覚があります。
すぐに返事をして、自分の手元からボールを放す。なるべくすぐにボールが戻ってこないようにきちんと中身込めた上で。
これだけで精神的な重荷はずいぶん軽くなります。
2. 期待値のすり合わせを事前にやっておく
優先順位のある程度の“ルール”を四半期の頭に共有して、期待値を合わせておくことです。
「全部頑張ります」は兼務では無理なので、予め宣言しておきました。
- SaaSで顧客要望で急ぎ案件が出たら、そこを最優先にする可能性がある
- 脆弱性診断はキックオフから1週間後くらいが期限なので、その週だけはそちらを優先する可能性がある
- それ以外は、基本オウンドメディアを優先する
これを四半期の開始時点で伝えておきました。
各チームとの定例でも「今はこっちのタスクを優先しますね」と都度伝えるようにしています。
完璧な計画を立てるというより、「自分がどう動きがちか」を先に見える化しておく意図に近いです。
不満が出るのは「忙しいから」ではなく、「いつ返ってくるか分からない」「優先順位が見えない」「なんで後回しにされるかわからない」時だと思うので、そこをクリアにしておくイメージです。
3. 「自分さえ動けば終わる状態」を早く作る
依頼を受けたときにまず見るのは、期限よりも「自分だけで完結できるかどうか」です。
- 自分が手を動かせばゴールまで持っていけるものなのか
- 誰かの判断待ち・情報待ちといった「他者への依存」が多いものなのか
自分は機能単位で、要件定義から詳細設計、デザイン(既存コンポーネントを組み合わせるだけ)、バックエンド、フロント、必要ならクラウドインフラまで、まとめて持つことが多いです。
これは、「自分さえ動けば前に進む状態」を作っておきたいからです。兼務している以上、他者との調整コストがかさむと一気に回らなくなるので、そこをショートカットできる強みは活かすようにしています。
少し話は逸れますが、オウンドメディアのプロダクトオーナーは習い事塾向けSaaSのプロダクトオーナー(エンジニア出身)と違って完全にビジネス寄りで開発知識はありません。
以前なら要件定義に慎重に時間をかけていましたが、最近はAIの性能が上がって爆速でコードが書けるようになったので、ざっくり「要求」だけ聞いて1時間くらいでプロトタイプを作って見せてしまうことが増えました。
「これどうですか?」と動くものを先に見せてしまったほうが、言語化や合意形成のハードルを下げられる気がしています。
4. やっていることを見える場所に共有しておく
会社としてNotionでタスク管理をしているのでNotionにチケットはあるのですが、正直あまり見ていません(プロジェクト全体の管理としては使っています)。
代わりに、Slackでみんなが見える場所に毎日「今日やること」「昨日やったこと」を書き出しています。
これは自分の頭の整理というのもありますが、「自分の状況を周りが推測できる材料」を増やしている感じです。
兼務だと、どうしても「あの人いま何やってるんだろう?」と見えにくくなりがちです。見えないと不安が生まれるので、ログを流すことで「ああ、今はあっちが忙しいんだな」と察してもらえるようにしています。
5. 自分への言い聞かせは「日で評価しない」
最後にメンタル面の話ですが、一番しんどいのは「会議が増えること」と「手触り感の薄れ」です。
兼務していると関係者が増えるので、どうしても会議ばかりの日が出てきます。
「今日は結局どれも中途半端だったな……」
「広く関わっている分、深く刺さるような仕事ができていないんじゃないか」
そう落ち込む日もあります。
そういう時は、日単位で自分を評価しないようにしています。
「週単位で帳尻が合えばいい」「もっと言えば締め切りに間に合えばいい」。
毎日綺麗に積み上がる働き方じゃない、というのを前提にして、必要以上に自分を責めないようにしています。
おわりに
兼務エンジニアとして大事なのは、タスクをきれいに整理することよりも、「自分の状態をオープンにして、周りが予測できる状態を作る」ことなのかもしれません。
今はまだ「破綻させないこと」で精一杯な日もありますが、ゆくゆくは複数の領域を行き来している自分だからこそ作れるシナジーや価値をもっと増やしていきたいです。
それが結果的に、チームにとっても自分にとっても、一番健全な働き方になるのかなと最近は思っています。
Discussion
期待値のすり合わせをやっておくのはなるほどなーと思いました!
僕もやってみます!
ありがとうございます。