【情シスのSkill】ClaudeでSaaSカオスマップを"ポン出し"するSkillを作ってみた
【情シスのSkill】ClaudeでSaaSカオスマップを"ポン出し"するSkillを作ってみた
はじめに
皆さんこんにちは!
株式会社GENDA IT戦略部所属CorpEngのアサノです!
今回は、Anthropicの新モデル Claude Fable を情シス目線で検証する中で作った、「サービス名を列挙しただけの一覧から、SaaSカオスマップのHTMLをポン出しするSkill」 をご紹介します。
記事の最後に、作成したSkillそのものも公開します。
想定読者
・情シス、CorpEngの方
・SaaSカオスマップを作りたい/作り直したい方
・Claudeの「Skill」機能が気になっている方
導入:なぜ
なぜClaude Fableを触っていたのか
Claude Fableがサブスクリプションで期間限定で使えるようになったので、「情シス業務のどこに効くのか」を検証していました。
新しいAIが出るたびに「とりあえずゲームでも作らせて性能を見るか」とやりがちなんですが、今回は、過去の自分の情シスアウトプットをAIに食わせたらどうなるかという方向で検証することにしました。
前職の私は「アイコン集めの旅」に出ていた
実は私、前職時代の2023年に社内ツールカオスマップを完全手作業で作った男です。
その時の記録がこちら。
当時の工程をざっくり振り返ると、
- キャンバスツールの選定(Canvaに決めるまで長考)
- 構成要素の検討(A4の紙に鉛筆で落書き)
- アイコン集め(公式アイコンじゃないと嫌というこだわりから公式サイトを巡礼し、時には問い合わせまでする長い旅)
- アイコンの貼り付け
という感じで、完成までにかなりの時間を費やし、特にアイコン集めには時間を要しました。
当時の記事で私は「カオスマップ作りはエビチリ作りと同じ。美味しさは知ってても、レシピがないと作れない」と書き、自己流レシピを残しました。
あれから3年。
今回はそのレシピをAIに渡して、エビチリ製造機を作った話になります。(?)
なお、社内ツールカオスマップの元祖・そもそもの美味しさについては、吉田航さんの記事が必読です。
Skillとは
Claudeの「Skill」は、ざっくり言うと 「特定の作業の手順書・テンプレート・品質基準をまとめたフォルダをClaudeに持たせておく機能」 です。
一度作っておけば、「カオスマップ作って」と言うだけでClaudeがその手順書どおりに動いてくれます。
Gemini Gemのカスタム指示に近い感覚ですが、テンプレートHTMLや参照ファイルを同梱できるのがポイントです。
作ったもの:saas-map Skill
何ができるのか
サービス名を列挙しただけの一覧(CSVでもExcelでもテキスト貼り付けでもOK)を渡すと、以下をやってくれるSkillです。
- 4つの帯(バックオフィス/全社横断/フロントオフィス/プロダクト)×カテゴリ枠への自動分類
- 各サービスの公式ロゴ(favicon)付きチップの配置
- 1枚もの・印刷可能なHTMLの生成
- 入力一覧の全サービスが漏れなくマップに載っているかの機械的な検証
そう、お気づきでしょうか。
あの「アイコン集めの旅」が、faviconの自動取得で消滅しました。 3年前の私に教えてあげたい。
Skillに落とし込んだ「レシピ」
Skillの中身(SKILL.md)には、2023年の手作業で得たノウハウをそのまま手順書として書き込んでいます。抜粋するとこんな構成です。
- 入力チェック:一覧の添付がなければ作業せず、必須列・任意列を案内して添付を促す
- 一覧の解析:アプリ名列の特定、重複排除
- カテゴリ分類:4帯×標準カテゴリをベースに、主用途で判断。知らないサービスはWeb検索で調べる
- faviconドメインの決定:公式サイトのドメインを特定(不明時はイニシャルアイコンにフォールバック)
- HTML生成:実績のあるテンプレートHTMLのプレースホルダ置換のみ(毎回ゼロから作らせない)
- 検証:入力とマップを突合して漏れゼロを確認してから納品
ポイントは 5のテンプレート方式です。毎回HTMLをフルスクラッチで生成させるとレイアウトが安定しないので、「完成品のテンプレートを同梱して、データ部分だけ差し替えさせる」構造にしました。これで出力品質が毎回揃います。
注意:実行はFableでなくてもOKです
今回はFableの検証を目的としているため、SKILL作成・検証もFableで行っていますが、完成したこのSkill自体はモデルを選びません。実際にSonnetで実行しても同じ結果が得られることを確認済みです。
カオスマップの生成自体は分類とテンプレート差し込みが中心のタスクなので、日常的にポン出しする分にはSonnetで十分+トークン消費も抑えられます。Fableは今回のような「新しいモデルで何ができるか」を検証するフェーズで使い、実運用はSonnetに切り替える、という使い分けがよさそうです。
実際に使ってみる
使い方は本当にこれだけです。
(※)本サンプルは弊社ではなく3年前の記事を参考にした架空の会社Aの構成です
下記一覧からカオスマップを作成してください
* Salesforce
* Xserver
* WordPress
* note
* freee会計
* freee人事労務
* LinkedIn
* CLOUDSIGN
* Amazon Business
* Google Workspace
* Gmail
(〜以下略、全34サービス〜)
で、ポン出しされたのがこちら。

サービス名を列挙しただけの一覧から生成されたカオスマップ(架空のA株式会社)
カテゴリ分類、ロゴ、レイアウトまで一発です。
2023年の私が数週間かけた工程が、数分になりました。
(分類が微妙なところは「これは総務じゃなくて法務」と会話で直せばOKです)
ポン出しの、その先へ
ここからが本題。
手作業時代は「完成したマップをコーヒー片手にホムホム眺める」のがゴールでした(それはそれで一興)。
でもAIで作ると、マップの中身をAIが理解した状態がスタート地点になります。つまり、そのまま次の質問に進めるのです。
- 「このマップでカテゴリ内に機能が重複していて、統合によるコストダウンが見込めるものはある?」
- 「削減見込み額の試算列付きの検討用一覧に整理して」
- 「セキュリティリスクが高そうなところはない?」
手作業時代の「完成後の活用」(認証方式のマッピングとか)を、ヒアリングや調査を挟まずにその場で対話しながら進められる。カオスマップが「眺める資料」から「議論を始めるための入力データ」に変わったのです。
効果と学び
効果
- 試しに個人で試したところ、カオスマップ作成時間が数日間 → 数分に短縮(アイコン集めの旅、消滅)
- 浮いた時間を「マップを使った分析・検討」という生産的な時間に移行できた
- 一覧を差し替えれば何度でも同じ品質で出せるので、月次更新や複数社対応も現実的に
学び
- 生成AI流行以前の「使える情シスアウトプット」を、改めてAIでスキル化する価値は大きい。 作成にかかっていた時間を短縮できるだけでなく、その先の分析・検討に時間を使えるようになる
- 新しい技術が出てきたとき、つい新しい創造(ゲーム作成とか)で検証しがちなところを、これまでの業務を見直す方向で使うと、既存のアウトプットをもう一段進化することができる
- 3年前に自己流レシピを言語化して記事に残していたことが、そのままSkillの手順書になった。アウトプットは未来の自分(とAI)への投資でした
更に向こうへ plus ultra
- アカウント数や費用の列も食わせて、コスト可視化マップへの拡張
- As-Is/To-Beの2枚出しで、吉田さん記事の王道活用をAIで再現
- 他の「生成AI以前の情シス定番アウトプット」のスキル化(台帳系、棚卸し系はぜんぶイケる気がしています)
今回作成したSkillを公開します
SKILL.mdとテンプレートHTMLを以下で公開します。
GitHubリポジトリで公開
自社の一覧でぜひポン出ししてみてください。
「うちではこう改造したよ」「この分類おかしくない?」等あればぜひコメントで教えてください!
まとめ
Claude Fableの検証として、3年前に手作業で作ったSaaSカオスマップの「レシピ」をSkill化したら、一覧からのポン出しが実現し、その先の分析までシームレスに進めるようになりました。
エビチリの美味しさを知っていて、レシピも書いた。
次はそのレシピを製造機に組み込む番かもしれません。
みなさんの過去のアウトプットにも、スキル化を待っている「レシピ」が眠っていませんか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Discussion