自分で考えるということを考える
概要
- 自分で考えることが重要だと言われがちだけど、自分で考えるって何だろうかという話
- 自分で考える=自分の中から出てきたオリジナルの考えを生み出すではない
- 自分の中に他者を取り込んで考える方が自分の意見に慎重になって、よりよい答えを出せるのでは?
この記事を書くきっかけ
以下の哲学者である谷川嘉浩さんの本を読み、自分で考えることについて考える時間があったため、この記事を書きました。一応哲学に関する本ですが、エンジニアの業務にも活かすことができる考えがたくさんありました。
そのためこれ以降はただの読書感想文だと思ってください。
本の超要約(この記事に関わる部分のみ)
本の中盤、後半部分は本記事の内容とは離れているため、関係のある前半部分だけ本文を引用しながら取り上げます。
- 自分の思考に注意深くなるべき
自分が迷っていると自覚しない迷子ほど厄介な迷子はいません(p.37)
- 他者の頭で考えることが重要
自力思考が平凡なアウトプットに陥るのは、自分がすでに持っている考え(=先入観)を再提出しているにすぎないからです。(p.73)
凡人である私たちは、哲学の歴史に棹さして考えることで、天才たちそのものなれずとも、その人たちの頭脳を借りられるということです。(p.88)
- 学んだことを正しく理解する
すぐに結果を得ようとしない(p.106)
使われている通りの言葉遣いをする(p.108)
その哲学者の想像力に沿って読む(p.111)
エンジニアの業務に当てはめると...
上記の考えをエンジニアの普段のエンジニアリング業務に当てはめると、「自分はただの平凡なエンジニアだと自覚し、注意深く他者に学ぶ」ということになると思います。
私たちエンジニアにとってベストプラクティスを学ぶということは馴染み深いことだと思いますが、この方法はとても理にかなった方法だということを上記の本を読んで感じました。
例えば私の業務範囲であるデータエンジニアリングの中だと、データのレイヤーをstaging,intermediate,martのように分けて管理する手法やディメンショナルモデリングはベストプラクティスとして広く知られていると思います。
これを0から自力で考えるというのは難しく、考えられたとしてもめちゃくちゃ時間がかかります。
これは先人たちが「連携された生データをなんで保管してないの!」「テーブル間の依存関係訳分からん!」と苦労しながら積み上げてきた知恵の結晶だと思います。
したがって、まずは自分から出てくる意見は実は大したことはないんだということを自覚するところからスタートし、ベストプラクティスを注意深く積極的に学ぶことが重要です。私のようなエンジニアが悩んでいることの9割は、世界中のエンジニアがとっくに解決しているものなのです。
ベストプラクティスの学び方
上記の本では哲学を学ぶ上で以下の3つに気を付けた方がよいと指摘されていました。
- すぐに結果を得ようとしない
- 使われている通りの言葉遣いをする
- その哲学者の想像力に沿って読む
これをベストプラクティスを学ぶということに適用すると、以下のような解釈になるかなと思います(ここは実際に本を読んで自分で考えていただいた方がよさそうですが...)。
1はそのベストプラクティスを実践するときに、今回のケースに本当にフィットしているのか、リスクはないか等、注意深くなる必要があるということが言えると思います。よく銀の弾丸はないと言われますが、正にその通りで何ごとにもリスクは大なり小なりありますし、使い方や使いどころを間違えるとバッドプラクティスです。
2,3は使われている言葉を勝手に解釈せず、書かれている通りに理解することだと思います。そのベストプラクティスの前提条件や想定ユースケースは何なのか、そこで使用されている専門用語はその文脈だとどういう意味を指してるのかを確認し理解することが重要だと思います。特に元々英語だったものを和訳したような文章の場合、そのあたりで認識のずれが生じやすいので注意が必要です。
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