【LLMOps】LangSmithでLLM実行ログをトレースする方法
はじめまして、まつのです!
機械学習や生成AIの受託開発・AI学習サービス「aipass」の運営をしている株式会社dotConfという会社で、代表をしております!

この記事では、LLM開発・運用を効率化するLangSmithでLLM実行ログをトレースする方法を紹介します。
LangSmithとは?
LangSmithは、LangChain社が開発したLLMアプリケーションに特化した運用・管理ツールです。具体的には、アプリケーションの実行ログの追跡、データセットの構築、モデルの評価、プロンプトの最適化などを通じて、LLM(大規模言語モデル)の振る舞いを可視化・検証しながら、継続的な改善が行えるのが特徴です。また、LangChainとの親和性も高く、LangChainで構築したアプリの監視・分析基盤として、そのまま組み込むことが可能です。
| 機能項目 | 説明 |
|---|---|
| 実行ログの収集 | アプリの各ステップを詳細に追跡・可視化し、問題の発見や再現が容易に |
| データセットの構築 | 収集した入出力ログから簡単にデータセットを生成し、プロンプトやモデルの継続的学習に活用 |
| モデルの評価と比較 | 作成したデータセットを用いて、異なるプロンプトやモデル出力を比較・定量評価することが可能 |
LangSmithのセットアップ手順
アカウント作成
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LangSmithのWebサイトにアクセスし、「Sign Up for free」をクリックします

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任意のアカウントでサインアップします

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アンケートに回答すると、LangSmithのホーム画面にログインできます。

APIキーの発行
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続けてLangSmithのAPIキーを取得します。左側サイドバーの歯車マークをクリックします。

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「API Keys」の画面で「+ API Key」をクリックします。

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各項目を入力して「Create API Key」をクリックします。Key Type は「Personal Access Token」を選択します。

プログラム側での設定
- プログラムからLangSmithを設定するために環境変数を設定します。
import os
# OpenAIキーとLangSmith関連キーを環境変数にセット
os.environ["OPENAI_API_KEY"] = "sk-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"
os.environ["LANGCHAIN_API_KEY"] = "lsv2_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx"
os.environ["LANGCHAIN_TRACING_V2"] = "true"
os.environ["LANGCHAIN_PROJECT"] = "WorkSpace1"
| 環境変数名 | 説明 | 設定値の例 |
|---|---|---|
OPENAI_API_KEY |
OpenAIのAPIキー。OpenAIのモデルを利用するために必要。 | sk-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx |
LANGCHAIN_API_KEY |
LangSmithのAPIキー。トレース送信に使用。 | lsv2_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx |
LANGCHAIN_TRACING_V2 |
LangSmithのトレース機能を有効化するフラグ。 | true |
LANGCHAIN_PROJECT |
LangSmith上で表示されるプロジェクト名。任意で設定可能。 | WorkSpace1 |
動作確認
- 以下のコードを実行します。
from langchain_openai import ChatOpenAI
from langchain.prompts import ChatPromptTemplate
from langchain.schema import StrOutputParser
# === LangChain設定 ===
chat = ChatOpenAI(
model="gpt-4o-mini",
temperature=0
)
prompt = ChatPromptTemplate.from_messages([
("system", "あなたは役立つアシスタントです。"),
("human", "ChatGPTとは何ですか?")
])
parser = StrOutputParser()
# LCEL構文でチェーンを構築
chain = prompt | chat | parser
# 実行してLangSmithにトレース送信
response = chain.invoke({})
print(response)
出力結果例はこちら👇
ChatGPTは、OpenAIが開発した自然言語処理モデルの一つです。このモデルは、大規模なデータセットを用いてトレーニングされ、
人間のように自然な対話を行うことができます。ChatGPTは、チャットボットや仮想アシスタントなどの
さまざまなアプリケーションで使用されており、ユーザーとのコミュニケーションを通じて情報を提供したり、
質問に答えたりすることができます。
-
LangSmithのホーム画面戻り、ログがトレースされているか確認します。

-
トレースログをクリックすると、詳細のトレースしたログが確認できます。

主な情報として以下の項目を確認できます。
- 入力
- 出力
- データセット
- 消費トークン数
- 開始時刻
- レイテンシー
- 実行にかかるコスト
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