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週刊Cloudflare - 2025/02/09週

2025/02/20に公開

こんにちは、あさひです 🙋‍♂️
今週はアップデート多めですね 😅 早速みていきましょう 🙌

この記事の主旨

この記事では、Cloudflare のサービスにどんな変更があったかをざっくりと理解してもらい、サービスに興味を持ってもらうことを目的としています。そのため、変更点を網羅することを優先します。

2025/02/09 ~ 2025/02/15 の変更

Wrangler

3.109.1

パッチアップデート

  • nodejs_compatunenv によってエイリアスされた npm パッケージの併用時に、__cf_cjs が複数回追加される問題を修正

3.109.0

マイナーアップデート

  • 既存のキューの設定を更新するための新しいサブコマンド queues update が追加されました。これにより、キュー作成後でも設定の変更が可能となります。
  • Queue 作成時に、メッセージ保持期間を任意に上書きできるようになりました。
  • wrangler deploy--outfile オプションが追加され Worker バンドルを生成できるようになりました。このオプションを使用すると、Worker Upload API を用いて Worker をデプロイするために必要な情報をすべて含む、Cloudflare 独自のフォーマットでバンドルが出力されます。
    • 高度な機能のため、ほとんどのユーザーは通常使用する必要はありません。
  • wrangler check startup コマンドの追加。Worker の起動フェーズ中の CPU プロファイルを生成できます。起動時のパフォーマンスボトルネックの特定や最適化が容易になります。

パッチアップデート

  • Wrangler が Sentry にエラーを報告する際、コンソール出力が追加のメタデータとして含まれるようになりました。
  • wrangler devvitest を使用したテスト時に、Miniflare が Worker Pipelines バインディングを参照できるようになりました。
  • wrangler d1 create コマンドが、設定ファイルのフォーマットに応じた正しい出力を行うようになりました。TOML 形式で出力されていましたが、使用されるフォーマットに合わせた出力が行われます。
  • wrangler types コマンドの --path および --x-include-runtime オプションのデフォルト値をメトリクスに含めるよう変更。
  • wrangler dev コマンドで WRANGLER_LOG 環境変数を適切に適用するよう修正。
  • 依存関係の更新。
    • miniflare@3.20250204.1

3.108.1

パッチアップデート

  • wrangler secret list --format=json 実行時に、誤って Wrangler バナーが出力される不具合を修正。
  • 依存関係の更新。
    • miniflare@3.20250204.0

3.108.0

マイナーアップデート

  • Workers CI 用に、環境変数 WRANGLER_CI_OVERRIDE_NAME を追加。
  • バインディングが見つからない場合に明示的なログを出力する機能 が追加。
  • wrangler versions secret put コマンド使用時に、unsafe.metadata の設定を提供するように変更しました。

パッチアップデート

  • versions secret put コマンドが、既知のすべてのバインディングを継承するように変更。
  • ローカル開発時のデベロッパーコンソールメッセージを改善。ローカルバインディングには「[Simulated Locally]」、リモートリソースには「[Connected to Remote Resource]」と表示されるようになりました。
  • プライベートベータとして Images bindings をサポートします。
  • wrangler pipelines コマンドに--cors-origins オプションを追加しました。HTTP エンドポイントに対する CORS オリジンの許可リストを指定できます(任意のオリジンの場合は * を利用)。
  • 複数の Workers を 1 つの wrangler devで実行できるようになりました
    • 例: wrangler dev -c wrangler.toml -c ../worker2/wrangler.toml
    • Durable Objects 間のクロスサービス RPC などが可能になりました。
    • アセット付きの Worker が存在する場合、プロダクション環境と同様の動作にならなかった問題がありましたが、本修正で改善されました。
  • wrangler pipelines updateおよびwrangler pipelines create フラグの以下のパラメータが変更されました。
旧名称 新名称
access-key-id r2-access-key-id
secret-access-key r2-secret-access-key
transform transform-worker
r2 r2-bucket
prefix r2-prefix
binding enable-worker-binding
http enable-http
authentication require-http-auth
filename file-template
filepath partition-template
  • Hyperdrive 設定一覧取得で API から Hyperdrive 設定を一覧取得する際に fetchPagedListResult を使用するように改善。20 件しか表示されなかった設定が、すべて正しくリストされるようになります。
  • 実験的自動プロビジョニング機能にテレメトリが追加され、利用状況の計測が可能になりました。
  • 依存関係の更新。
    • miniflare@3.20250204.0

Workers

特定のエラーメッセージに参照用の ID を追加

Workers が特定の障害に対して「internal error」例外を生成する場合、エラーメッセージに参照用の ID が付与されることがあります。この参照 ID をサポートへの問い合わせ時に提供することで、エラーの特定が容易になります。新しいメッセージ例はinternal error; reference = 0123456789abcdefghijklmnとなります。

Smart Placement 動作を統一

Workers の Smart Placement 機能は、従来、D1 データベースとバインドされている Workers を同じロケーションで実行されていました。今後、D1 バインディングの有無にかかわらず Smart Placement を使用するすべての Workers に対して同じ配置ロジックが適用されるようになりました。

Durable Objects

Durable Objects も Workers と同様に特定の障害により "internal error" 例外を生成する場合、例外メッセージに参照用の ID が付与されるようになりました。この参照 ID をサポートへの問い合わせ時に提供することで、エラーの特定がより容易になります。

Queues

キューのメッセージ保持期間を、最小 60 秒から最大 14 日までカスタマイズできるようになりました。 以前は、デフォルトの 4 日間に固定されていました。メッセージの保存期間は、キューの設定ページか、wrangler queues update コマンド を使ってカスタマイズできます。この機能は、すべての新規および既存のキューで利用可能です。

wrangler queues update my-queue --message-retention-period-secs 600

R2

Super Slurper は、AWS S3 や Google Cloud Storage などのクラウド オブジェクト ストレージ プロバイダーから Cloudflare R2 へ、以前より最大 5 倍速くデータを転送できるようになりました。今までの Workers、Durable Objects、および Queue を使用して、集中型サービスから Cloudflare Developer Platform 上に構築された分散型システムに移行し、パフォーマンスを向上させ、システムの並行処理能力を高めたようです。

Super Slurper の詳細と、既存のオブジェクトストレージから R2 へのデータ移行方法については、以下のドキュメントを参照してください。

https://developers.cloudflare.com/r2/data-migration/super-slurper/

Load Balancing

Cloudflare Load Balancing において、Cloudflare Tunnel の取り扱いの一貫性を向上させる修正が行われました。これにより、特にトンネルを利用する場合のルーティングがより信頼性が高く、予測可能なものになります。

Access

プライベートなセルフホスト型アプリケーションと再利用可能なポリシーの GA

プライベートセルフホストアプリケーションと再利用可能なアクセスポリシーが全顧客向けに一般提供(GA)されました。これにより、企業は内部アプリケーションへのアクセス管理やセキュリティポリシーの運用を、より柔軟かつ一貫性のある方法で実施できるようになります。

アクセスポリシーのフィルタリングサポート

アクセスポリシーをアクション、セレクタ、ルールグループ、割り当てられたアプリケーションごとにフィルタリングできるようになりました。

Gateway

Cloudflare Gateway および DLP ユーザー向けの新機能として、HTTP ポリシーを作成できるようになりました。ポリシーを設定して以下の 2 つのトラフィックセレクターが利用可能になりました。

  • ファイルサイズセレクター
    • アップロードおよびダウンロード時のファイルサイズ(MiB)に基づいて、指定したファイル サイズに基づいてアップロードまたはダウンロードをブロックできるようになり。
  • ファイルタイプセレクター
    • パスワードで保護されたファイル、圧縮されたファイル、またはスキャンできないファイルをブロックできるようになりました。

Zaraz

Logpush のサポートが Zaraz に追加されました。

Rules

Custom Errors

Custom Error Responses を拡張したベータ版の「Custom Errors」を導入しました。これにより、外部でホストされているエラーページを Cloudflare エッジに保存し、カスタムエラーのルールで参照できるようになりました。その結果、エラーコンテンツをインラインで定義する必要がなくなり、またアカウントレベルでルールやアセットを管理できるため、複数のゾーンで一貫したエラー処理が実現されます。

Rules 製品の制限上限の増加

Cloudflare Rules 製品の制限を見直し、各プラン間でより理解しやすく一貫性のあるものにアップグレードしました。この改善により、複数のルールタイプを管理するユーザーは、より大きなスケーラビリティと柔軟性を享受でき、全体的にシンプルな運用体験が実現されます。

  • Bulk Redirects
    • Free: 20 URL リダイレクト → 10,000 URL リダイレクト
    • Pro: 500 URL リダイレクト → 25,000 URL リダイレクト
    • Business: 500 URL リダイレクト → 50,000 URL リダイレクト
    • Enterprise: 10,000 URL リダイレクト → 1,000,000 URL リダイレクト
  • Cloud Connector
    • Free: 5 コネクタ → 10 コネクタ
    • Enterprise: 125 コネクタ → 300 コネクタ
  • Custom Errors
    • Pro: 5 エラーアセットとルール → 25 エラーアセットとルール
    • Business: 20 エラーアセットとルール → 50 エラーアセットとルール
    • Enterprise: 50 エラーアセットとルール → 300 エラーアセットとルール
  • Snippets
    • Pro: 10 コードスニペットとルール → 25 コードスニペットとルール
    • Business: 25 コードスニペットとルール → 50 コードスニペットとルール
    • Enterprise: 50 コードスニペットとルール → 300 コードスニペットとルール
  • その他のルール
    • Enterprise: 125 ルール → 300 ルール
      • Cache Rules
      • Configuration Rules
      • Compression Rules
      • Origin Rules
      • Single Redirects
      • Transform Rules

Workflows

Workflows の実行処理が改善され、インスタンスが停止状態になるのを防ぐとともに、既に停止しているインスタンスも正常に再開できるようになりました。また、各ステップの再試行回数の信頼性が向上し、インスタンス ID の検証も強化されています。

Magic WAN

Magic WAN Connector は、ローカルコンソールを通じて静的 IP 割り当てを設定できるようになり、Cloudflare ネットワークへの接続をより簡単にブートストラップできるようになりました。

Stream

Stream プレーヤーの UI が調整され、カスタマープロバイドの VAST または VMAP 広告 URL を用いて広告を再生する際に、プレーヤー下部に小さな進捗バーが追加され、プレーヤーコントロールの背後の影が軽減されました。今回の変更は、Google Ad Exchange での使用を承認済み。なお、この変更は組み込みの Stream プレーヤーを利用し、独自の広告を呼び出しているお客様にのみ影響し、Stream 自体はデフォルトでは広告を表示しません。詳しくは以下を参照してください。

https://developers.cloudflare.com/stream/viewing-videos/using-the-stream-player/#basic-options

WAF

2025/02/11 に以下のルールが追加されました。

https://developers.cloudflare.com/waf/change-log/2025-02-11/

筆者の感想

みなさん Cloudflare のドキュメントに AI が回答してくれる機能があることはご存知ですか?
割とちゃんと答えてくれるのでドキュメントにあった気がするけどどこに書いててっけ?となる時はここで探すと探してきてくれたり、詳細を教えてくれたりします 🤖
英語の方がいいんだろうなぁと思って使ってたんですが、最近日本語でもいい感じに返してくれることに気づいてからは日本語で使ってます笑

この存在とか活用方法より裏で Workers AI 使ってるならどのモデルなんだろうか…日本語これだけ出力してくれるかつ Workers AI ならぜひ使いたいのだが…(著者は今のところテキスト生成のいいモデルが Workers AI では見つかっていない 😭)

https://developers.cloudflare.com/workers/ai/

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