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AI臭を消すClaude Skillsを作った(stop-ai-slop-jp)

に公開

はじめに

どうも、最近はどの技術記事もAI一色で食傷気味の長嶋です。
前回は比較的ディープなPDF圧縮の話をしましたね。

https://zenn.dev/ikora/articles/b50ca6275eddc9

今回はずばりAI臭がテーマです。

最近は右を左も、上下も逆さまもAIで困ってしまいますな。
特にAIに文章を書かせると、染み付くAI臭。
これを消そうと思って検索すると出てくるのはだいたい「全角ダッシュをやめろ」「『いかがでしたか』を消せ」みたいな表層のチェックリスト。
そのへんはもう知っているんですよ。それでも臭うから困っているわけです。

ということで、AIで書いた日本語を人間が書いた文章に戻すためのClaude Skillsを作りました。
stop-ai-slop-jp という名前で、MITで公開しています。

https://github.com/iKora128/stop-ai-slop-jp

この記事ではなぜ表層チェックだけでは足りないのか、skillで何を直そうとしているのか、どう使うのかを書きます。背景にあるAI臭の分析はnoteに長めに書いたので、そっちも貼っておきます。

https://note.com/ikora/n/n0bbb2828b91e

きっかけ

英語圏には stop-slop というリポジトリがあって、英語のAI臭をかなり整理しています。

https://github.com/hardikpandya/stop-slop

中でも false agency、つまりモノに人間の動作をさせる癖(「データが示している」「文化が醸成される」みたいなやつ)を指摘しているのが鋭いと思いました。

ただし無生物主語は日本語では一般的ですし、語順を入れ替えるのは日本語の常套手段です。

なので、上記のstop-slopを日本語にそのまま持ってこられません。
全角ダッシュの輸入とか、カギ括弧の乱用とか、必殺技みたいな造語で話を大きくする癖とか、日本語には日本語の症状があります。
なので英語版を下敷きに、日本語のパターンを自分で整理し直しました。

まず第一に

まずこの問題は、私が提示するSkillでは解決できないので肝に銘じておいてください。
AI臭の正体は、書き手がそこにいないことが決定的なのです。

お前が何を見て、何に引っかかって、どこまで言い切るのか。
そのコアをAIに預けたまま本文だけ生成させると、たいてい一般論ばかりになります。

例えば

多くのエンジニアが型定義に悩んでいる

みたいな文章。
いや、「多く」じゃなくてお前だろ!というツッコミをしたくなります。
AIに書かせるとだいだいデカい主語になる。
具体的な失敗も数値も固有名詞も出てこない。
あと「本質」「思想」「真理」みたいな大きい名詞で、小さい話を膨らませてきます。
クソデカ羅生門かよ
https://anond.hatelabo.jp/20200611125508

どうもAIは、社会とか世界のどこかで起きる大きな出来事を取り上げて、議論して、少し自分が高尚な存在になれた気がしてるらしい。

全角ダッシュや偏愛語も確かに気になりますが、こういう節々でAI臭を感じます。
記号だけ全置換したところで、AI臭は消せません。
だから直す順番が大事になります。

skillが直すもの

skillの中身(SKILL.md)は、大きく分けてこの5つを見ています。

  1. false agencyを潰す。一般論を「自分は」「あなたは」に書き換えます。両論併記をやめて「自分はこれを選んだ」と自信を持って言い切るように促します。
  2. 構造。命題型のH2(「プロダクトは余白を失った瞬間に死ぬ」みたいな見出し)を、ただの名詞句に戻す。こういうH2で変な自我を出すのがAIの特徴です。(というか英文のブログがこういうスタイルらしい)
  3. 語彙。「手触り」「解像度」「泥臭さ」のような偏愛語、「禁欲的」「境地」のような造語、「思考のOSをアップデート」みたいな横文字メタファーを削る。
    見た瞬間あぁAIに書かせたんだなとなるやつ
  4. リズム。AIは全段落を同じ長さ、同じ温度に均してくる。そこに意図的にムラを入れる。
  5. 記号。全角ダッシュ、不要なカギ括弧、装飾絵文字。最後にまとめて潰す。見た目からわかるAI臭を取り除く。

優先順位は上から下です。
立場を直さずに記号だけ直しても、臭いは消えません。
逆に立場さえ立っていれば、ダッシュが少し残っても意外と気にならない、というのが書いてみた実感です。

採点表も入れてあります。立場、リズム、主体性、具体性、削減の5軸を1〜10で採点して、合計が35/50を下回ったら書き直す、という雑だけど分かりやすい基準にしました。

使い方

インストールはgit cloneするだけです。Claude Codeなら個人用ディレクトリに置きます。

git clone https://github.com/iKora128/stop-ai-slop-jp ~/.claude/skills/stop-ai-slop-jp

あとはClaudeに stop-ai-slop-jp を使うよう頼みます。
明示したほうが安定します。自分がよく使うのは次の2つです。

レビューだけしてほしいとき。いきなり書き換えさせず、まず指摘を出させます。

この文章を stop-ai-slop-jp の基準でレビューして。
重大な順に、立場、主体、構造、語彙、記号のどこがAI臭いか指摘して。
まだ書き換えなくていいでsy。

書き換えまでしてほしいとき。意味を変えずに直させます。

この文章のAI臭を落として。
意味は変えず、立場と主体を優先して直して。
語彙や記号の修正は最後でいいです。

メモから書かせるときは、本文の前にまず「自分は何を言い切るのか」を確認すると、一般論に逃げにくくなります。このへんはREADMEに使い方をいくつか載せてあります。

おわりに

skillは便利ですが、最初に言った通り、書き手の不在そのものは直してくれません。
「自分は一体何が言いたいのか」を決めるのは結局人間であるお前の仕事で、そこをサボるとどんなに記号を綺麗にしてもAIが透けて見えます。

最後にもう一つ、コツを挙げるなら音読が一番効きます。
目で追っていると気づかない違和感が声に出すと一気に出てきます。
リズムが揃いすぎている箇所は、たいてい読んでいて違和感に気づきます。

このSkillを校正の補助輪として使ってもらえたら嬉しいです。
PRやパターンの追加も大歓迎です。

ではばいちゃ!

GENSHI AI

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