🧠

バイブコーディングは思ったより難しい:AI駆動開発で本当に必要なスキルとは

に公開

はじめに

「バイブコーディング」という言葉が広まっている。AIに雰囲気で指示を出すだけでアプリが完成する、という夢のような開発スタイルだ。

実際にやってみた人はわかると思うが、現実はそう甘くない。

私はGIANTY株式会社でSI事業部長として、Claude CodeやCursorを使ったAI駆動開発を実務で導入してきた。その経験から率直に言う。バイブコーディングで本当に成果を出すには、むしろ従来以上にエンジニアリングの素養が必要だ。


バイブコーディングで最初に躓くこと

「なんとなく指示」は動くが意図通りにならない

AIは指示された通りのコードを生成する。問題は、AIは忖度しないということだ。

曖昧な指示を出せば、AIは「それらしいコード」を自信満々に返してくる。動くには動く。しかし仕様通りかどうかは別の話だ。

例えば「ユーザー管理機能を作って」と投げると、AIは一般的なユーザー管理を実装する。しかし実際のシステムには固有のデータ構造、業務ルール、既存テーブルとの整合性がある。それを伝えなければ、使えないコードが量産されるだけだ。

修正コストが積み上がる

曖昧な指示→動かない→修正指示→また微妙にズレる、というループに入ると、最初から書き直した方が早かったという結論になりがちだ。バイブコーディングで時間を浪費した経験がある人は多いはずだ。


結局何が必要か

AI駆動開発で成果を出すために本当に必要なスキルは3つだ。

1. 仕様の言語化能力

AIへの指示は、新人PGへの指示と同じだと思った方がいい。「なんとなくこんな感じで」は通じない。

  • 何を作るのか
  • 誰が使うのか
  • どんな条件で動くのか
  • エラーはどう処理するのか

これを明確に言語化できない人は、バイブコーディングでも詰まる。

2. データ構造・スキーマ設計の理解

AIはデータ構造を知らない。テーブル定義、カラムの意味、リレーション、業務上の制約——これを正確に渡せるかどうかで、生成されるコードの品質が大きく変わる。

データ設計を理解していないエンジニアがAIを使っても、設計レベルのミスをそのままコードに落とし込むだけだ。

3. 実装前にレビューできる目

コードを書かせる前に、必ず設計案を出させてレビューする。

これが最も重要なプラクティスだ。実装に入らせてから問題に気づくと手戻りが大きい。設計段階で方向性を合わせることで、実装フェーズの精度が劇的に上がる。


GIANTYでの実践アプローチ

部下のPGに指示を出すのと同じやり方で

私がClaude Codeに指示を出す際は、部下のプログラマーに指示を出すのと全く同じアプローチをとっている。

ポイントは3つだ。

① 仕様は曖昧さゼロで渡す

機能概要だけでなく、入力・出力・処理条件・エラーケースまで明示する。「なんとなくこんな感じ」は通じないと思った方がいい。

② データ構造を必ず渡す

テーブル定義やデータの意味・制約を正確に伝える。ここを省くと、AIは「それらしい実装」を返してくるが、実際のシステムでは使えないコードになる。

③ 実装前に必ず設計案をレビューする

いきなり実装させない。まず設計案を出させ、方向性を確認してから実装に入る。このひと手間が手戻りを大幅に減らす。

具体的なアプローチについては、ご相談いただいた際にお伝えしています。


まとめ:AIはエンジニアの代替ではなく増幅器だ

バイブコーディングは魔法ではない。

エンジニアリングの素養——仕様を言語化する力、データ設計の理解、レビューできる目——がある人が使うと劇的に生産性が上がるツールだ。逆にその素養がない人が使っても、的外れなコードが量産されるだけで終わる。

AIは優秀な部下だ。しかし優秀な部下を活かすには、優秀なマネージャーが必要だ。


GIANTYではAIエージェント・AI駆動開発による受託開発のご相談を受け付けています。
👉 まずはお気軽にご相談ください

Discussion