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AI時代にこそエンジニアが読むべき名著5選

に公開

はじめまして、ますみです!

株式会社Galirage(ガリレージ)というAIスタートアップで、代表をしております^^

その他にも、「AIとコミュニケーションする技術(インプレス出版)」という書籍を執筆させていただいたり、生成AIアカデミーというYouTubeチャンネルを運営したり、上智大学で非常勤講師をしたりしています!

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この本を読めば、エンジニアとしての市場価値が上がる。

そんな本を、多くの人が探しているのではないでしょうか?

結論として、AI時代に最もコモディティ化が進むのは 「実装できること」 です。
コードを書くコストがゼロに近づくほど、 「技術者としての高度な設計・評価ができる人」「事業として見渡せる人」 の希少性がさらに高まります。

1冊目:『良いコード / 悪いコードで学ぶ設計入門

良いコード / 悪いコードで学ぶ設計入門の書籍カバー

  • 著者:仙塲 大也さん(ミノ駆動)
  • 出版社:技術評論社
  • 発刊日:2022年4月
  • 補足:ITエンジニア本大賞2023 技術書部門 大賞

この本の真価は、 「書く技術」ではなく「読む技術」を鍛える点 にあります。

AIがコードを生成する時代において、エンジニアの役割は変わりつつあります。
「コーディング」から「設計者(アーキテクト) / 評価者(レビュアー)」 へと重心が移動しているのです。

AIが出力するコードは「動く」ことが多いです。
しかし、密結合・低凝集といった 設計上の歪み が混入していても、AIはそれを指摘しません。

その歪みを見抜けるかどうかが、今まさに問われる能力です。
プロンプトを書く力より、生成されたコードを 設計の視点で評価できる力 の方が、はるかに希少なのです。

また、本書のもう一つの特徴は、悪いコードを 「人のせい」にしない 点です。
問題を個人の能力ではなく、 制約の積み重ねで生まれる構造的な問題 として捉えています。
この視座は、AIの生成したコードへのレビューにも直結します。
「なぜAIはこう出力したか」を仕組みとして考える習慣が、より質の高いレビューを生むからです。

2冊目:『体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方

体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方の書籍カバー

  • 著者:徳丸 浩さん
  • 出版社:SBクリエイティブ
  • 発刊日:2018年3月
  • 補足:通称「徳丸本」

AIが生成するコードには、 「動作するが脆弱」 なものが混在します。
学習データが「動作するコード」に最適化されているためです。

この事象を説明する一つの論文として、「Do Users Write More Insecure Code with AI Assistants?」というスタンフォード大学の研究があります。

この研究では、AIを使ったグループのコードの方が、脆弱性があったことが示されています。

それにも関わらず、AIを使ったグループの方が、脆弱性がないという自信を持っている(セキュリティリスクを過小評価させる「過信バイアス」があった)結果となりました。

つまり、AI時代においては、 「コードの安全性を見抜く目」 が、これまで以上に重要になります。

AIアシスタント利用グループと非利用グループのセキュリティ脆弱性比較
スタンフォード大学の研究より:AIアシスタント使用グループの方が脆弱性が多く、かつ過信バイアスが確認された

見落とされがちですが、セキュリティの問題は多くの場合、 技術力の不足ではなく「想像力の欠如」 から生まれます。
脆弱性が生まれる箇所とは、開発者が「攻撃者ならどう悪用するか」を想像できなかった箇所です。

つまり、安全なコードを書く力は、 攻撃者の視点を持てるかどうか にかかっています。

AIにコードを書かせる行為は、 信頼性が不明な成果物を受け入れる行為 でもあります。
その検証能力を持つ人は、組織にとっての重要な要となるでしょう。

3冊目:『人工知能は人間を超えるか

人工知能は人間を超えるかの書籍カバー

  • 著者:松尾豊さん(東京大学教授)
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発刊日:2015年2月
  • 補足:大川出版賞、ビジネス本大賞特別賞

2015年の本を、なぜ今読むべきなのか。
なぜなら、この本は「(生成AIが登場する以前の)AIの本質を理解するための古典」とも言える本だからです。

今では、生成AIがAIの主流になっていますが、その根本にはもっと古典的なAIの理論が存在します。

この根本にある理論を理解することで、AIと一緒に仕事をする際に、AIの挙動に関する理解が深まります。

また、 「予測が外れた箇所」にこそ学びがある とも考えています。

松尾先生はAIの普及がロボティクス領域から始まると予測しました。
しかし現実には、ChatGPTの発表以降、ホワイトカラーの支援(文章生成AI)から普及が始まりました。

この「予測の誤差」を分析すること が、AIの本質を理解する最高の教材になります。

一方で、本書の核心の一つでもある 「特徴量をどう得るか」 という問いを考えてみましょう。
これはLLM(Large Language Model)の時代でも変わっていません。

プロンプト設計とは、本質的には 「AIに適切な特徴量を与える行為」 とも言えるからです。

おまけ:AIとコミュニケーションする技術(インプレス出版)

自著紹介になりますが、『AIとコミュニケーションする技術(インプレス出版)』という書籍を出版しております◎

これからの未来において「変わらない知識」を見極めて、生成AIの業界において、読まれ続ける「バイブル」となる本をまとめ上げました。

もしもよろしければ、ご一読いただけますと幸いです^^

「AIとコミュニケーションする技術」表紙

4冊目:『イシューからはじめよ

イシューからはじめよの書籍カバー

  • 著者:安宅和人さん(慶應義塾大学教授、LINEヤフーCSO)
  • 出版社:英治出版
  • 発刊日:2010年11月
  • 補足:累計60万部突破

AIは「イシューを解く力」を無限に低コストにしました。
しかし同時に、間違ったイシューを高速で解く危険も拡大しています。

本書で紹介されている 「犬の道」 とは、イシュー度を無視してがむしゃらに働く姿勢のことです。
AIの登場で、この罠には以前より陥りやすくなりました。

AIに指示すれば、それらしい出力が返ってきます。
しかし問い自体が的外れなら、 AI Slop(ゴミの生成物) にしかなりません。

AIは考えたり、解いたりすることは得意ですが、 「何を考えるべきか」「何を解くべきか」は判断をできません。

だからこそ、 「イシューを見抜く力」 が、AI時代のエンジニアにとっての最重要スキルの一つになります。

5冊目:『プロダクトマネジメントのすべて

プロダクトマネジメントのすべての書籍カバー

  • 著者:及川卓也さん、曽根原春樹さん、小城久美子さん
  • 出版社:翔泳社
  • 発刊日:2021年4月
  • 補足:Google、Microsoft、SmartNews出身の著者陣

エンジニアは、コードだけ書いていればいい。
そんな時代は、終わりました。

事業戦略、UX、マーケティング。プロダクト全体を見渡せるエンジニアの価値が、今、急激に上がっています。

コードが書ける、に加えて、事業が見える。
その掛け算が、市場価値を大きく変えます。

本書のCore → Why → What → Howのフレームワークを理解する。
すると、自分の実装が事業のどこに位置するかを語れるようになります。

この「語れること」が、市場価値を高める最大のレバレッジになります。

以上が、AI時代のエンジニアにおすすめしたい5冊です。

まとめ:読書は「行動が変わらなければ娯楽」である

最後に、1つだけ伝えさせてください。

「読んだことがある」と「身についている」 の間には深い溝があります。

その溝を埋めるのは、もう一度読み直すことではありません。
翌日の行動を1つ変えること です。

この5冊には共通点があります。
どれも 「自分が見落としていたもの」を突きつける本 です。

自分のコードの設計の甘さ。見逃していたセキュリティの穴。
AIへの過信。解くべきでなかった問い。見えていなかった事業の全体像。

正しく読めたなら、 居心地が悪くなるはず です。
もし「いい本だった」で終わったなら、それは読書ではなく 知的な娯楽 でしかありません。

また、 「(見落としを)理解できる」と「(見落としを)見える」も全く別のもの です。
例えば、プルリクエストを開いた瞬間に、歪みが見える人は、ほとんどいません。

この差を埋めるのは読書量ではなく、 「実践の回数」 です。

5冊すべてを読む必要はありません。

まず1冊を選んで、翌日の仕事で たった1つの行動を変えてみてください。

その小さな変化だけが、 「市場価値を上げる」 ための唯一の一歩です。

最後に

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
この記事を通して、少しでもあなたの学びに役立てば幸いです✨

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