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語られない前提があることを知る。鵜呑みにしない技術。
過去に書いたこちらの記事の補足的な文章です。
人は権威に弱いものです。
これは正しいに違いない、なぜなら有名なあの人が言っていたから。有名なあの本に書いてあったから。
こういった判断の下し方は上記記事のHype Driven Developmentと同じです。
有名なあの人が言っていたことも、有名なあの本に書いてあったことも、おそらく話し手・書き手は誇大宣伝のつもりはないでしょう。ほとんどの場合は公平な表現をこころがけ、経験から来る確信を持って伝えてくれているはずです。
でも、それはその人が置かれていた立場、その人が無意識的に前提としている状況に依存していることを忘れてはいけません。語られない前提があります。だからこそ、自分たちの状況に置き換えたうえで、メリット・デメリットをあらためて慎重に検証する必要があるのです。
語られない前提として多いものがおそらくチームや開発の規模、開発フェーズ、開発している製品の特性、開発ドメインとなる業界、開発リソースの量などではないでしょうか。語られない前提に注意せず、見聞きした内容を鵜呑みにしてしまうことが技術選定などの判断にミスを生みます。
そうは言っても現実的にはやってみるしかないことはあります。語られない前提をすべて考慮することもまた不可能だからです。本に書いてある通りにやってみた。でもなんか辛い。その時に「いや、書いてあるんだから間違いないはずだ」となるのではなく、「おそらく、前提が違うのだ」と疑うことが大事です。
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