🎁

ノベルティから見るGENDAの技術広報

に公開

こんにちは、VPoEの荒井です。
これまでGENDAは、さまざまな技術カンファレンスへのスポンサー協賛を行うとともに、記事発信や登壇など、複数の手段を組み合わせて技術広報に取り組んできました。
先日の記事でも触れたとおり、2025年のGENDAの技術広報活動は大きな進捗を見せていますが、そうした取り組みを重ねる中で、一定の役割を担ってきた存在のひとつが「ノベルティ」です。
GENDAでは、ノベルティを単なる配布物や付加価値としてではなく、数ある施策の中の一要素として、技術広報を補完する役割を担うものと捉え、設計してきました。本記事では、ノベルティ制作の観点を軸に、GENDAがどのように技術広報を進めてきたのかを振り返ります。

認知拡大に向けたGENDAの課題

2021年にテック組織を立ち上げたGENDAですが、エンジニア界隈での認知度には大きな課題がありました。会社としてはM&Aを主軸に急成長していたものの、会社名がそのまま想起されるようなプロダクトがあるわけではないため、エンジニアにとっては馴染みが薄く、開発のイメージも持たれにくい状況でした。
そのため、記事発信やイベント登壇など、さまざまな取り組みを通じて、まずは「エンジニアがいる会社であること」や「どのようなプロダクトを作っているのか」を知ってもらうところから始めました。そうした取り組みを進める中で、イベントやカンファレンスごとに、ノベルティも使い分けてきました。これから、ノベルティの制作にあたって重視してきた観点と、その変遷について紹介していきます。

GENDAブース

ノベルティ制作の観点

前述の課題を踏まえ、GENDAではノベルティを技術広報施策の一部として継続的に制作してきました。ノベルティは自由度が高い一方で、判断基準を持たなければ場当たり的になりやすい施策でもあります。そのため、制作にあたっては以下の6つの観点をあらかじめ定め、毎回これらに立ち返りながら設計を行っています。

  • 企業/ブランド/イベントとの親和性・整合性
  • コスト
  • 保存・管理
  • 物理的制約
  • 制作・納品スケジュールの現実性
  • 再現性・継続性・拡張性

企業/ブランド/イベントとの親和性・整合性

ノベルティは単体で評価されるものではなく、その場で接触するGENDAの技術広報全体の印象を左右します。会社として伝えたい価値観や技術組織の姿と乖離したデザインやメッセージは、短期的な目立ちや話題性があったとしても、長期的にはノイズになります。イベントの文脈を踏まえつつ、GENDAらしさが自然に伝わるかを重視しています。

コスト

ノベルティは単発で成果を測れる施策ではなく、複数年にわたって積み重ねていく前提の取り組みです。そのため、1回あたりの単価だけでなく、継続した場合の総量や、他の技術広報施策とのバランスを含めて判断しています。無理のあるコスト設計は、結果的に施策の継続性を損ないます。

保存・管理

制作後の保存や管理も、設計段階から考慮しています。壊れにくさや在庫の持ちやすさは、継続的な運用に直結します。たとえば、賞味期限が短い食料品や、割れ物で管理に手間がかかるものは、実務上の負荷が大きくなりがちです。GENDAではF&B事業を展開していることもあり、あえて賞味期限のある食品をノベルティとして採用するケースがあります。保存・管理の観点では一定の制約が生じますが、賞味期限を含めて設計上の前提として織り込んだうえで、技術広報の運用として成立するかを判断しています。

物理的制約

ノベルティの厚さ、サイズ、重さ、持ち運びやすさといった物理的な制約も、設計において重要な要素です。カンファレンスごとに定められた要件や会場ルールがあるため、それらを前提条件としてノベルティを検討しています。
GENDAでは、エンジニアが開発しているサービスをよりダイレクトに伝えるために、ノベルティの配布に留まらず、クレーンゲームの筐体そのものを会場に持ち込んだことがあります。体験としての強度は高まる一方で、搬入・設置・撤収に加え、電源や来場者導線など、物理的・運営上の制約は大きくなります。そのため、搬入条件や設置可能範囲、運用体制といった各カンファレンスの要件を踏まえたうえで、成立するかどうかを判断しています。

制作・納品スケジュールの現実性

アイデアとしては面白くても、制作期間を考えると現実的でないケースは少なくありません。製品の納品スケジュールはもちろんですが、そもそもノベルティは担当一人で完結するものではなく、デザイナー、広報、エンジニアなど、複数の関係者の協力によって成立します。イベント日程は固定されているため、企画から制作、納品までを期限内に完遂できるかは必須条件であり、その制約の中で成立させられるかという点は重要です。GENDAにおいても、スケジュールや体制面での課題はありましたが、成立した背景には、関係者の高いコミットとバリューの体現による後押しがありました。

再現性・継続性・拡張性

GENDAでは、ノベルティを単発の施策として切り出して考えていません。翌年以降も同じ判断基準で検討できるか、別のイベントや技術広報施策にそのまま、もしくは一部を調整して使えるかを重視しています。特定の年やイベントに依存しすぎない設計にしておくことで、都度ゼロから考え直す必要がない状態を目指しています。

ノベルティ設計の変遷

前述の6つの観点を判断軸として、ノベルティの設計を行ってきました。一方で、制作を始めた2023年から2025年にかけて、技術広報の前提や重視する観点は変化してきました。以下では、その変化が分かるノベルティをいくつか挙げ、当時どのような観点を重視して取り組んでいたのかを紹介します。

GENDAという存在を伝える(2023)

テック組織立ち上げ初期は、GENDAという会社自体がエンジニアにほとんど知られていない状況でした。プロダクト開発を行っているGiGOについては一定の認知がありましたが、GENDAとGiGOが結びついて理解されている状態ではありませんでした。
そのため、この段階では個別の技術的な取り組みを詳しく伝えることよりも、まず会社としての存在や、どのような事業を行っているのかといった輪郭が伝わることを重視しました。
カンファレンスにおいては、登壇枠を含むスポンサー協賛を行い、エンジニア自身もCfPを提出して登壇しました。そのうえで、初期に制作するノベルティは、次の2点を決めました。

GENDAのロゴTシャツ

ロゴTシャツは、GENDAという名前そのものを認知してもらうことを目的に制作しました。テック組織立ち上げ初期においては、会社名を知っている人自体が少なく、ノベルティとして複雑な情報を載せるよりも、視認性と企業名の分かりやすさを優先しました。
カンファレンスで登壇することを前提に制作しており、他社を見ても登壇時にTシャツが存在しないテック組織はほぼないため、一番最初に着手しました。GENDAという名前を繰り返し目にする機会を増やすことで、まず存在を知ってもらうための重要な存在です。

iOSDC 2023

GENDAとGiGOの関係を明示するためのクレーンゲームのサービスチケット

初期フェーズにおいては、GENDAという会社の輪郭を説明すること自体が重要でした。当時、開発の主軸であったGiGOとの関係を補足する役割を担うノベルティとして、クレーンゲームのサービスチケットをノベルティとし、GENDAとGiGOの関係性を直感的に伝えました。

GENDAの強みと面白さの一つに実店舗が関わる開発があることが挙げられます。そこで、クレーンゲームのサービスチケットを通じて、GENDAがアミューズメント施設「GiGO」のDXに取り組んでいることを伝えるとともに、サービスチケットを使うという体験に紐づいた形で関係性・事業を理解してもらおうと考えました。

クレーンゲームチケットノベルティ

クレーンゲームのサービスチケットを技術カンファレンスのノベルティとして受け取る体験は珍しく、SNSで投稿してくださる方もいました。GENDAだからこそ作成できるノベルティであり、狙い通りの結果が出せたと感じます。

開発領域を伝える(2024)

GENDAという会社や事業の輪郭を伝えることに加えて、どのような開発領域を持っているのかを伝えることも重要でした。モバイル領域においては、当時からアミューズメント施設「GiGO」の会員向けアプリをはじめ、グループ内で複数のモバイルアプリを開発・運用していましたが、その点は必ずしも十分に伝わっているとは言えない状況でした。

2024年は、モバイル領域をテーマとしたカンファレンスへのスポンサー協賛を行っており、その文脈に合わせて、モバイル開発に焦点を当てたノベルティを設計しました。アプリアイコンをモチーフにしたラムネは、配布のしやすさやコストといった制約を満たしつつ、複数のアプリを開発・運用していることが一目で伝わる形として構想したものです。

GENDAラムネノベルティ

複数のアプリアイコンを並べることで、単一のアプリではなく、複数のプロダクトを持つ組織であることを伝えようと考えました。事業が次々と増えていくGENDAにおいて、アイコン(ラムネ)の種類を増やしていくことで構造をそのまま表現でき、スケールできる点も、このノベルティを選んだ理由の一つです。

開発内容を伝える(2025)

2025年に入り、FlutterKaigi 2025およびアーキテクチャConference 2025にて、ブース出展を行いました。ブース出展は以前から構想していた取り組みの一つで、組織として実行できる状態になったと判断し、来場者と直接やり取りできる場をつくっています。
これまでは、まずGENDAという会社の存在を知ってもらうことを重視し、その次に、どのような開発領域を持つ組織なのかを伝えてきました。ブース出展においては、事業と具体的な開発内容に直接触れてもらうことを考えました。

ブースのコンテンツとして用意したのは、GENDAの事業と開発の両方に関係するクレーンゲームです。このクレーンゲームは、市販の筐体をそのまま設置したものではありません。一般的なコイン投入の形ではなく、私たちが開発している「GiGOリンク」による決済のデモ体験ができ、私たちが普段取り組んでいる開発内容をそのまま触れられる構成にしました。

GiGOリンクデモ

会場で足を止めてもらうための“目立つもの”という効果もありますが、体験中の挙動を起点に会話が始まり、そのまま普段取り組んでいる開発の話に入っていける導線として機能しました。
クレーンゲームで獲得する中身の景品には、GENDAのグループ企業であるSweet Pixelsが展開するヒルバレーのポップコーンを採用し、ノベルティとしてGiGOのソーダやボールペンも用意しました。体験と会話の流れの中で、自然に手に取ってもらえる形を意識しています。

Flutter Kaigi 2025 GENDAブース

まとめ

本記事では、ノベルティを軸に、GENDAにおける技術広報の変遷を振り返りました。
GENDAでは、ノベルティを単なる配布物としては捉えていません。技術広報の文脈の中で、伝えたいことや組織の状態に応じた役割を持たせて設計しています。
2025年のブース出展を通じて、組織として何を、どのように伝えていく必要があるのかが、より具体的に見えてきました。
GENDAのポートフォリオは多様であり、まだまだ伝えたいことはたくさんあります。今後も特定の手段にとらわれることなく、自分たちが何を伝えたいのか、どの接点が適切なのかを考えながら、技術広報に取り組んでいく予定です。

GENDA

Discussion