【参加レポート】AgileJapan 2025 に参加してきました
こんにちは、ディップ株式会社 アジャイル推進のohtakiです
2025年11月13日・14日に開催されたカンファレンス「AgileJapan 2025」に現地参加しました。

今年のテーマは 「Reboot Japan」、皆さんAI技術の進化がアジャイルなプロダクト開発や組織の営みにどのような変革をもたらすのか、そして私たち人間が果たすべき役割は何か、という点に焦点が当てられていました。
当日の学びをDay1、Day2のキーノートを中心に、印象的だったセッションの内容をまとめてご紹介します。
特に印象的だった部分だけ抽出していますので全体をご覧になりたい方は各所で開催されるサテライト開催だったりで補完していただければと思います。
📅 Day1 ハイライト
1. 【KEYNOTE】1%の変革が未来を創る
チームみらい党首 安野たかひろさんの講演
AI時代のコミュニケーションのあり方と、AIを活用した新しいワークフローについてのセッションでした。
🎤 ブロードキャスティングからブロードリスニングへ
- 一方的な情報発信(ブロードキャスティング)だけでなく、 「ブロードリスニング」(聴く) の重要性が強調されました。
- 大量の意見をAIを使って要約・グルーピングすることで、人々の「声」を可視化し、全体像をマップする取り組みが紹介されました。
⚙️ AIによる政策改善とPR作成
GitHubのOSSと同様の仕組みを用いて政策を改善する事例では、マニフェストとChatで話すことで改善提案を提出でき、裏側でAIがPull Requestを作成するという仕組みが紹介されました。
💡 DXのレベル
DXのレベルは、「元のワークフローを置き換える」フェーズから、
「元のワークフローをぶっ壊して現状の技術でどうあるべきかを考える」
フェーズへ移行しつつある、という視点が提示されました。
2. 作る、試す、正す。
株式会社レッドジャーニー代表 市谷 聡啓さんの講演
先日発売された10冊目となる著書「作る、試す、正す。」をベースにプロダクト開発における「仮説」と「フィードバック」の重要性を説くセッションでした。
株式会社レッドジャーニーさんはプラチナスポンサーとしてブースを構えており、そこで太っ腹にも該当の著書を含む社員の皆さんが手掛けた書籍を無料配布されていました。
- デッドエンドジャーニーはMVPを決めるときから始まる
- MVPの判断の時、一手目では勝ち方は見えていません。計画ではなく 「こうなるかも?」という仮説 を立て、二手目、三手目へと展開し、勝ち方を作っていく必要があります。
- 仮説を基に進めているからこそ、振返りと向き直りが重要になります。
- 「ソフトウェア:アウトプット」「プロダクト:アウトカム」「システム(構造):インパクト」 という定義の整理も共有されました。
- キャンバスの役割: キャンバスを用いることで、思考の距離、対象間の距離、そして「考える→動くこと」の距離を縮めることができる、という点が解説されました。
🚀 Day2 ハイライト
1. 【KEYNOTE】AI時代のソフトウェア開発を考える(2025/11版)
エンジニアなら皆さんご存知 t_wada さんの講演
当日はインフルエンザに罹患されたというのにリモートでご登壇されていました。
(良くなることをお祈りしております)
AI技術の進化がもたらす開発の変化と、プロのエンジニアの役割について深く考察されたセッションでした。
🤖 VibeCodingからAgenticCodingへ
AIがコードレビューをスルーすることで高速化を図るVibeCodingは、「保守不能なシステムをより高速に構築してしまう」危険性があります。今後は、ソフトウェア・エンジニアリングの知見と融合させるAgenticCodingへ移行し、AIと伴走する形が重要になります。
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プロのエンジニアの役割:
- AIと伴走:協業他社との差別化になる要件の複雑な箇所
- AIに委託:競合他社と同様なありふれた箇所
🔄 AgenticCodingのプロセス
AgenticCodingはReconciliation Loop(調整ループ)であり、「インスタンスの数は8が理想」のように理想の状態を宣言的に定義することで、エージェントが自律的に状態を収束するように働くという考え方が示されました。
💡 AIの活用法
AIは「知識の代替ではなく増幅器」であり、自分の能力を上げるための 「批判的レビュアー」 や 「根負けしない議論相手」 として使うべきである、という視点も提示されました。
2. あなたのアジャイルがうまくいかない10の理由
株式会社レッドジャーニー森實 繁樹さんの講演
アジャイルを成功させるために、誤解されがちな点や必要な要素が解説されました。
席で聞いていて周囲のタイピング(メモをとる)音が一層激しくなったように思います。
- 計画の必要性: PMBOKなどで定義されている基本的な要素はアジャイルだからといってすっ飛ばしていいものではなく、プロジェクト計画は基本的に必要なものである。
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委譲と移譲の違い:
- 委譲(Delegation): 実行はお願い、責任は取る
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移譲(Surrender): 実行も、責任もよろしく
この違いを理解し、適切に役割を分割してみんなで分担することが重要です。
- 越境と実験: 専門職だからこそ越境が重要。また、信じているなら「失ったとしても1スプリント」と考え、死なないようにセーフティネットを貼ってから一回やってみることが、成功体験を作る上で大切であると述べられました。
など、多くの人がモヤモヤしていたが答えをだせずにいた部分にバシッと終止符を打ってくれたようなセクションが全部で10個!
「既存のガバナンスを満たすようなアジャイルの設計になっていない」のセクションではスクラム祭り2025の中でohtakiが登壇した
dip版スクラムガイド作成のエピソードを成功事例としてご紹介いただきました。
こちらdip版スクラムガイド作成のインタビュー記事です(よければ)
3. 【KEYNOTE】Agile Japanで描くAI時代の私たち(クロージング)
永和システムマネジメント社長 平鍋健児さんの講演
アジャイルの根幹にある「人」と、AIによる「変化」について議論されました。
🧑💻 アジャイルの本質
Agileは「人の話」であり、「手を動かしている人が最初に気づく」「考える人を手を動かすところに入れて気づかせる、意思決定をすぐさせる」という、「やってる人と考えている人を分けてはいけない」という考えがAgileである。
🧠 SECIモデルとAI
野中先生のSECIモデル(暗黙知と形式知の行ったり来たり)がAIによって侵食されつつあり、形式知化されるとAIの独壇場となるため、このプロセスが今後さらに重要になると指摘されました。
📝 まとめと考察
AgileJapan 2025を通じて、アジャイルの核心である「人による対話」「内省」「実験」を維持しながら、AIを「増幅器」として活用する未来のプロダクト開発の姿が見えました。
AI技術の急速な進化は、「速い変化」として私たちの世界に影響を与えます。一方で、アジャイルが扱うべきは、組織の文化や人の学びといった「遅い変化」でもあります。この両方を扱うことの重要性を再認識しました。
今回の学びを活かし、日々の業務で「ブロードリスニング」の実践や、AIを批判的レビュアーとして活用するなど、新しいアプローチを試してみたいと思います。
おまけ
ランチレポート
Day1 スパイスファクトリーさんのスパイスカレー弁当

Day2 今半のすき焼き弁当

2日間ともとても美味しかったです
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