MIRU2025参加報告
はじめまして!
株式会社エクサウィザーズAIテクノロジーエンジニアリングユニット(AITE)の堺です。
今年7/29 ~ 8/1に画像の認識・理解シンポジウム「MIRU2025」が国立京都国際会館で開催されました。
当社からは7名(綱島秀樹、小島啓明、Jiazheng CHAI、金田綾乃、福原吉博、Chi Zhang、堺勇人)が参加いたしました。
当社の活動
1. ブース出展
本章では、当社はシルバースポンサーとして出展したブースでの活動について記載します。
当社が進める
・LLM Finetuning
・非剛体 ICP(金田の研究)
・医療向け歩行分析アプリ LocoStep
・認知症検知 AI
・カードゲームにおける戦略的意思決定 AI
といったテーマをポスター形式で展示しました。
ポスター展示を通じて、研究者の方々と活発に議論でき、インターンに関心を示してくださる来場者も多く、技術的な知見の共有に留まらず「エクサウィザーズは面白い会社だ」という印象を持っていただけたことが、何よりの収穫でした。

2. 当社のポスター発表
IS2-134「因果推論による系統的汎化エージェント」(当社の綱島の研究)
既知属性の新しい組み合わせ、すなわち分布外環境で行動するエージェントの汎化性能を評価できるベンチマークを構築し、因果推論のフロントドア調整を用いてバイアスを低減し汎化を促す FASG を提案しています。系統的汎化と強化学習を橋渡しする試みとして、多くの貴重なフィードバックを頂戴いたしました。
IS1-012 「MASt3R 点群と信頼度を用いた非剛体ICPの有効性検証」 (当社の金田の研究)
近年三次元復元の文脈でも大規模事前学習モデルの普及により、少ない枚数から高品質な点群を出すことが可能となり、これにより多くの分野への展開が現実的になっています。
NR-ICP(Non-Rigid Iterative Closest Point)は、時間変化する対象や形状変形を伴う対象の点群整合に用いられますが、従来は初期整合や拘束の設計に問題がありました。
本研究ではこの大規模モデルが出力する"信頼度マップ"がNR-ICPの精度とロバスト性を向上させるのではないかといった検証を行なっています。
3. 受賞報告
本章では、MIRU2025において当社メンバーが受賞した2つの賞について報告します。
当社の金田・綱島が受賞したので報告させていただきます。
こちらで公開されています。
3-1. 金田:MIRU インタラクティブ発表賞を受賞
当社の金田が、ポスターセッションでの上記の発表 MASt3R 点群と信頼度を用いた非剛体ICPの有効性検証 において MIRU インタラクティブ発表賞を受賞しました。
こちらのポスター発表では、基盤モデルは三次元復元までで評価が止まりがちですが、本研究ではその出力を下流の3D位置合わせ・変形復元タスクへ流用する点が興味深いとのコメントを多くいただきました。

3-2. 綱島:MIRU 論文評価貢献賞を受賞
また、当社の綱島秀樹が「MIRU 論文評価貢献賞」を受賞しました。本賞は、査読コメントの質・量ともに顕著な貢献があったレビュアーに贈られるものです。日頃からコミュニティ貢献に力を入れている当社としては、綱島の受賞は大きな励みとなりました。

聴講メモ
1. チュートリアル
チュートリアル1「ロボット基盤モデル研究の最前線」
画像と言語に加えてアクションまで一体で扱う Vision–Language–Action モデル(いわゆる RT-X 系列)を中心に、アーキテクチャ設計・学習レシピ・評価ベンチマークを網羅的に概観する内容でした。巨大データで事前学習したモデルを実ロボットへファインチューニングする際のコツや、廉価なロボットハンドを用いた再現実験のレポートなど、研究室レベルから産業応用までスケール感を持って語られており「社内にある Aubo でもすぐ試せそうだ」と感じるほど具体的でした。VLA モデルを使った開発のボトルネックがどこにあるか、最新事例を通じて立体的に把握できる講義でした。
チュートリアル3「一人称視点映像解析の最先端」
撮影者の頭部カメラなどから取得した一人称視点動画は、三人称視点では捉えきれない姿勢変化や物体インタラクションの手がかりを豊富に含みます。本チュートリアルでは、そうした情報を活かして行動予測・手元操作推定・ロボット学習への転移を行う最新研究が丁寧に整理されていました。特に「人間の一人称データを教師としてロボットの視覚行動を学習させる」という事例は、ロボットビジョンの現実的なブレークスルーを予感させます。データ収集とアノテーションの課題、視線推定との統合など今後の展望も示され、検証してみたいアイデアが次々浮かぶ密度の高いセッションでした。
2. ポスターセッション
※ 全てのポスターは撮影と掲載許可をいただいておりますが、掲載に不都合等がございましたら、ご連絡いただけましたら速やかに削除いたします。
IS1-032「レイアウト生成評価のための学習不要な類似度尺度の提案」
教師ありの指標作成に伴うアノテーションコストを解消するため、レイアウト分布間の距離を最適輸送の枠組みで定式化し、その"輸送コスト"を評価指標としてご提案されています。さらに集合間比較には MMD(Maximum Mean Discrepancy)を組み合わせ、完全に学習レスでレイアウト品質を測定できる点が秀逸な点でした。GAN の評価指標論争を経験された方には、原点回帰の妙味と新規性が同時に伝わる発表だったかと存じます。

IS3-115「アノテーション不要なホームステージング画像生成」
家具のない室内写真と「ソファ」「観葉植物」などのテキストプロンプトを入力するだけで、家具を配置した室内イメージを生成する手法をご提案されています。学習自体は家具あり/なしのペアデータで ControlNet を訓練するシンプルな設計ながら、広告や不動産 VR 内見など応用範囲が広く、実用度の高さが際立っておりました。

IS1-108「Mask Optimization for Image Inpainting using No-Reference Image Quality Assessment」
不完全なマスクからの画像 Inpainting を扱われています。従来研究と比較すると定量指標では大差がないケースもありますが、ユーザースタディでは一貫して高評価を獲得しており、従来の定量評価指標そのものに課題がある可能性を示唆しておられました。顔やナンバープレートの匿名化をはじめ、個人情報保護の観点で実サービスへ組み込めそうな実用性が光る発表でした。

IS2-192「サッカー動画に基づくファウルの種類と重大度の判定」
サッカー映像におけるファウル判定を対象とした動画分類モデルをご提案されています。ViViT に GRU を組み合わせる構成で、30 fps・30 秒の映像を扱いながら学習時には 40 GB の GPU の約 15–16 GB、推論時は単一 GPU で処理可能という軽量さが特徴です。動画分析の汎用フレームワークとして再利用性が高く、当社のスポーツ・ヘルスケア系プロジェクトとも親和性が高いと感じました。

おわりに
当社の金田・綱島の受賞をはじめ、ブース出展や数々の知見共有を通じて、当社にとっても多くの学びとネットワークが得られた MIRU2025 でした。今後も研究開発だけでなく、コミュニティ活動を通じて社会実装を加速させます。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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