RACIチャート LLM QA キーワード解説

RACIチャート

RACIチャートは、プロジェクトや業務の役割と責任を明確にするためのフレームワークです。RACIは、それぞれの役割を示す4つの英単語の頭文字を取ったもので、以下の4つの責任カテゴリを定義します。

RACIの意味

1. R（Responsible） - 実行責任者

   • そのタスクやプロセスを実際に担当し、遂行する責任を負う人。複数の担当者がいる場合もあります。
   • 実際に「手を動かして」業務を遂行する立場。

2. A（Accountable） - 最終責任者

   • タスクやプロジェクトの結果について最終的な責任を持つ人物。この役割は通常1人だけであり、成果物や結果が期待どおりか確認し、承認します。
   • 実行責任者（R）が業務を行う過程や結果に対して最終責任を持ちます。

3. C（Consulted） - 協議者

   • 業務やプロセスに対して知識や助言を提供する役割。意思決定や業務遂行に際して意見を求められるが、実際に実行はしない立場です。
   • 事前に意見やフィードバックを提供する役割で、双方向のコミュニケーションを行います。

4. I（Informed） - 報告対象者

   • プロジェクトやタスクの進捗や結果について報告を受ける立場。状況や結果を知っておく必要はありますが、直接的にタスクやプロセスに関与はしません。
   • 一方向のコミュニケーションであり、単に情報が伝えられる役割です。

RACIチャートの活用

RACIチャートは、各タスクやプロセスに対して上記の4つの役割を割り当てることで、誰が何に責任を持ち、誰がどのタイミングで関与するべきかを明確にします。このフレームワークを使うことで、以下のようなメリットがあります。

• 役割と責任の明確化
  誰が実行し、誰が最終的に責任を持ち、誰に意見を求め、誰に報告するかが明確になり、混乱を避けます。

• コミュニケーションの円滑化
  誰がどの段階で関与すべきかが整理されているため、関係者間のコミュニケーションがスムーズになります。

• プロジェクト管理の改善
  タスクやプロセスに対する責任分担が明確であるため、進捗管理がしやすくなり、責任の所在がはっきりします。

RACIチャートの作成方法

1. タスクやプロセスの一覧を作成
   プロジェクトや業務で必要なタスクを洗い出し、一覧表にします。

2. 関係者を特定
   プロジェクトや業務に関与する全ての人（チームメンバー、マネージャー、外部関係者など）をリストアップします。

3. 役割を割り当てる
   各タスクに対して、関係者それぞれが「Responsible」「Accountable」「Consulted」「Informed」のどの役割を果たすかを明確にします。1つのタスクには必ず「Responsible」と「Accountable」の役割が必要です。

4. 確認と調整
   チャートを関係者と共有し、役割分担に問題がないか確認します。必要に応じて調整し、全員の合意を得ます。

RACIチャートの例

タスク	Responsible	Accountable	Consulted	Informed
仕様書作成	開発者	プロジェクトリーダー	クライアント	マネージャー
コードレビュー	開発チーム	開発リーダー	QAチーム	プロジェクトリーダー
テスト計画作成	QA担当	QAマネージャー	開発リーダー	開発チーム

まとめ

RACIチャートは、タスクにおける役割と責任を明確にするためのツールです。特に複雑なプロジェクトやチーム間での協力が必要な場合に有効で、QA観点からも、品質保証プロセス全体をスムーズに進めるための効果的な手段として活用されます。