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【ハンズオン】Azure×Terraformでインフラ構築を自動化する手順ガイド

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はじめに

クラウドインフラの構築・管理において、手作業によるリソース作成は非効率でミスのもとです。

そこで注目されているのが、Infrastructure as Code(IaC)ツール「Terraform」です。Azureにも公式プロバイダーが用意されており、Terraformを使うことでインフラ構築を自動化できます。

本記事では、Azure×Terraformで実際にインフラを構築する手順を、初心者にもわかりやすくハンズオン形式で解説していきます。

Terraformとは?Azureと相性がいい理由

Terraformは、HashiCorp社が開発したオープンソースのInfrastructure as Code(IaC)ツールです。

AzureをはじめAWS、GCPなどマルチクラウド環境に対応しており、シンプルなコードでインフラリソースの作成・変更・削除を管理できます。

特にAzureでは公式に「Azure Provider」が提供され、リソース定義が非常にスムーズに行えるため、高い親和性を持っています。

Terraformの特徴まとめ

  • プロバイダー経由でマルチクラウド対応
  • 宣言型構文(HCL:HashiCorp Configuration Language)
  • 状態管理(Stateファイル)による差分デプロイ
  • コードによる再現性と変更管理が容易

AzureでTerraformを使う準備

AzureでTerraformを使い始めるには、いくつかの初期セットアップが必要です。ここでは、必要な前提条件と環境構築手順を紹介します。

必要なもの

  • Azureアカウント(無料枠利用可)
  • Terraform CLIのインストール
  • Azure CLIのインストール

TerraformとAzure CLIがセットアップされていれば、ローカル環境から簡単にAzureリソースを操作できるようになります。

Terraformインストール手順

  1. 公式サイト(Terraform Downloads)からバイナリをダウンロード
  2. パスを通してterraform -vでバージョン確認
  3. (推奨)Visual Studio CodeにTerraform拡張機能を追加

Azure CLIインストール手順

公式サイト(Azure CLI Install Guide)に従い、インストール&az loginでサインインしておきます。

【ハンズオン】AzureリソースをTerraformで構築してみよう

ここからは実際に、Terraformを使ってAzure上にリソース(仮想マシンなど)を作成するハンズオンを行います。

ステップ① Terraformプロジェクトの作成

任意の作業ディレクトリを作成し、以下のファイルを用意します。

main.tf(リソース定義ファイル)

provider "azurerm" {
  features {}
}

resource "azurerm_resource_group" "example" {
  name     = "example-resources"
  location = "japaneast"
}

→ この例では、東日本リージョンにリソースグループを作成します。

ステップ② 初期化(terraform init)

プロジェクトディレクトリで以下コマンドを実行し、Terraformを初期化します。

terraform init

Azure Providerが自動ダウンロードされます。

ステップ③ 計画(terraform plan)

実行計画を作成して、実際に何が起こるかを確認します。

terraform plan

問題なければ次へ進みます。

ステップ④ 適用(terraform apply)

リソース作成を実行します。

terraform apply

実行後、Azure Portalを確認すると、リソースグループが作成されているはずです。

Terraformを使ったAzureインフラ管理のベストプラクティス

TerraformでAzureリソース管理を行う際は、長期運用を見据えてベストプラクティスを押さえておくことが重要です。

リソース命名ルールの統一

コードでリソースを大量作成するため、リソース名・タグ付けルールを標準化しておくと、運用管理がスムーズになります。

ステートファイル(state file)の安全管理

Terraformはリソースの状態を「stateファイル」で管理します。このファイルをAzure Storageアカウントなどに保存して、複数人開発やバックアップに備えましょう。

モジュール化による再利用性向上

リソース定義をモジュール化(フォルダ分割・パラメータ化)することで、複数環境(開発・検証・本番)に対応しやすくなります。

おわりに

Terraformは、Azureインフラ構築を自動化・標準化し、開発スピードと信頼性を大きく向上させる強力なツールです。

本記事のハンズオンで基本操作を習得できたら、次はより高度な構成(仮想マシン+ストレージ+ネットワークなど)にも挑戦してみましょう。

Infrastructure as Codeによる新しいクラウド運用スタイルが、あなたのキャリアをさらに広げてくれるはずです。

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