SIerから事業会社へ。「守る」だけではない、セキュリティの向き合い方
初めまして!
私は今年の4月に、セキュリティ推進やCSIRT運営などを担う社内SEとしてグロービスに入社しました。
この記事は、 GLOBIS Advent Calendar 2025 の25日目の記事です。
前職では SIer に約10年間在籍し、さまざまな現場・業務を経験してきました。
今回が初めての転職となり、事業会社で「セキュリティを主軸にする仕事」に本格的に向き合うことになります。
本記事ではこれまでのキャリアを振り返りつつ、SIer から事業会社へ転職した理由や、グロービスに入社して取り組んだこと・感じたことを綴っていきます。
SIerから事業会社へ転職した理由
SIerで約10年間、インフラやセキュリティ運用などさまざまな現場を経験し、エンジニアとしての基礎を身につけてきました。
その中でも特に印象に残っているのは、ユーザーと直接対話しながら課題を整理し、解決まで伴走するような仕事です。
案件を通じてユーザーと密接に関わる中で、単にシステムを提供するだけでなく、
相手の立場や背景を理解しながら環境をより良くしていくことに大きなやりがいを感じるようになりました。
次第に、ユーザーにより近い立場で、継続的に関係性を築きながらシステムやセキュリティに関われる
事業会社の社内SE という立場に魅力を感じるようになります。
SIerとしてさまざまな業務に携わる中で、外部の立場である以上、関われる範囲にはどうしても制約がありました。
ユーザーや社内の関係者と日々やり取りはするものの、組織の一員として背景や文脈を踏まえ、
継続的に改善していくことには限界があると感じていました。
よりユーザーに近い立場で社内に深く関わり、業務や仕組みを中長期の視点で良くしていきたい。
そう考えるようになったことが、事業会社への転職を決めた理由です。
事業会社でセキュリティに向き合うということ
事業会社に入って感じたのは、セキュリティが単独で存在するものではなく、
業務や文化、人との関係性の中で初めて機能するものだということでした。
特にグロービスは「自由と自己責任」を重んじる文化があり、
規則やルールで人を縛るのではなく、Vision や Way に基づいて行動することが求められます。
そのためセキュリティも、「禁止する」「制限する」ことを前提にするのではなく、
なぜそれが必要なのかを共有し、納得感を持ってもらいながら進めていく必要があります。
また、グロービスでは、各部門がそれぞれプロダクトやシステムを持っており、
その担当者と密に調整しながら進めることが欠かせません。
セキュリティ側だけで完結する仕事は少なく、背景や制約を理解した上で、
一緒に落としどころを探していくことが求められます。
このように、社内のさまざまな立場の人と継続的に関わりながら進める点は、
SIer時代とは大きく異なる部分だと感じています。
技術的に正しい対策であっても、現場の業務やスピード感に合わなければ形骸化してしまいます。
人が安心して挑戦できる状態を支えることこそが、
事業会社でセキュリティに向き合うということなのだと思うようになりました。
現在は、セキュリティ推進やCSIRT運営といった役割を通じて、
社内のさまざまな部門と関わりながら、その土台作りに取り組んでいます。
グロービスに入社して感じたこと
SIerのキャリア初期には、SOCをはじめとしたセキュリティの現場に配属されていましたが、
当時と比べると、セキュリティを取り巻く環境は大きく変化したと感じました。
オンプレミス中心だった環境からクラウドが主流となり、
AIの進化によって、業務やシステムの使われ方そのものも変わっています。
また、私が配属されたセキュリティ専任のチームは、
ちょうど私の入社と同時期(4月)に立ち上がったチームでした。
それまでにもセキュリティの取り組みは存在していましたが、
仕組みや運用として十分に回しきれていない部分がある、という課題がありました。
こうした環境の変化や、立ち上げ期のチームに加わることに対して、
正直なところ、不安がなかったわけではありません。
しかし、その不安はすぐに杞憂だと分かりました。
同時に参画したチームメンバーの高い推進力とチームワークにより、
この9か月でセキュリティに関する取り組みが非常に速いスピードで前に進んでいきました。
今年、チームとして主に取り組んだセキュリティ関連の活動は以下の通りです。
- WAF / SIEM の導入およびアラート運用の開始
- スパムメールフィルターの強化
- 各種セキュリティ規程類の見直し
- CSIRT が主導する全社向けセキュリティ研修の実施
- 社員に向けたセキュリティ情報の継続的な発信
- セキュリティチェックシートの運用改善
- 同チームのリーダーが詳細を記事にまとめています。
よろしければ こちら もご覧ください!
- 同チームのリーダーが詳細を記事にまとめています。
これら以外にも、さまざまな取り組みを並行して進めてきました。
また、個人としても、外部セミナーへの参加や、福利厚生を活用した
セキュリティトレーニングの受講など、多くの学びの機会を提供してもらいました。
週1回、メンバーとオンラインでセキュリティ関連書籍を読み、
感じたことや自社で実践できそうな内容をディスカッションする読書会文化も、
とても新鮮で刺激的でした。
特に印象的だったのは、これまでの仕事では、さまざまな事情から協力を得るのが難しかったり、
意思決定に時間がかかる場面が多くあったことに対し、
グロービスでは多くの人が課題に真摯に向き合ってくれるため、
スピード感を持って物事が進んでいくという点です。
これだけ多くのセキュリティ施策が短期間で前に進み、多くの学ぶ機会を得られたのは、
グロービスの人や環境という要因があったからこそだと感じています。
さらに、AIが急速に進化する中で、チームとしてそれらを積極的に活用できたことも、
取り組みのスピードを後押しする大きな要因の一つだったと考えています。
頼られるセキュリティを目指して
セキュリティチームでは、立ち上げ期に以下の Vision を掲げました。
グロービスの未来と挑戦をセキュリティで支え、
顧客や社会に対して安全なサービスづくりに貢献し、
社内外のステークホルダーから信頼され、頼られる存在となる。
改めて見返してみると、まだ道半ばではありますが、
少しずつ「頼られる存在」になってきていると感じています。
まだまだ社内での認知を築ききれていないところもあり、
具体的な活動が見えにくく闇の組織といった印象を持たれることもあるCSIRTですが、
最近では社内のユーザーから相談を受けたり、
施策に対する協力をお願いされたりする機会も増えてきました。
私たち自身も、「相手に寄り添い相談しやすい CSIRT」であることを意識しながら、
日々のコミュニケーションを大切にしています。
こうした関係性を一つひとつ積み重ねていくことが、
会社全体のセキュリティを高めていくことにつながるのだと思っています。
セキュリティチームだけがどれだけ取り組んでも、
会社全体のセキュリティを高めることには限界があります。
不明点や不安、些細な気付きに対しても声を上げやすい環境をつくること、
そしてその声をきちんと受け止めること。
それもまた、私たちの大切な役割だと感じています。
これからも、セキュリティを「守るための制約」ではなく、
人や組織の挑戦を支えるための仕組みとして捉え、
自分自身も学び続けながら、グロービスの成長に貢献していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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