AI で変わったユーザーインタビュー
クラシルリワード PdMのshioriです。
dely入社時から定期的に実施し続けているユーザーインタビューについて、最近AIによって効率化された点を紹介します。
TL;DR
- Devin Search でインタビュイー候補を自然言語クエリで抽出
- Circleback が 90 分のインタビューを要約+インサイト抽出し、Slack/Notion に自動集約
はじめに
クラシルリワードでは、仮説検証のためのインサイトを定量・定性で集めることを重視しています。
定性インサイトを得る目的で、PMやデザイナー主体でユーザーインタビュー定期的におこなっています。
前職含め5年ほどユーザーインタビューを実施し続けましたが、今年に入ってから明確に準備コスト・振り返りコストが削減され、インサイトに向き合う時間が増えました。
ターゲット抽出
私が担当する「レシチャレ」機能では、今年の2月に大幅にアプリ内での露出面を増やしました。
- ずっと機能を使っていなかったが露出増加時に初めてCVしたユーザー群
- アプリはアクティブに使っているが、露出増加してもCVしていないユーザー群
に分けて、行動変容に関するインサイトを集めるインタビューを設計しました。
関連テーブルの構造さえ把握していれば、自然言語で命令するだけで、Devin Searchがユーザー抽出のクエリを書いてくれます。
複雑なJOINもやってくれる
人の目でレビューしたら、対象ユーザーにメールでインタビュー依頼を送付するだけ。抽出〜メール送信まで 15 分で完了します。
インタビュー実施
ユーザーさんからインタビューの許諾をいただいたら、アプリ内でのコンバージョン歴や起動日数、DL動線などを抽出してインタビューに備えます。
行動ログの抽出も先ほどのようにDevin Searchでサクッとできるので、ログをベースに、質問をカスタマイズしていくことに時間を使えます。
インタビューはユーザーさんに許可をいただいたうえでCirclebackで録画・録音をします。
Circlebackでインサイト抽出
Circlebackの要約プロンプトをカスタムすることで、一切手動でメモを取ることがなくなりました。
いままでは「残るかわからないから一応メモしておこう」という気持ちが抜けず、会話中に議事録を手動で取ることも多かったですが、Circleback導入後、ユーザーさんとの対話に100%集中することができるようになりました。
カスタム前の議事録:
会話とネクストアクションの記録は得意
カスタム後の議事録:
ユーザーさんの行動時系列などをまとめてくれるように
Circlebackのオートメーションで、「ユーザーインタビューが終了したらカスタムプロンプトを使って要約しSlackに投稿」までを自動化しています。
Slackに可視化されることで、他スクラムのメンバーも気軽に閲覧することができるため、共通言語が増えた感触があります。
Notionにも自動で集約できるので、中長期的なナレッジとしても蓄積していきます。
ユーザーインタビュー用のカスタムオートメーション
まだ課題
Circlebackの固有名詞の弱さ → 辞書機能を使ってブラッシュアップ予定
おわりに
ユーザーインタビューは“ターゲット抽出・起こす・まとめる”が効率化され、本来の価値である“洞察を得て意思決定する”に時間を割けるようになりました。
引き続き、AIを使ったプロダクトマネジメントのTipsがあれば共有していきます!
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