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【エンジニアの成長を支える!納得感のある評価システム】

2025/01/31に公開

株式会社fundbook テクノロジー戦略部の平山です。
前年度に評価方法を抜本的に見直し、1年間運用してきたので当時の振り返りを兼ねて弊社の評価システムについてご紹介させて頂きます。
運用する中で改善が必要な点もありましたが、技術面の成長やビジネス視点の醸成など一定の効果もあったので、こんなやり方をしている会社もあるんだなと思っていただけたら幸いです。

私が目指した「納得感のある評価システム」

私はエンジニアとして評価される側も、マネージャーとして評価する側も経験してきました。その中で、成長を実感できる評価制度が少なく、納得のいかないケースが多いことに課題を感じていました。「何を評価されているのかわからない」「評価基準が曖昧で、主観に左右される」「成果を出しても正当に評価されない」といった状況が続けば、エンジニアのモチベーションやキャリア形成に悪影響を及ぼします。

これまで感じていた課題を解決するため、両者が納得できる仕組みへと改善を進めています。エンジニアの専門性と事業貢献をバランスよく評価基準に組み込み、明確な基準と定量的な指標を設定しました。これにより、個々の成果が適切に評価され、成長機会につながる仕組みを目指しています。 本システムでは、エンジニアが技術をどのように業務改善や新たな価値創出につなげたかを評価します。例えば、新技術の導入による業務効率化や、システムの最適化が業務フローの改善やコスト削減にどれほど寄与したかを定量的に分析します。さらに、評価結果をもとに適切なフィードバックが行われ、エンジニアが次に習得すべきスキルを明確にしながら、実践的な成長機会を得られる仕組みを整えています。これにより、技術力の向上とともにキャリアアップへの道筋が明確になり、成果が昇進や報酬にも直結する形で反映されます。

ここが違う!実力がそのままキャリアに直結

1. キャリアパスごとのスキルマップと求められる能力が明確

【ディレクションスキル】

プロジェクトマネージャー:

  • チーム内外の関係者と円滑なコミュニケーションを取りながらプロジェクトを推進できる
  • タスクの優先順位を決定し、進捗を管理できる
  • 課題を特定し、解決策を提案できる
  • ステークホルダーとの調整や交渉ができる

シニアディレクター:

  • プロジェクト全体のスコープを定義し、適切なリソースをアサインできる
  • 複数のプロジェクトを横断的に管理し、適切な意思決定ができる
  • リスク管理を行い、プロジェクトの成功確率を最大化できる
  • 経営層と連携し、事業戦略に基づいたプロジェクト計画を策定できる

【サポートスキル】

QAエンジニア:

  • テスト計画を作成し、品質基準に基づいたテストケースを設計できる
  • バグの原因を特定し、開発チームと連携して解決できる
  • ユーザー視点でのテストを実施し、製品の品質向上に貢献できる

システムサポートエンジニア:

  • システムの監視と保守を行い、障害発生時に迅速に対応できる
  • 問題の原因を分析し、恒久的な対策を提案できる
  • ユーザーからの問い合わせに対応し、適切なサポートを提供できる
  • システムのパフォーマンスを最適化し、継続的な改善を行える

【エンジニアリングスキル】

ジュニアエンジニア:

  • シンプルな業務ロジックの実装ができる(例:CRUD操作、基本的なAPI連携)
  • 既存のコードを理解し、仕様に沿った修正ができる
  • コードレビューを受けながら品質を意識した実装ができる
  • コードの品質や納期を守る意識を持てる

シニアエンジニア:

  • CRMやマッチングプラットフォームのプログラミングを独力で実装し、カスタマイズが可能
  • バックエンド/フロントエンドの設計・実装をリードし、適切なアーキテクチャを選定できる
  • API設計やデータモデリングを行い、複雑なビジネスロジックを実装できる
  • バックエンド設計・実装の経験がある
  • 周辺ツールやアプリケーションの監視・保守を実施できる

アーキテクト:

  • システム全体の技術選定をリードし、開発標準を策定できる
  • マイクロサービス、分散システム、クラウドネイティブアーキテクチャの設計・実装が可能
  • チームの技術指針を決定し、新技術を適用して開発プロセスを改善できる
  • システム全体の設計・課題解決を主導できる
  • 新技術のキャッチアップと実践導入ができる

【データ分析スキル】

データエンジニア:

  • BIツールの開発・運用ができる
  • データパイプラインの構築と最適化が可能(ETL処理、バッチ・ストリーミング処理)
  • DWHの設計・チューニングを行い、パフォーマンスを向上できる
  • データモデリングを理解し、適切なスキーマ設計ができる

データサイエンティスト:

  • データ分析を通じてビジネス課題を特定し、意思決定を支援できる
  • 統計分析や機械学習(回帰分析、クラスタリング、ディープラーニングなど)を活用し、実務に応用できる
  • モデルの評価・改善を行い、運用可能な形でシステムに組み込める
  • データの可視化(ダッシュボード作成)やレポート作成により、関係者へ適切なインサイトを提供できる

このように、各スキル領域ごとに求められる能力が定められており、次に目指すべき目標が明確です。

2. ビジネス貢献度を数値化することで定量的な評価を実施

私たちの評価システムでは、単なる作業量ではなく、「どれだけビジネスに貢献したか」 が重要な評価基準です。

ROI(投資対効果) を基準にプロジェクトの利益貢献度を評価し、開発にかかったコストと予測される売上から算出

例えば、開発費が100万円で、そのプロジェクトが年間150万円の売上を見込める場合、ROIは150%となり高評価となります。一方で、予測売上が50万円にとどまる場合、ROIは50%となり、改善点のフィードバックを行います。

業務効率化の度合い を測定し、貢献度を可視化し、実際の業務削減効果を評価

例えば、1年間で業務時間を30%以上削減し、自動化やプロセス改善によって年間100時間の作業削減を達成した場合、高評価となります。一方で、10%未満の削減に留まる場合は改善点を特定し、次のアクションプランを策定するためのフィードバックを行います。

サポート業務の貢献度 も評価対象とし、対応件数や問題解決率を考慮して評価

例えば、年間100件以上の問い合わせ対応を成功させ、平均対応時間を短縮しつつ解決率90%以上を維持した場合、高評価となります。一方で、対応件数が少なく、解決率が80%未満の場合は改善点のフィードバックを行い、業務の最適化に向けた提案を行います。

こうした評価基準を明確にすることで、努力の成果が適正に評価され、モチベーションの向上につながります。

3. 進みたいキャリアパスに沿った、成長に必要なスキルと昇格の基準を設定

「次に何を学ぶべきか?」「どのスキルを伸ばせば昇格できるのか?」
これらの疑問に答えるために、キャリアパスを明確化しています。
例えば:

ジュニアエンジニア → シニアエンジニアへ昇格するには?

  • CRMに新しく追加する機能を設計からリリースまで担当する
  • 自身が設計・実装した機能を保守・運用し、実際に発生した課題や障害から振り返りを行う

シニアエンジニア → アーキテクトへ進むには?

  • システム全体のパフォーマンスや可用性、ランニングコストなどを計測し、適切な手をうつ
  • 新技術をキャッチアップし、導入プロジェクトを推進する
  • ジュニアエンジニアへのレビュー、技術サポートを通して知識を深める

このように、キャリアの進み方が明確であり、スキルの習得がダイレクトに昇進へとつながります。

4. 定期的な振り返りを行うことで評価の透明性を確保

評価の公平性と納得感を高めるため、期初に個人目標を設定し、その目標が自身の成長とビジネス成果に直結しているかを上長と協議します。四半期ごとの振り返りでは、進捗の確認に加え、課題や改善点を特定し、適切なフィードバックを受けながら目標達成のためのサポートを受けることができます。これにより、エンジニア自身が成長の方向性を明確にし、キャリアアップに向けたアクションを具体化できる仕組みとなっています。

START 自身の目標を設定し、部門長と協議

設定した目標が自身の成長につながるか、ビジネスに貢献できるか、そして実現可能な内容かを部門長や上司と確認し、具体的な行動計画を策定します。

every week 目標を達成するための定期的な1on1

直属の上司だけでなく、必要に応じて他の上長と定期的に1on1を実施し、スキルアップに向けた学習方法や将来のキャリアへの不安などを相談できる場として活用します。

quarter 四半期ごとの簡易評価

四半期ごとに簡易評価を実施し、目標達成に向けた進捗の確認・振り返りを受け、必要に応じて目標の見直しを行います。

GOAL 期末に評価を実施

自己評価、上長評価、必要に応じて同僚評価を行い、最終的な評価が決定されます。

これにより、評価が一方的なものではなく、エンジニア自身が成長を実感できる仕組みになっています。

まとめ

私たちの評価システムは、エンジニアのスキルとビジネス貢献をバランスよく評価し、成長を支援する仕組みを提供します。具体的には、以下のポイントに重点を置いています。

  • 明確な評価基準とキャリアパスの設定
    • スキルレベルに応じた成長目標を明示し、昇格の基準を明確にすることで、エンジニアが自身の成長を計画しやすくしています。
  • ビジネス成果を定量的に評価
    • 単なる作業量ではなく、投資対効果や業務効率化の度合いなど、具体的な成果に基づいた評価を行います。
  • 定期的なフィードバックとサポート体制
    • 期初の目標設定、四半期ごとの進捗確認、期末の評価を通じて、適切なフィードバックを提供し、エンジニアの成長を後押しします。

このシステムにより、エンジニアが納得感を持ちつつ、自身のキャリアアップを実現できる環境を整えています。努力が正当に評価される職場で、技術とキャリアの両方を磨いてみませんか?

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