個人開発のライセンス販売、Lemon Squeezyはやめとけ。Polar.shが最高だった
はじめに
個人開発のアプリ、どうやって売るか困ってません?
デスクトップアプリやCLIツールを作ったとして、どうやってマネタイズするか。
これが意外と難しい。
特にグローバル展開するときには厄介な問題が多い。
- Stripe直接 → 実装が大変、ライセンスキー管理が面倒、各国の税金対応が地獄
- Gumroad → 手数料高い(10%)、UI古い
- Lemon Squeezy → 良さそう...と思ったら地雷だった
Stripe直接だとStripe Taxで税額の計算・徴収は自動化できるものの、各国の税務当局への登録・申告・納付は自分でやる必要があります。 EU VATだけでも加盟国ごとに対応が必要で、個人開発でそこまでやってられないと思います。
結論から言うと、Polar.shが最高でした。
デスクトップアプリKaruiの販売基盤として、Lemon Squeezyを試して挫折し、実際にPolar.shに移行して幸せになった話をします。
ちなみにKaruiは以下の記事で書いております。
簡単に言うと、Tauriで作ったWin/Mac両対応の画像圧縮アプリです。
最新のエンコーダを積んでおり、かつJPEG出力なので互換性を気にせずどこでもそのまま使えます。
Lemon Squeezyの何がダメだったか
1. 本人確認(Verification)が終わらない
これが一番キツかった。
アカウント作成後、本人確認が必要なんですが、何週間経っても承認されない。
公式ドキュメントには「2〜3営業日で承認」と書いてあるのに。
Trustpilotのレビューを見ると同じ被害者が大量にいました:
"identity verificationが理由なくリジェクトされた。なぜリジェクトなのかメールしても無視された"
"3ヶ月間、出金しようとしてる。サポートは遅いし質問をはぐらかすだけ"
販売開始する前に心が折れます。
2. サポートが遅い・無視される
技術的な問い合わせを送っても、返信が来るまで1週間以上かかることも。
ユーザーフィードバックにはこんな声が:
"5日待ってやっと返信が来たと思ったら、こっちの質問を全く理解してない回答だった"
"Twitter、LinkedIn、サポートメール全部試したけど14日間返信なし"
個人開発のスピード感に合いません。
3. API検証が遅い
ライセンスキーの検証API(/v1/licenses/validate)のレスポンスが体感で2〜3秒かかることがありました。
アプリ起動時に毎回この遅延が入ると、UXが最悪になります。
4. Stripe買収後の不確実性
2024年にStripeに買収されて以降、プロダクトの方向性が不透明になりました。
既存機能の改善よりもStripeへの統合が優先されている印象で、デスクトップアプリ開発者向けの機能強化は期待できなさそうでした。
またその余波か、頻繁に internal server error が起こりました。あまりにも不安定で、先行きが不安です。(というか inteneal server errorを表示しないのはUXの基本では?)
Polar.shとは
Polar.shは、開発者による開発者のための収益化プラットフォームです。
特徴:
- 手数料が安い:4% + 40¢(Lemon Squeezyは5% + 50¢)
- 税務処理ゼロ:Merchant of Record(販売代行者)として、VAT・GST・Sales Taxの計算・徴収・各国への登録・申告・納付をすべてPolar側が処理。開発者は税金のことを一切気にしなくていい
- ライセンスキーAPIが爆速:体感100ms以下
- オープンソース:GitHubでコード公開、透明性が高い
- 開発者体験が神:6行でインテグレーション可能
- サポートが爆速:Discordで開発者と直接話せる
一番驚いたこと:AIがダッシュボードを作ってくれる
Polarのオンボーディングで一番びっくりしたのがこれ。
プロジェクト作成時にAIチャットボットと対話すると、要件に合った設定とダッシュボードの雛形を自動で作ってくれる。
「デスクトップアプリのライセンス販売がしたい」「デバイス数制限をつけたい」みたいに伝えると、それに最適化された商品設定やライセンスキー設定が自動で構成される。
他のサービスでこんな体験をしたことがありません。
最初から「開発者が楽になること」を徹底的に考えており、かつ最高のChatbot体験でした。
Lemon Squeezy vs Polar.sh 比較
| 項目 | Lemon Squeezy | Polar.sh |
|---|---|---|
| 手数料 | 5% + 50¢ | 4% + 40¢ |
| 月5万ドル売上時の差 | - | $500/月 節約 |
| API速度 | 2-3秒 | 100ms以下 |
| 本人確認 | 数週間〜無限 | 即日〜数日 |
| サポート | 1週間〜無視 | Discord即レス |
| API Key | 必要(漏洩リスク) | 不要なエンドポイントあり |
| オープンソース | No | Yes |
| インテグレーション | 普通 | 6行で完了 |
| AIオンボーディング | No | Yes |
手数料だけで見ても、月100万円売り上げたら年間約7万円の差になります。
開発者の評判
Polar.shの対応の速さについて、実際に使った開発者が書いています:
"Go SDKがなかったから問い合わせたら、2日以内に公開された"
"バグ報告したら48時間以内に修正された"
Lemon Squeezyとの差がすごい。
実装は超シンプル
Polar.shのライセンスキーAPIは認証不要のエンドポイントがあります。
// これだけでライセンス認証できる
const response = await fetch("https://api.polar.sh/v1/customer-portal/license-keys/activate", {
method: "POST",
headers: { "Content-Type": "application/json" },
body: JSON.stringify({
key: licenseKey,
organization_id: "your-org-id",
label: "MyApp",
}),
});
ポイント:API Keyが不要
Lemon Squeezyだと、API Keyをアプリにバンドルするか、バックエンドを用意する必要がありました。API Keyが漏洩したら大変。
Polar.shは認証不要エンドポイントがあるので、デスクトップアプリから直接叩ける。セキュリティ的にも実装的にも楽。
注意点
日本語対応
チェックアウト画面やメールは英語のみです。日本のユーザー向けに販売する場合は、LPで説明が必要かも。
まだ新しいサービス
2025年時点ではまだ比較的新しいサービスです。ただ、オープンソースで開発が活発なので、むしろ安心感がある。
銀行振込
Stripeを通じた振込なので、日本の銀行口座への振込に問題はありませんが、為替手数料は発生します。
Merchant of Recordのトレードオフ
Polar経由だと法的な販売者がPolarになるため、自分でVATの仕入税額控除を使うことができません。また、Polarの取引量ベースで各国の課税閾値が判定されるため、直接販売なら非課税だった国の顧客に税金が上乗せされるケースもあります。個人開発の規模なら税務処理ゼロのメリットのほうが大きいですが、年商が大きくなったら直接Stripeに移行する選択肢も頭に入れておくと良いです。
まとめ
| やりたいこと | おすすめ |
|---|---|
| デスクトップアプリのライセンス販売 | Polar.sh |
| SaaSのサブスク | Polar.sh or Stripe |
| とにかく楽にデジタル販売 | Polar.sh |
| 大規模(年商1000万円超) | Stripe直接 or Paddle |
個人開発でソフトウェアを売るなら、Polar.sh一択です。
Lemon Squeezyで本人確認待ちで時間を溶かす前に、Polar.shを試してみてください。
参考リンク:
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