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論文理解(やわらかい身体のダイナミクスに計算をアウトソースする)
やわらかい身体のダイナミクスに計算をアウトソースする
- 人工知能33巻5号 2018年9月
- 中嶋浩平(敬称略)
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内容を簡単に説明(各章1文くらい)
柔らかい素材を情報処理の計算資源として活用する手法を物理リザバー計算と呼び,身体性(エンボディメント)とリザバー計算という2つの概念からなる.
通常は制御器によって担われる機能や情報処理が身体と環境の相互作用によって代替され,これらの概念を身体性と表す.その一例として,タコは水中において獲物を捕獲するときに屈曲伝搬と呼ばれる特徴的なリーチングスタイルを取る,これは水中でのエネルギー効率の良い方法であり,このような筋制御を脳ではなく足の抹消神経系でおこなっている
リザバー計算ではランダムな結合荷重をもった巨大なリカレントニューラルネットワーク(リザバー)を用意し,その結合は不変のまま学習は出力をつなぐリードアウトの部分のみをチューニングするという構成となる.学習は線型回帰・リッジ回帰を用いて素早く安定するが計算資源と能力はあらかじめ用意したリザバーの記憶領域と非線形処理能力に依存する.このシステムの理解には機械学習に加え,非線形力学の理解も必要とする
物理系のダイナミクスをリザバーとして活用する物理リザバー計算では任意の力学系を計算資源として活用できる(常に計算能力が高いわけではない)
ソフトロボットのダイナミクスは高次元の非線形性をもつため制御するのが難しいが,リザバー計算によって積極的に計算資源として使用することが可能となる
提案されている手法
解説論文のため無し
解決した課題
解説論文のため無し
今後の展望
将来的にやわらかいデバイスで実装される情報処理の1手法として広く使われるものと期待される
知らなかったこと,わからなかったこと
- ブライテンベルクビークル
自律移動ロボットの最も単純なタイプのこと,車のようなモデル - リザバー計算
リザバー(Reservoir)は貯水池という意味で再帰的ニューラルネットワークの特殊なモデルを一般化した概念で時系列情報処理に適した機械学習の枠組の1つ. - リカレントニューラルネットワーク
CNNとは異なり,再帰的な(リカレント)構造を持ったネットワークで自然言語処理や音声認識,翻訳等に使われる.時系列を持ち,可変長のデータを扱うことができる. - 線型回帰・リッジ回帰
線型回帰とは既知のデータ値を使用して未知のデータの値を予測するデータ解析手法
リッジ回帰とは重回帰分析に対してL2正則化を用いた正則化手法 - スパイナルエンジン
体をコイルのようにねじることで力が発揮される
Discussion