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QAコミュニケーションアンチパターン 3章 話題久闊 メビウスの輪から
話題久闊 メビウスの輪から
「採用もお願いね、CTO候補くん」
そう、独黒さんから言われた。面倒な仕事をすべて押し付けたいようだ。CTOとは一体何だろう?
唯一の会議室に入ると驚いた。
「あ」
「あ」
二人とも驚いて素っ頓狂な声を出した。なんと、黒々さんがいた。
黒々さんは早速逃げ出そうとしている。
転職エージェントも同席していて、彼を嗜めた。
「あ、前職が一緒だったもので」
「そうなんですねー!」
どこかで聞いたことのある声だ。スーツは紫ではなかったが、誤三さんの会社の人だったはずだ。
「以前もお会いしましたよね?」
「えぇえ?」
素で覚えていない様子だ。
「誤三さんと同じ会社の…」
「ヒェ、あの時の」
「あのあと、誤三さんはどうなりました?そういえば、途中からいなかった気がしますが」
「いや、あの時どうしたっけかなぁ?でも、誤三の奴は逮捕されましたよ。公務執行妨害で」
なんてことだ、誤三さんは暴れて警察官に暴行したそうだ。それで逮捕されたのか。
「まぁまぁ、アイスブレイクはこの程度にして、早速どうですか?黒々さんの優秀さはご存知なんでしょう?」
「確かに優秀ですが…」
すると、黒々さんが急に部屋を出た。
「おい!こら!この会社で20社目なんだぞ!いい加減決まらないと!」そう言って追いかけていった。
呆れてものも言えなかった。
次の日、ネットのニュース記事で「真昼間の逮捕劇」という見出しがあった。どこかで見た顔の二人が逮捕されたようだ。
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