GENDA Tech Talk #4 開催レポート
先日、2026年5月14日に4回目となるGENDA主催のテックイベント「GENDA Tech Talk」を開催しました。GENDA・令和トラベル・10X各社の登壇に加え、Q&Aセッションと懇親会の構成で実施しました。本記事ではその様子をお届けします。

GENDAが主催する「GENDA Tech Talk」では、自社だけでなく他社の登壇者もお招きし、各社の取り組みやノウハウを業界に還元していくことを目指しています。
今回のテーマは「少数精鋭QAのリアル:プロダクトが増え続ける組織で、QAはどう戦うか」。会場は令和トラベル様にご提供いただき開催しました。イベントページ公開後、早い段階で想定を上回るほどの反響をいただき、増席しての開催となりました。
当日のコンテンツ
登壇1「M&Aで増え続けるプロダクトに少数QAはどう立ち向かうか─GENDAが挑む、全員で取り組む品質標準化戦略」
株式会社GENDA Platform Engineering部 マネージャー 安藤 麻友
GENDAからはPlatform Engineering部 QAマネージャーの安藤が登壇し、M&Aを成長戦略の柱の一つとしているGENDAにおいて、プロダクトの多様性と課題を示し、少数QAでも品質を落とさないための取り組みを紹介しました。
増え続けるプロダクトに対して、インプロセスでの品質改善活動には限界があります。そのため、GENDAでは少数QAで最大のパフォーマンスを出すため、Platform Engineeringとして横断的な品質改善活動を行っています。具体的な取り組みとして、「QAチームの対応に緩急をつけてQAチームだけでなくプロダクト全体で品質を担保する」「脱属人化でどのプロダクトでも必要なタイミングでQAに入れる体制作り」「自動化も含めプロダクトに合わせた最適なテスト戦略によりスピードと品質の両立を実現していること」について、案件タイプが異なるプロダクトの事例を交えてご紹介しました。

登壇2「開発サイクルのボーダーレス化に伴う組織変革から学んだこと 〜品質保証の試行錯誤とこれから〜」
株式会社令和トラベル エンジニアリングオフィス / AX室 室長 miisan
株式会社令和トラベルのmiisanさんからは、開発サイクルのボーダーレス化に伴う組織変革から学んだことをご紹介いただきました。
AIの台頭によりものづくりが高速化することを予見し、QAチームがインプロセス的なQA専門のグループのままでは品質保証がボトルネックになる可能性を危惧され、早めに手を打とうと行動されてきました。常に先手先手で進めていく行動力が素晴らしいと感じました。
そのなかで、QAチーム内で閉じずに会社全体を巻き込み、エンジニア全体でのフルスタック化を実現できるよう体制を変えていくなど、エンジニアチームとQAチームがお互いに染み出していく活動を実施してきました。それにより、QAがボトルネックになることなくQA文化を継続していくことを目指したものです。さらに、品質とスピードの両立の具体的な数字とともに成果があげられており、効果的な取り組みだと感じました。
ただ、ボーダーレス化によって品質保証の技術・知識の格差が発生したり、全社アウトプットにすることにより品質がバラバラ・曖昧であったことが課題としてあげられていました。
そこで、会社のフェーズの変化も踏まえて全社文脈でQA活動を行う必要を感じ、現在ではQAイネーブリンググループを新設し、各部門が自ら品質を担保できるような基盤・相談導線を整えて、全社単位でスケールさせていく取り組みを行っているとのことでした。
作り上げたものを維持するだけではなく、フェーズに合わせて体制や過去の通例ごと変えることは、なかなか容易にできることではありません。そこを突破して進めていく姿勢は見習うべきものでした。
発表全体を通してGENDAの品質保証の考え方と共通している部分も多く、取り組み内容も非常に参考になりました。

登壇3「「背中を見て育て」からの卒業 〜専門技術としてのテスト設計を軸に、品質保証のバトンを繋ぐ〜」
株式会社10X 品質管理チーム エンジニアリングマネージャー(本業)/ B-Testing(副業) ブロッコリー
株式会社10Xのブロッコリーさんからは、一人目QAの特徴とその後の組織拡大で必要なスキルとは何かをご紹介いただきました。
組織に初めて入るQAエンジニアは、組織内にQAの知見がある人がまだおらず、自身が行う行動に対してだれも正解を持っていないことも多いです。そのため、コミュニケーションスキルとドメイン知識をベースとして1人目QAは「うまくいった」ように見えやすく危うい成功体験が生まれがちです。しかし、2人目以降の組織拡大時にはうまくワークしないことが多く、どのようなスキルが本当に必要なのかという内容でした。「確かに」と感じる部分も多く、少数のQA組織におけるQAエンジニアに必要なスキルとは何かを考えさせられるものでした。
組織拡大において、1人目QAの知見に頼るのではなく、組織全体で品質に対するマインドを持つようにしたり、エンジニアリング技術を活用して標準化による省思考を試み、その分を本当に知恵を絞るべきところに注力すること、モデリングと自動化が重要であることを、実際に10Xのサービス「Stailer」ではどのように取り組んでいるかを踏まえ、具体的にお話しいただきました。

Q&Aセッション
各社の発表の後には、参加者からの質問に登壇者が答えるQ&Aセッションを実施しました。
QA組織の運用に関する質問が幅広く寄せられましたが、そのなかでも特に多かったのは、AIとQAの関係を問う内容です。「QAチームとエンジニアチームがそれぞれAIを業務にどこまで取り入れているか」「AIを利用する開発において、理想のシフトレフトの形はどう変わるのか」といった、QAエンジニアの仕事のあり方そのものを問い直す質問が並びました。
QAチームが直接関わらない領域の品質保証についても複数の質問が寄せられました。「QAチームが入らないケースのセルフテストで、何をもって品質担保とし、誰が承認しているのか」「コア機能を定義した上で、それ以外のQAチームが関わらない部分の品質管理はどうしているか」といった、限られたリソースの中で品質をどう確保するかという実務的な問いです。
また、組織への浸透に関する質問も目立ちました。「QAの役割の解像度は人によって違う中で、他部門への浸透にどのようなアクションを取っているか」「フルスタックQAとして開発チーム全体にQA文化を根付かせる際、1人目QAはどう存在意義を示して組織を巻き込んだか」など、QA組織を立ち上げ・拡大させる過程でのリアルな悩みが共有されました。


懇親会
イベントの締めくくりには懇親会が開かれ、登壇者・参加者・GENDA社員が一堂に会して交流しました。Q&Aセッションをさらに深掘りして議論したり、各社が少数QA体制でどのように効率化して品質を維持しているのか、生成AIや自動テストの活用状況などの情報交換が行われ、実りのある時間となりました。

おわりに
少数のQAで増え続けるプロダクトをどう支えていくか、各社の異なるアプローチが紹介されました。今回のイベントにおいても、事業や組織規模が異なっていても、QAに関する悩みの多くは共通していました。特に、QA組織の中だけで品質を完結させず、組織全体に広げていくという方向性は、3社いずれにも見られました。一方で、その実現方法は組織のフェーズや事業特性に依存します。そのため、択一的な答えがないのが難しいところでもあり、やりがいとも言えます。本イベントを通して共有された各社事例が、みなさまのアプローチ検討の際のヒントになれば幸いです。
「GENDA Tech Talk」は今後も継続的に開催していきます。幅広いテーマを取り上げ、参加者の皆さまにとって有意義な時間となるよう取り組んでいきます。
改めまして、今回ご登壇いただいた10X様、そして登壇及び会場をご提供いただいた令和トラベル様に心より感謝申し上げます。
次回のGENDA Tech Talkでも、皆さまとお会いできることを楽しみにしています!
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