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クリスマスに13,340件の攻撃が来てAI監視で自動検知した話

に公開
2026/01/07

はじめに

「年末年始はサイバー攻撃が増える」

IPAの調査によると、年末年始期間は通常の約2倍の攻撃が発生するそうです。
監視体制が手薄になる時期を狙った攻撃が増えるとのこと。

本当にそうなのか?自社サイトで検証してみました。

検証環境

  • 対象: 自社コーポレートサイト(daihou-llc.com)
  • 構成: S3 + CloudFront + WAF
  • 監視: CloudLogAI(自社開発のAI監視ツール)
  • 期間: 2025/12/1 - 2026/1/2(33日間)

12月の全体像

まず33日間の全体像から。

指標 値
総リクエスト 99,876件
総エラー 約44,000件
平均エラー率 約44%

エラー率44%。 半分近くがエラーです。

クリスマスの惨劇(12/24-26)

12月の日別推移を見ると、異常な3日間がありました。

日付 リクエスト エラー率
12/23 1,018 37.7%
12/24 6,663 49.6%
12/25 6,677 50.3%
12/26 1,198 45.1%
12/27 1,093 41.4%

12/25のリクエスト数は6,677件。 通常の約7倍です。

何が起きていたのか

CloudLogAIの分析結果から、攻撃の内訳が見えました。

攻撃パターン 検出日数 主なパス
PHPファイル攻撃 21日 /new.php, /admin.php
WordPress管理画面 13日 /wp-admin/, /wp-includes/
設定ファイルスキャン 14日 /setup-config.php
.envスキャン 5日 /.env, /api/.env
Git情報漏洩 4日 /.git/config

WordPress関連の攻撃が多いですが、うちのサイトはWordPressではありません。

攻撃者は「とりあえず試す」スタイルで、無差別に攻撃しています。

WAF導入の効果

段階的な適用

実は、WAFは2段階で適用しました。

日付 状態 効果
12/18 モニタリングモード ログ収集のみ、ブロックなし
12/31 ブロック有効化 攻撃を403でブロック開始

Before/After(真の効果)

期間 403ブロック率 404エラー率
WAF前(12/1-17) 0% 45.4%
モニタリング(12/18-30) 0% 43.9%
ブロック有効(12/31-1/2) 22.2% 10.6%

404エラー(攻撃すり抜け)が45% → 10%に激減。

WAFがなければ、これらの攻撃は全てサイトに到達していました。

WAF設定内容

- AWS-AWSManagedRulesCommonRuleSet
- AWS-AWSManagedRulesKnownBadInputsRuleSet  
- AWS-AWSManagedRulesWordPressRuleSet
- カスタム: SensitivePathsブロック(.env, .git等)
- カスタム: Rate Limit

月額約$5で、これだけの攻撃をブロックできます。

アーキテクチャ

WAFはCloudFrontの前段に配置。 攻撃はサイトに届く前にブロックされます。

「エラー率」の正しい見方

ここで重要な視点があります。

1/2のエラー率は**46.2%**と高く見えますが、内訳を見ると:

ステータス 件数 割合 意味
403 Forbidden 944 46.2% WAFがブロック
301 Redirect 887 43.4% 正常なリダイレクト
200 OK 171 8.4% 正常アクセス

403はWAFが攻撃をブロックした証拠。

つまり「エラー率が高い」のではなく「ブロック率が高い」と解釈すべきです。

ブロック率の推移(WAF有効化後)

日付 リクエスト 403ブロック ブロック率 検知した攻撃
12/31 2,214 110 5.0% ブロック開始
1/1 3,965 769 19.4% 元旦
1/2 2,045 944 46.2% 1,441件検知

日を追うごとにブロック率が上昇。 WAFが学習・最適化されている証拠です。

年末年始の推移

日付 リクエスト ブロック(403) ブロック率 エラー率 特記
12/29 1,603 0 0% 32.9%
12/30 2,600 0 0% 36.2%
12/31 2,214 110 5.0% 33.8% ★ブロック開始
1/1 3,965 769 19.4% 25.3% 元旦
1/2 2,045 944 46.2% 46.2% 大量ブロック

IPA統計との比較

IPAの「年末年始は攻撃2倍」という統計と比較すると:

期間 1日平均リクエスト
通常期(12/1-17) 1,151件
クリスマス(12/24-26) 4,846件

クリスマス期は通常の4.2倍。IPA統計の「2倍」を大幅に上回りました。

小規模サイトでもこれだけ攻撃される

ちなみに、このサイトの規模は:

指標 値
月間UV 約2,000-3,000人
日次UV 60-200人

ECサイトでもない、ただの会社紹介サイトです。

それでも33日間で約100,000件のリクエスト、うち約44,000件がエラー(攻撃含む)。

もしあなたのサイトがもっとPVが多いなら、攻撃も比例して多いはずです。
月間1万PVなら3倍、10万PVなら30倍の攻撃が来ている可能性があります。

「うちは小さいから大丈夫」は幻想です。

「エラーが出るだけでしょ?」は甘い

攻撃によるエラーは、単なるログ上の数字ではありません。

実害があります:

  • サーバー負荷増加 → レスポンス低下
  • ページ表示が遅くなる → 離脱率上昇
  • 3秒以上かかると53%が離脱(Google調査)

つまり、攻撃を放置 = 売上機会を失っている可能性があります。

でも、監視していなければ気づけません。

「最近なんかサイト重いな」と思ったときには、すでに攻撃を受け続けているかもしれません。

まとめ

  • クリスマスに6,677件/日の攻撃が来た
  • 攻撃者は「とりあえず試す」スタイル(WordPressじゃないのにWP攻撃)
  • WAFブロック有効化で404エラーが45% → 10%に激減
  • WAFは月額$5で入れられる

教訓

  1. 「うちは小さいから狙われない」は幻想
  2. WAFは$5/月で入れられる、入れとけ
  3. 監視していないと気づかない
  4. 「エラー率」より「ブロック率」を見ろ

続編

攻撃パターンを詳しく分析してみた:https://zenn.dev/dhc4aki/articles/21503ca3751a32
WAFで防御してみた:https://zenn.dev/dhc4aki/articles/96a92fbe3290c6


この分析は CloudLogAI で自動検知しました。
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「うちのサイト、今どうなってるんだろう?」と思ったら、お気軽にどうぞ。

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