フェズ開発合宿2025秋 in 山梨石和温泉
はじめに
こんにちは。株式会社フェズ開発本部でカスタマーサクセスを担当している山田です。
今回は2025年11月に開催した開発合宿についてのブログを書いていこうと思います。
非エンジニアの私がなぜ開発合宿に参加しブログまで書くことになっているのか、本エントリーを読んでいただければわかると思いますので、エンジニアの方もそうでない方もぜひ最後まで読んでいただければ嬉しいです。
前提
私達株式会社フェズには、「プロダクト開発部」「データ基盤部」「開発基盤部」「リテールシステム部」といったエンジニアが所属する部署がミッションごとにいくつかあります。
各部署の所属メンバーはエンジニアが多いですが、カスタマーサクセスやアナリスト、PdM、プロダクト営業などの非エンジニアもミッションに応じて所属しています。
今回は、エンジニア/非エンジニアにかかわらず、開発をメインとする部署に所属しているメンバーがみんなで温泉で癒されながらワイワイ開発してみようよ、という感じで集まっています。
なぜ開発合宿をするのか
普段の業務環境じゃなくてわざわざオフィスを離れて集まって開発をすることで何が良いのか、開発合宿のメリットは以下のようなことが挙げられます。
- オフィスの雑音や突発的な相談などがなく開発に集中できる
- 普段関わりの少ない部署のメンバーとも部署を超えて横断的に関わることができる
- 限られた時間の中で集中することで成果物が出しやすい
- 温泉でリフレッシュできる
- 他の用事や終電などの時間を気にせず
遊べるチーム活動ができる
今回の開発合宿においても、上記のような多くのメリットが享受できた結果、この後に紹介するような素敵な成果物が誕生したと思っています。
今回の合宿テーマ「AI ALL in」
さて、重要な今回の合宿テーマは「AI ALL in」です。
このテーマとなった背景として、フェズの全社員は150名程度に対して開発関係者は20名前後と決して大きくはない組織であるために、個人の生産性が相対的に重要であることが挙げられます。
さらに昨今の生成AIの成長は著しい一方で、各人の生成AI利用範囲としては限定的/属人的であり、開発組織としての生成AI活用にはまだまだ伸び代があると言える状況でした。
今後IT開発にかかわる人間として生成AIを使わない選択肢はなく、IT開発市場で主導権をもって活躍していくためには生成AIを使いこなす器量はもちろんのこと、AI Agentオペレーター的な職能がより重要になるため、合宿を通じて生成AIに関する知識やスキルを習得しよう!ということで「AI ALL in」がテーマとなりました。
開発合宿終了後のゴールイメージとしては、生成AIを使った開発をすることで
- 開発のあり方が大きく変わるということを肌で感じる
- 当たり前に全員がAIを使いこなす組織になる
という感覚を各メンバーが持てていると良いな、というイメージで目標設定やチーム構成を行いました。
スケジュール
こちらが当日のスケジュールです。
基本的には各チームでやりたいことに合わせて調整できるように自由度高めに設定されています。
Day1
10:15 石和温泉駅集合
10:30 会場着
10:45 AIの使い方/進め方レクチャー
13:00 開発ワーク
16:30 Day1 中間報告会
17:00 温泉♨️
19:00 ごはん
Day2
09:00 開発ワーク
16:00 成果発表会
ちなみに今回の合宿地は山梨県の石和温泉に行ってきました。

都内からは新宿からの中央線快速で1時間程度で、中央線快速は新幹線みたいな車内なのでちょっと遠出気分を味わいながら、駅弁を食べたりしながら現地に向かうことができます。
宿泊させていただいたのは「花いさわ」さんで、合宿用の会議室と宴会会場をお借りできるのに加え、カラオケやゲームセンターが併設されているとっても過ごしやすい施設でした!


開発合宿でなにをやった?
では実際に今回の開発合宿で何をしたのか、ですが各チームで1つの成果物(最低限動くシステム)を作るというゴールで開発ワークを行いました。
また、生成AI活用の解像度を高め自由なアイデアのもとに開発ができるよう以下の制約を設けました。
制約① 手動コーディング禁止、AIにやってもらう
制約② 職種シャッフル
制約③ 開発合宿のチームでワイワイする感じを全力で楽しむ
①については、エンジニアなら自分でコードを書きたくなるところをAIに任せることで生成AIでできることの解像度を上げ、コードを書かない人でも開発がどこまでできるのかを感じてもらうために設けられました。
②については、普段開発をしているエンジニアが要件定義を、普段クライアント向き合いをしている営業が開発業務を、というように普段やらないことをやることで、新しい発見や気づきにつなげられるよう設定されていました。
最後に③については、合宿後に振り返った時に通常業務で生成AIを活用できそうなイメージや、こんなこともAIでできそうだな、というアイデアにつながることが、この合宿の最高の成果と言えるのでまずは全力で楽しむことを命題としていました。
事前準備
さて、開発合宿に行くにあたり、非エンジニアである私は開発業務を担うことが確定していたので、事前に環境設定を行いました。
具体的には、以下です。
エンジニアに教えてもらいながら言われるがままにインストールしました。
- WSL(Windows Subsystem for Linux)のインストール
- Node.jsのインストール(WSL)
- Claude Codeのインストール(WSL内のbashで実行)
- Claude Maxプランで認証
- Cursorのインストール・WSL連携設定
成果物
上記の事前準備を経て、各チームで2日間開発を行った結果、以下のようなプロダクトが誕生しました。
✅ AI対戦型GeoGuessrクローン
└ Google Maps Street Viewを使って場所を当てる日本版ゲーム
✅ 稟議くんAIボット
└ Claude APIを使って「この業務に稟議必要?」に答えるツンデレ性格のボット
✅ キャラクター型Slackボット「pakamaraちゃん」
└ プラグインアーキテクチャでキャラクター育成機能や俳句生成、ランチ推薦プラグインなど拡張可能な会話AI付きSlackボット
✅ 匿名Slack投稿Webアプリ
└ Cloud Run + IAP を使った本番環境デプロイ済みの安全な匿名投稿ツール
✅ ぼっちのためのDMボット
└ Notion連携で「○○さんとなかよくなりたい」趣味マッチングができる個人向けボット
また、全体の数値的な成果としては、以下でした。
- 総コミット数 : 177件
- 変更ファイル数 : 1,797ファイル
- 実質コード追加 : 約13,000〜15,000行(依存関係除く)
- 純増コード量 : 約+5,000〜7,000行
改めて振り返ってみると、想像以上の数の試行錯誤を繰り返し、全チームが生成AIを使ってちゃんと動く(操作して結果が返ってくる)プロダクトを作れたことは素直にすごいと思いました。
次の章では、私たちのチームで作った「匿名Slack投稿Webアプリ」を例に、開発~運用までについてポイントと経過をまとめてご紹介します。
合宿でのチーム開発とリリース後の運用
前章にもある通り、私たちのチームでは「匿名Slack投稿Webアプリ」を作成しました。
開発背景~運用開始までの流れは以下の通りです。

背景
今回の成果物イメージとしては、合宿の成果発表会で実際にメンバーの皆さんに使ってもらえるようなツールを作りたいと思っていました。
気軽にコメントをしてもらうために、匿名でメッセージを送れるようにすることで心理的ハードルを下げられれば、ということで開発することになりました。
実装した機能
- Webアプリ経由でメッセージを送信するとランダムな動物の名前でSlackチャンネルに投稿(Cloud runのログを見ても誰が送信したかは見えない)
- 27種類の動物ガチャシステムでランダムな動物名の決定(レア動物あり)
- スタンプカード収集機能(LocalStorage永続化、NEWのバッジ表示)
- Google IAP認証(@fez-inc.jpドメイン限定にすることでセキュリティ担保)
- メンション禁止機能(メンションを含む投稿をブロックしていたずらの防止)
- PWA対応ファビコン(複数サイズ対応、モバイルフレンドリー)
- 隠しコマンド(テトリス、占い機能、細木数子名言bot)
- ワンコマンドデプロイ(deploy.sh で GCP環境自動構築)
開発成果
- 開発期間 : 2日間(約10時間)で企画から本番デプロイまで完結
- 総コード量 : 約2,500行(フロントエンド1,158行、バックエンド、インフラ、ドキュメント含む)
- デプロイ時間 : 5〜10分で本番環境構築完了
- インフラコスト : 月額0〜5ドル(Cloud Runにアクセスしたら起動する仕様)
- 保守コスト : ほぼゼロ(依存パッケージ2つのみ、ステートレス設計)
- セキュリティレベル : エンタープライズグレード(ゼロトラスト、データ非保存)
- ドキュメント : 410行のREADME + 3つのMermaidアーキテクチャ図 + 複数のセットアップガイド
AI活用による開発加速ポイント
- インフラ自動化 : deploy.shスクリプトを自動生成(GCP API有効化、IAP設定、権限管理など)
- ドキュメント生成 : 包括的なREADME、Mermaid図3種、トラブルシューティングガイドを数時間で作成
- 大規模リファクタリング : 31ファイルのプロジェクト名変更を一貫性保って実行
- セキュリティ実装 : IAP統合、Secret Manager連携、メンション検出などベストプラクティスを自動適用
- 機能実装 : 動物ガチャ、スタンプカード、隠しコマンド、各種UI/デザインなどクリエイティブ機能を高速実装
運用
無事に成果発表会前にデプロイすることができ、成果発表会中もたくさん使ってもらうことができました。
合宿後も、気軽に発言できる場所として使ってもらえている様子があり、匿名であることからコミュニケーション促進につながったと感じられました。

実際に、フェズには実名での雑談チャンネルがありますが、過去30日間の投稿数で見ると匿名投稿チャンネルのメッセージ数が増えていました。

合宿中だけでなく、その後も使えるツールをリリースできたことは、非エンジニアとして初めての経験であり、さらにそのツールが社内のコミュニケーション促進につながったことで、ユーザーの反応を直接感じることもできました。
振り返り
冒頭で開発合宿になぜカスタマーサクセスが参加しているのか、という疑問かを投げかけていましたが、今回の開発合宿においてはむしろ非エンジニアこそ実際に手を動かし、自らの手でプロダクトを作ることで生成AIやエンジニアに関する解像度が高まると思いました。
生成AIを使うことである意味簡単にアイデアが形になることを知ることができましたし、AIでカバーできる範囲がこんなに広いのかということにも驚きました。
成果物に関しても、自分がデプロイした機能がみんなに使われていることがこんなにも嬉しいことなのか、と何かを作った時の嬉しさを感じることができました。


参加者の声
合宿後のアンケートでは、全員が最高 or 良かったと評価しており、具体的なコメントでも生成AIを活用した達成感や職種シャッフルによって気づけた点などを回答してくれました。

良かった点
- AIを使った開発という点だけ固定で、開発内容は自由だったので、純粋にAIを使うという部分をメインに体験できてよかった。各グループのアイデアや創意工夫が見れて楽しかった。
- 普段の仕事から離れて何かをチームで作るとか、普段関わりがない方々とチームでやるなど、とても刺激があって楽しかったです。
- 最初は環境設定やエラー対応で苦戦する場面も多かったですが、生成AIを使うことで、自分のアイデアが少しずつ形になっていく過程が非常に面白く、完成した時の達成感は予想以上でした!
- 非エンジニアがこんなところで詰まるんだと分かった。
- 今回は非エンジニアの方にUbuntuを入れて開発をしてもらったが、普通に開発できていたのでWindowsでやるより全然良いなと思った。
課題
- 各部署ごとの取り組みを互いにレビューし合える機会が、定期的にでもあれば、開発部全体として"AI Ready"な状態を維持できそう。
- 成果物について、最終的に運用に乗せるまでやりたい。合宿後のワークなども計画できればよかった。
- ネットワークや電源周りでのトラブルはもったいなかったので、毎回ポケットWifiやタップの準備は忘れないようにしたい。
さいごに
非エンジニアによる開発合宿レポート、いかがだったでしょうか。
開発合宿や生成AI、フェズでの開発組織の雰囲気が伝わっていればうれしいです。
フェズでは現在、PdM / エンジニア等の採用を積極的におこなっております。
興味のある方は、採用ページよりご連絡いただけますと幸いです!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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