シード期のBtoB SaaSに入ることの面白さ
はじめに
こんにちは、プロダクトエンジニアをしているもず(@mozu1206)です。
私は以前、シリーズCラウンドのHR SaaS企業でフロントエンドエンジニアとして働いていましたが、この度2024年9月に設立されたシードラウンドのスタートアップである Dress Code株式会社 にプロダクトエンジニアとして転職しました。
シリーズCからシードへ。リスクが高いと思われることもあります。しかし、創業直後のBtoB SaaSには、成長フェーズの企業では味わえない独特の面白さがあります。
この記事では、カオスと不確実性に満ちたシード期の魅力と、私がDress Codeを選んだ理由についてお伝えします!
こんな方に読んでほしい
- 成長フェーズの企業からシード期のスタートアップへの転職を考えている方
- シード期ならではのカオスや不確実性が気になる方
- グローバル展開を視野に入れた開発に興味がある方
- Dress Codeに興味がある方
転職で大切にした3つの軸
転職活動を始めるにあたり、私は3つの軸を設定しました。
① フルスタックな開発とプロダクト思考
AIの時代において、技術力だけでなく「プロダクト思考」がこれまで以上に重要になると考えました。深い専門性を持ちつつ、プロダクト全体を見る力が求められると感じています。
これまでフロントエンド中心の経験でしたが、プロダクト全体を見る力を身につけるには、バックエンドからインフラまで扱えるようになる必要があると考え、フルスタックな開発経験を積める環境を求めていました。
② 使い勝手・体験へのこだわり
大学院でメディアデザインを専攻していたこともあり、ユーザー体験へのこだわりは強く持っていました。そのため、デザイナーとしっかり協業しながら、使い勝手を追求できる開発環境を求めていました。
また会社として、ユーザー体験をしっかり設計したいという意志が強いか?も重要視していました。
③ 海外市場への挑戦
学生時代に国際交流のゼミに所属し、異文化交流を経験していました。日本では考えられない常識が海外にあり、そういった違いを知ることや考えることに面白さを感じており、仕事としてこの面白さに向き合いたいと思っていました。
また、純粋に海外市場を取りに行くという強いマインドを持つ会社で働いてみたいという思いもあり、グローバル展開を視野に入れている企業を探していました。
正直この「海外市場への挑戦」という部分が、企業選びにおいて一番難しいところでした。。。
「数年後には海外展開も考えている」という企業さんはもちろんいましたが、20代最後ということもあり今まさに海外展開している企業で挑戦したいという思いが強かったからです。
Dress Codeで感じた5つの魅力
転職活動を通じて複数の企業と話をする中で、最終的にDress Codeを選んだ決め手は以下の5つの魅力でした。
① シード期だから追求できる理想
Dress Codeのミッションは「あらゆる業務を整理しつくし、誰でも自然に実行可能にする」です。この「自然に」という部分に強く惹かれました。
デザインエンジニアの求人情報には「UX視点で問いを立てながら、構造・動作の最適解を設計し」とあり、「自然に使える」体験を追求する姿勢が伝わってきました。良い体験とは「自然に」使えることだと考えているため、この理念に共感しました。
そして「自然に」するためには、あらゆる可能性を考えた設計が必要になります。これまでは制約の中で最適化を図ってきましたが、Dress Codeではそうではない理想を追求できます。
妥協しない設計への挑戦
成長フェーズの企業では、既存システムとの整合性や、過去の意思決定との整合性を考える必要があります。しかし創業直後なら、「本当に良いものは何か」を純粋に追求できます。不確実性が非常に高い挑戦ですが、だからこそ面白いと感じました。
Dress Codeではどう考えて設計しているの?という質問に対しては、こちらのかわうそさんの記事をどうぞ!
② 最初から挑むコンパウンド戦略
DRESS CODEは、HR Force(人事)、IT Force(情報システム)、GA Force(総務)という複数の領域を統合したプラットフォームを提供しています。今後は採用、プロジェクト管理、コーポレートガバナンスといった領域への展開も予定されています。
DRESS CODEのユニークな戦略
DRESS CODEは、最初から複数領域を見据えた設計をしています。多くのスタートアップが機能を絞って小さく始める中で、これは大胆な挑戦だと感じました。
後から事業を広げようとすると、既存の技術的負債や組織の壁にぶつかることがあります。「全部取りに行く」というビジョンを最初から実装に落とし込むことで、将来の拡張性を確保する。このDRESS CODEの戦略に惹かれました。
Dress Codeが行っている、将来の負債が溜まりにくくするための仕組みづくりや考え方については、こちらをご覧ください!
③ 最初からグローバル展開
Dress Codeは日本だけでなく、アジア(インドネシア🇮🇩、タイ🇹🇭、ベトナム🇻🇳)でも展開しています。
転職活動時に複数社お話を聞きましたが、創業時からグローバル展開前提でやってるのはDress Codeだけでした笑
多くの企業が国内で成功してから海外展開を考える中、創業直後から複数国での導入実績があることには驚きでした。
実際に入社してみて、グローバル展開ならではの異なる常識や制約の中でプロダクトを考える必要があり、日本市場だけでは考えられないような視点が求められます。想定外の連続ですが、この不確実性の高さをプロダクトの初期設計から組み込むことができるのも、Dress Codeならではの面白さの一つだと感じています。
④ 意思決定から実装までのスピード
Dress Codeは2024年9月に設立されたばかりですが、設立から7ヶ月で130社超の顧客を獲得するスピード感の中にあります。
圧倒的な意思決定のスピード
実際に入社してみて最も驚いたのは、意思決定から実装までのスピードです。組織が小さいため、承認プロセスやレビュー待ちで時間を取られることが少なく、「これやろう」と決まったら即座に設計と実装に移れます。
新機能の0→1でも、既存機能の1→10でも、このスピード感は変わりません。成長フェーズの企業では、既存システムとの整合性や複数チームとの調整で時間がかかることも多いですが、ここでは圧倒的に速いです。
また、この速さの要因として、各エンジニアがフロントからインフラまで全てを担当していることもあります。私自身、入社後はフロントエンドだけでなく、バックエンドやインフラ周りにも触れながら開発しています!
意思決定と情報共有を支えるADRの文化
技術的意思決定をする際には、基本的にADRベースでの対話が行われています。スピードを保ちながらも、意思決定の背景を残すことで、組織としての学習を積み重ねています。
弊社のADRの考え方と実践については、ぜひこちらをご覧ください!
⑤ チームと多様性を重視する文化
代表の江尻さんが以前インタビューで「異なる意思を持つ人がそれを伝え合えば、異なるアプローチが見つかって面白い」と語っていて、とても共感しました。
過去の経験から、チームで何かを成すことを重視している企業で働きたいと考えていました。実際に働いてみて印象的だったのは、毎週全社員が集まってDress Codeにおける価値創造について議論するMTGがあることです。
エンジニアも含めた全員で、プロダクトの価値やビジョンについて議論します。職種を超えて「どうあるべきか」を話し合える環境は、チームで何かを成すことを重視する自分にとって、とても魅力的だと感じています。
ただ、情報量が多くて1ヶ月経った今でもMTG後はちょっと休憩が必要になります笑
シード期のBtoB SaaS(Dress Code)で働く面白さ
シリーズCからシードへ。リスクが高いと思われることもありますが、実際に働いてみて、シード期ならでは・Dress Codeならではの面白さを日々感じています。
すべてを作れる楽しさ
プロダクトだけでなく、開発プロセスも、チーム文化も、すべてを自分たちで作っていける。この「作っている実感」は、シード期ならではのものです。
良くも悪くも、成長フェーズの企業ではある程度役割が分割されてケースが多いため、チーム文化を作る動きだったりプロダクト開発においても幅広く関わることは中々できないと思います。
Dress Codeでも、ADRの文化であったり型化に向けた動きなどもありますが、まだまだ固まったものはなく試行錯誤を繰り返しています!
また、機能開発を進めるタイミングにおいては、一人一人が特定領域に閉じずに全ての領域の開発を行い、リリーススコープをPdMやデザイナーと議論しながら決めて進めています。
私自身、これまではフロントエンド中心でしたが、今はバックエンドやインフラ周りにも触れながら開発しています。幅広く色々なことに挑戦したい!って方にはマッチする環境だと思います!
BtoB SaaSの可能性を追求できること
Dress Codeは「あらゆる業務を整理しつくし、誰でも自然に実行可能にする」というミッションに向かって、日々最高なモノ・設計は何か?を模索しています。創業直後の何も制約がない状態だからこそ、理想を追求する余地があります。
その分、毎日脳に汗をかいている感覚もありますが、それもまた楽しいです笑
成長フェーズのBtoB SaaSから、シード期のBtoB SaaS(Dress Code)に転職して感じたことなどを書いてみましたがいかがだったでしょうか?
シード期のスタートアップへの転職を考えている方や、Dress Codeに興味がある方の参考になれば幸いです!
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