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ohsomeでOSMデータの統計を可視化する

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はじめに

OpenStreetMapデータの統計を取る場合、以前はそのデータ量の多さと複雑さからとても素人の手におえるものではありませんでしたが、今ではハイデルベルグ大学の提供するohsomeというツールを利用させてもらうことで、画面からの指示だけでOSMが始まった頃から現在に至る統計を簡単にとることができるようになっています。

統計の対象は主にタグの登録状況で、伸び率の傾向をみたり、全体数がわかっていれば網羅率を調べたりすることができます。(専用DBへの集計タイムラグが1ヶ月程度あります)

操作方法

ohsomeダッシュボードから

  1. 対象エリア(右側のマップで適当な位置/ズームレベルからエリアを選択)
  2. Filter:対象データ(地物に付加されているタグとOSMタイプで選択)
  3. Measure:集計単位(件数や長さ)
  4. Group Results by:集計キー(keyとvalueで指定)
  5. Time Interval:対象期間と周期

の5つを指定して「Run Query」で実行します。対象データ量によっては結構時間がかかります。

一例として、日本にある宗教施設(amenity=place_of_worship)でreligionタグの件数を年別に集計してみた結果が以下の通りです。
【指定画面】

【結果表示画面】

考察

直近の集計期間でソートされていないのが少し残念ですが、以下のような事実がわかりました。
・最多は「religion=shinto(神社)」で38.1k件
・2番目は「religion=buddhist(仏教寺院)」で28.5k件
・3番目は「religion=christian(キリスト教会)で2.3k件」
・以下は多様な宗教のロングテールが続く
・未登録(remainder)は4.0k件

文化庁の平成7年版「宗教法人年鑑」によれば日本の宗教法人数は神道系が85,675件、仏教系が78,013件とされています。法人化されていない神社やお寺もあるでしょうから宗教法人年鑑とOSMの登録数が一致するとは限りませんが、単純に比較すると全体の4割程度がOSMに登録されているようです。結構頑張っていますね。OSMerとしては未登録の4.0k件が気になるところです。未登録分は2022年頃にいちど件数が急減し、その分神社と仏教寺院に振り分けられているように見えます。

結果はデータとしてダウンロードして二次利用することも可能です。つづく(予定)

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