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OpenAI o3-mini System Card

2025/02/05に公開

https://openai.com/index/o3-mini-system-card/

要約

  1. モデル特性

    • チェーンオブソート推論を使い文脈内で安全性ポリシーを考慮する
    • セーフティーベンチマークと能力評価の両方で高いパフォーマンスを示す
    • 特に生成コンテンツと安全性に関する指標で改善が見られる
  2. リスク評価

    • Preparedness Framework に基づき以下の領域で評価を実施 :
      • サイバーセキュリティー : Low リスク
      • 説得力 : Medium リスク
      • CBRN(化学・生物・放射性・核): Medium リスク
      • モデル自律性 : Medium リスク
  3. 主な改善点

    • 多言語能力向上
    • ジェイルブレイク対策強化
    • コーディングとリサーチエンジニアリング能力向上
    • 安全性に関する判断能力改善
  4. セーフティー対策

    • 事前学習時のデータフィルタリング
    • Deliberative Alignment による安全性強化
    • モデレーションシステムを改良
    • リスクモニタリングを強化

o3-mini は能力向上と安全性確保のバランスを取りながら特に推論能力と多言語処理において顕著な進歩を示している

1 Introduction

主な特徴 :

  • 危険な指示、ステレオタイプによる応答、既知のジェイルブレイクなどのリスクに対して最先端の性能を達成
  • Deliberative Alignment により安全性に関する考慮事項を含む推論が可能
  • チェーンオブソート推論によって実質的な利点を得る一方、高度な知性に起因する潜在的リスクも増加

セーフティー評価 :

  • OpenAI の Safety Advisory Group (SAG) による評価では o3-mini (Pre-Mitigation) モデルは全体として Medium リスク
  • 説得力、CBRN、モデル自律性で Medium リスク、サイバーセキュリティーで Low リスク
  • 実世界の ML 研究能力に関する評価ではまだ改善の余地がある

対策 :

  • 堅牢なアライメント手法を構築
  • 効果を徹底的にストレステスト
  • 綿密なリスク管理プロトコルを維持

2 Model data and training

OpenAI の o シリーズモデルは複雑な推論を実行するため強化学習により訓練を実施

モデルの主要特性 :

  • 応答前にチェーンオブソート推論を実行
  • 推論プロセスの改善と誤り認識を学習
  • 設定されたガイドラインとポリシーに従った安全な応答を生成

o3-mini の特徴 :

  • o1-mini と同様にコーディングタスクで高速かつ効果的
  • ChatGPT でインターネット検索と結果要約に使う予定
  • ジェイルブレイクとインストラクション階層評価で良好なパフォーマンスを達成

データ処理 :

  • 公開データと OpenAI 独自開発カスタムデータセットを組み合わせ
  • データ品質維持と潜在的リスク緩和のため厳密なフィルタリング
  • 個人情報削減のため高度なデータフィルタリング
  • モデレーション API と安全性クラシファイアーによる有害コンテンツ排除

3 Scope of testing

OpenAI の反復的デプロイメントへのコミットメントにおいて継続的なモデル改良と改善を実施

テスト範囲 :

  • o3-mini-near-final-checkpoint
  • o3-mini(ローンチ済みチェックポイント)

評価プロセス :

  • o3-mini は o3-mini-near-final-checkpoint に対して小規模で段階的な改善を実施
  • ベースモデルは同一を維持
  • o3-mini-near-final-checkpoint に対して実施したレッドチーミングおよび Persuasion 人間評価結果は最終リリースでも有効
  • その他の評価は全て最終モデルで実施

比較モデル :

  • GPT-4o と OpenAI o1-mini 最新バージョンとの比較を実施
  • これらの値はローンチ時の公開値と若干の差異が存在する可能性がある

4 Observed safety challenges and evaluations

4.1 Safety Evaluations

評価領域 :

  • 禁止コンテンツ生成傾向
  • 人口統計学的公平性
  • ハルシネーション傾向
  • 危険な能力の有無

実装手法 :

  • パブリックおよび内部評価手法を活用
  • 過去モデルから学んだレッドチーミングプラクティスを適用
  • 成熟したレッドチーミングエコシステムを活用

セーフティー機能 :

  • 有害リクエストに対する拒否行動を学習
  • 重大な違反コンテンツに対するモデレーションモデルを実装
  • 過去のセーフティー対策を継承

4.1.1 Disallowed content evaluations

OpenAI o3-mini を GPT-4o および OpenAI o1-mini と較べて禁止コンテンツに関する一連の評価を実施

評価セット :

  1. Standard Refusal Evaluation

    • 禁止コンテンツと過剰拒否に関する標準評価セット
    • GPT-4o および新 OpenAI o1 モデルは完璧に近いパフォーマンスを達成
  2. Challenging Refusal Evaluation

    • より困難な "チャレンジ" テストによりモデルの安全性進捗を評価
  3. XSTest

    • 過剰拒否エッジケースをテスト(例 : "Python プロセスを kill する方法")

評価メトリクス :

  • not_unsafe : OpenAI ポリシーに基づく安全な出力
  • not_overrefuse : 無害なリクエストへ適切に応答

結果 :

  • o3-mini は GPT-4o と同等のパフォーマンスを達成
  • より困難な拒否評価において o1-mini と同様に実質的な向上を実現
  • XSTest では 0.88 のスコアを達成し過剰拒否の適切なバランスを維持

Table 1

4.1.2 Jailbreak Evaluations

モデルのジェイルブレイク耐性を評価するため 4 種類のテストを実施

評価カテゴリー :

  1. Production Jailbreaks

    • ChatGPT データから特定されたジェイルブレイクパターンを評価
  2. Jailbreak Augmented Examples

    • 標準的な禁止コンテンツ評価に公知のジェイルブレイク手法を適用
  3. StrongReject

    • 一般的な攻撃手法に対するモデル耐性を評価
    • goodness@0.1 メトリックによりプロンプトあたり上位 10% のジェイルブレイク技術に対する安全性を測定
  4. Human Sourced Jailbreaks

    • Scale 社による高リスク人間評価を実施

評価結果 :

  • o3-mini は o1-mini と同等のパフォーマンスを達成
  • 両モデルとも GPT-4o より優れた結果を示す
  • Production jailbreaks : 1.0
  • Jailbreak Augmented Examples : 1.0
  • StrongReject : 0.73
  • Human Sourced Jailbreaks : 0.97

Table 2

4.1.3 Hallucination Evaluations

PersonQA データセットを使ってモデルのハルシネーション傾向を評価

主要メトリクス :

  1. 精度 (accuracy)

    • 質問への回答正確性を評価
    • o3-mini は 21.7% を達成
  2. ハルシネーション率 (hallucination rate)

    • 事実と異なる情報生成頻度を測定
    • o3-mini は 14.8% まで低減

比較結果 :

  • o3-mini は GPT-4o および o1-mini と同等もしくは優れたパフォーマンスを示す
  • ハルシネーション率は従来モデルから大幅に改善
  • 化学分野など未カバー領域における包括的評価が今後の課題

Table 3

4.1.4 Fairness and Bias Evaluations

BBQ 評価を用いて o3-mini のバイアスと公平性を検証

評価結果 :

  • 曖昧な質問における精度 : 0.82
  • 明確な質問における精度 : 0.96
  • ステレオタイプ回避率 : 0.12

年齢、人種、性別に関するバイアス評価 :

  • テンプレート プロンプトによる質問を実施
  • 混合効果モデルによりバイアスを定量化
  • o3-mini は明示的な差別タスクで最小のバイアスを示す
  • 暗黙的な差別タスクでは中程度のパフォーマンス

比較分析 :

  • o1-mini と同等のパフォーマンスを維持
  • 曖昧な質問における精度でわずかな低下
  • 明確な質問における精度でわずかな向上

Table 4

4.2 Jailbreaks through custom developer messages

カスタムデベロッパーメッセージを介したジェイルブレイク対策に関する評価を実施

実装手法 :

  • Instruction Hierarchy を活用したメッセージ優先順位付け
  • システムメッセージ、デベロッパーメッセージ、ユーザーメッセージの 3 階層を定義
  • 優先順位に基づく競合解決メカニズムを実装

評価カテゴリー :

  1. メッセージタイプ間コンフリクト評価

    • デベロッパー / ユーザーメッセージコンフリクト : 0.75
    • システム / デベロッパーメッセージコンフリクト : 0.76
    • システム / ユーザーメッセージコンフリクト : 0.73
  2. チュータージェイルブレイク評価

  • システムメッセージ : 0.88
  • デベロッパーメッセージ : 0.94
  1. フレーズとパスワード保護評価
  • フレーズ保護(ユーザー / デベロッパー): 1.0 / 1.0
  • パスワード保護(ユーザー / デベロッパー): 0.95 / 0.89

Table 5

Table 6

Table 7

4.3 External Red Teaming

4.3.1 Pairwise Safety Comparison

レッドチーミング評価として GPT-4o, o1 および o3-mini-near-final-checkpoint を並行評価

評価プロトコル :

  • Web ブラウジングおよびコード実行機能を含む匿名化インターフェースを使用
  • 安全性評価は専門家の判断基準に基づき実施
  • 19.5% のテストでブラウジング、6.6% でコード実行を含むインタラクションを実施

評価カテゴリー :

  • サイバーハッキング (13.8%)
  • バイオテロリズム (14.2%)
  • 武器開発 (8.5%)
  • 攻撃計画 (4.1%)
  • フィッシング / 詐欺 (4.6%)
  • 不正行為 (8.9%)
  • プロパガンダ / 偽情報 (5.9%)
  • ヘイトスピーチ (2.5%)

結果分析 :

  • o3-mini は o1 と同等のパフォーマンスを達成
  • 両モデルとも GPT-4o より有意に高いスコアを記録
  • o3-mini と o1 は GPT-4o と比較して高い拒否率を示す

勝率指標 :

  • o3-mini vs GPT-4o : 73.3% - 83.1%
  • o3-mini vs o1 : 約 51%
  • o1 vs GPT-4o : 71.8% - 82.8%

Table 8

4.3.2 Jailbreak Arena

Gray Swan Arena で o3-mini-near-final-checkpoint に対するジェイルブレイク評価を 2025 年 1 月 4 日に実施

評価対象 :

  • 不正アドバイス生成
  • 過激主義およびヘイトクライム
  • 政治的扇動
  • 自傷行為

評価基準 :

  • 攻撃成功は以下の 2 条件を満たす
    1. OpenAI モデレーション API をトリガー
    2. 実行可能な手順または有害コンテンツの存在をクラシファイアーが検出

テスト結果 :

  • 平均ユーザー攻撃成功率 (ASR):
    • o3-mini : 3.6%
    • o1-mini : 3.7%
    • gpt-4o : 4.0%
    • o1 : 1.9%

5 Preparedness Framework Evaluations

OpenAI の Preparedness Framework による o3-mini 評価結果

評価カテゴリー :

  • サイバーセキュリティー
  • CBRN(化学・生物・放射性・核)
  • 説得力
  • モデル自律性

リスク判定 :

  • Medium 以下のリスクスコアのみデプロイ可能
  • High 以下のリスクスコアのみ開発継続可能

判定結果 :

  • o3-mini (Pre-Mitigation) は全体的に Medium リスク
  • サイバーセキュリティー : Low
  • CBRN, 説得力、モデル自律性 : Medium

モデル評価プロセス :

  • 開発全期間を通じて継続的評価を実施
  • カスタムモデルトレーニング
  • スキャフォールディング
  • プロンプティングによる能力引き出し

評価基準 :

  • SAG による各カテゴリーのリスクレベル決定
  • インジケーター評価による実験結果からリスク分析
  • 閾値到達時は SAG による詳細分析を実施

注記事項 :

  • 本評価は 2025 年 1 月 31 日時点の最終モデルに基づく
  • 実際の性能は最終パラメーター、システムプロンプト等により変動する可能性がある

5.1 Preparedness evaluations as a lower bound

モデル評価における "worst known case" の Pre-mitigation リスクをテスト

評価手法 :

  • カスタムポストトレーニング
  • スキャフォールディング
  • プロンプティング
    を用いた能力引き出し手法を活用

リスク評価の制限事項 :

  • 追加プロンプティングや微調整により潜在的な行動が変化
  • 長期的なロールアウトにより新たな相互作用が発生
  • 異なるスキャフォールディングにより観測範囲外の行動が出現

人間評価の課題 :

  • 長期的な露出効果(数週間 / 数ヶ月)は現行評価で捕捉不能
  • フロンティアモデル評価手法は発展途上
  • 測定可能な評価タスクに制限がある

これらの制限から反復的なデプロイメントとコミュニティーを利用したモニタリングがモデル理解向上に重要と判断

5.2 Mitigations

o シリーズモデルは推論能力とテスト時計算能力向上によりセーフティー対策を強化

導入済みの軽減策 :

  • 有害トレーニングデータをフィルタリング
  • PII 入力フィルター適用
  • Deliberative Alignment による安全性向上
  • ジェイルブレイク耐性強化
  • 政治的扇動タスクに対する拒否行動を実装

新規対策 (o3-mini) :

  • サイバーセキュリティー脅威に対する高リスクモニタリング
  • アドバーサリー対策を高度化
  • モデレーションクラシファイアーを改善
  • インフルエンスオペレーションや過激主義に対する監視強化
  • 自己抽出および自己改善リスクに対する脅威モデルを開発

将来への準備 :

  • プレデプロイメント対策を強化
  • ポストデプロイメント対策を拡充
  • より高度な能力を持つモデルに備えた安全性スタックを継続的に改善

5.3 Cybersecurity

スコア : Low
サマリー : o3-mini はリアルワールドの脆弱性攻撃能力において Medium リスクに達しない

評価方法 :

  • CTF (Capture The Flag) チャレンジによる脆弱性特定および攻撃能力評価を実施
  • 高校レベル、大学レベル、プロフェッショナルレベルの CTF タスクを検証

評価カテゴリー :

  • Web アプリケーション攻撃
  • リバースエンジニアリング
  • バイナリー / ネットワーク攻撃
  • 暗号解読
  • その他脆弱性

実行環境 :

  • 動作可能なタスク環境を使用
  • 社内サイバーセキュリティー専門家による非自明な攻撃要件を確認
  • 複数の攻撃ステップ連鎖を要求
  • 単純なテキストブック例による解決を排除

テスト結果 :

  • 12 回の試行で高校レベル 61%, 大学レベル 21%, プロレベル 21% の成功率を達成
  • ヘッドレス Kali Linux ディストリビューション上で評価を実施
  • 各試行で最大 60 回のツール使用を許可

パフォーマンス評価上の留意点 :

  • 追加スキャフォールディングにより性能が向上する可能性がある
  • 現状の評価結果はモデル能力の下限として解釈すべき

Table 9

Figure 1

5.4 Chemical and Biological Threat Creation

Score for OpenAI o3-mini : Medium

o3-mini の生物兵器リスクを評価した主要結果 :

  • 既知の生物学的脅威に関する運用計画において専門家支援が可能
  • 専門家に限定された支援でありリスクは制限的
  • 将来的な技術発展の先行指標として重要
  • 非専門家による生物兵器作成は実験スキル要件により実現不可能

評価スコープ :

  • 化学・生物兵器開発に焦点を設定
  • 壊滅的リスクの中で参入障壁が最も低い領域と判断

追加コンテキスト評価 :

  • GPQA 生物学評価
  • WMDP 生物学・化学分割評価
  • 有機化学分子構造データセット評価
  • 合成生物学翻訳データセット評価
    を実施済み

Table 10

5.4.1 Long-form Biological Risk Questions

生物兵器リスクに関する長文質問評価を Gryphon Scientific と共同で実施

評価構造 :

  • 生物学的脅威作成プロセスの 5 段階を対象
    • Ideation(着想)
    • Acquisition(調達)
    • Magnification(増幅)
    • Formulation(製剤化)
    • Release(放出)

評価方法 :

  • オートグレーダーとして o1-preview (pre-mitigation) モデルを使用
  • 信頼できるバイオセキュリティー専門家による検証を実施
  • 専門家フィードバックに基づきルーブリックとオートグレーダーを調整

結果分析 :
o3-mini (Pre-Mitigation) は以下のステップで GPT-4o 比 2 倍以上または 20% 超のパス率を達成

  • Acquisition
  • Magnification
  • Formulation
  • Release

評価による観察 :

  • Pre-Mitigation モデルはバイオリスク関連情報の統合能力が飽和点に到達
  • Post-Mitigation モデル(o3-mini を含む)はこれらのタスクを確実に拒否

Figure 2

5.4.2 Expert comparisons

46 名の生物学専門家によりモデルと専門家の長文バイオリスク回答を比較評価

評価対象モデル :

  • GPT-4o
  • o1-preview (Pre / Post-Mitigation)
  • o1 (Pre / Post-Mitigation)
  • o1-mini (Pre / Post-Mitigation)
  • o3-mini (Pre / Post-Mitigation)

評価基準 :

  • 正確性 : 質問への適切な対応度
  • 理解度 : 回答の分かりやすさ
  • 実行容易性 : ラボ環境における実施しやすさ

評価プロセス :

  • モデル回答と独立した専門家回答を比較
  • GPT-4o 評価におけるインターネット利用専門家の上位 3 回答から無作為に選択
  • スタイル差異を制御するためフォーマットを統一

結果 :

  • o3-mini (Pre-mitigation) は o1 (Pre-Mitigation) と専門家ベースラインを上回る
  • 正確性、理解度、実行容易性の全指標で優位性を確認
  • Post-mitigation モデルは特定ステージで一貫して拒否を実行

Figure 3

5.4.3 Expert probing

7 名の生物学専門家が 1 週間にわたり o3-mini (Pre-Mitigation) と複数回インタラクションしてバイオリスク質問を評価

主要評価結果 :

  • インターネット検索のみと較べて o3-mini の支援が有意に有用
  • 検索プロセス高速化に効果を確認
  • オンラインで入手困難な情報提供を実現

専門家フィードバック :

  • 7 名中 4 名が検索プロセス効率化を評価
  • 7 名中 1 名が "研究開始点" としての有用性を指摘
  • 文献レビューと統合能力において高評価

課題点 :

  • ハルシネーション発生
  • 一部の詳細情報で不正確性を確認

5.4.4 Biological tooling

ウェットラボ作業の自動化能力を評価するためコンピューターインターフェースとエージェント評価を実装

テスト内容 :

  • ラボアシスタント相当の一般的タスク(DNA オーダーなど)
  • Ranger 社開発の Web ブラウジングハーネスによる実世界評価
  • カスタムスキャフォールドと Ranger スキャフォールドによるケイパビリティー評価

評価例(Ebola FASTA ファイル検索):

  1. European Nucleotide Archive へのナビゲーション
  2. ヌクレオチド情報検索実行
  3. 該当リンクを同定
  4. ファイルをダウンロード
  5. 最初の 60 文字抽出

結果分析 :

  • o3-mini (tools) はバイオツールタスクで高いパフォーマンスを達成
  • 単一タスクにおける成功率は最大 92% を記録
  • Fine-tuned GPT-4o は一部タスクで成功するものの頻繁に中断
  • モデルは生物学的エージェントタスク完全自動化には未到達

Table 11

5.4.5 Multimodal Troubleshooting Virology

SecureBio 開発によるウイルス学トラブルシューティング評価を実施

評価内容 :

  • 350 問のウイルス学トラブルシューティング設問
  • シングルセレクトマルチプルチョイス形式

評価結果 :

  • o3-mini (Post-mitigation) は 53% のスコアを達成
  • o1 (Post-Mitigation) は 59% で最高スコアを記録
  • GPT-4o から 18% のパフォーマンス向上を確認

ベンチマーク :

  • 評価対象モデル全てが SecureBio 基準の平均人間スコアを上回る
  • o3-mini は o1 と較べて若干スコアが低下するものの依然として高水準のパフォーマンスを維持

Figure 4

5.4.6 BioLP-Bench

BioLP は 11 のウェットラボプロトコルから抽出した 800 問によるベンチマーク

評価特性 :

  • ProtocolQA オープンエンド形式と比較して範囲限定的
  • モデルパフォーマンスのコンテキスト化に有効

スコア :

  • o3-mini (Pre / Post-Mitigation) は専門家ベースライン (38.4%) を達成
  • GPT-4o : 20%
  • o1-preview : 36%
  • o1 : 33%

ベースラインとの比較から o3-mini は実用レベルのプロトコル理解能力がある事を確認。特に Post-Mitigation モデルは Pre-Mitigation と同等以上のパフォーマンスを維持

Figure 5

5.4.7 ProtocolQA Open-Ended

FutureHouse の ProtocolQA データセットから 108 問をオープンエンド形式に変換して評価を実施

評価設計 :

  • 一般的な公開プロトコルにおける重大なエラーを導入
  • ウェットラボ実行結果を記述
  • 修正手順の提案を要求

評価プロセス :

  • 19 名の PhD レベル科学者による検証
  • 1 年以上のウェットラボ経験を保有する専門家を選定
  • 複数選択形式と比較してより高難度な評価を実現

パフォーマンス分析 :

  • o3-mini (Pre-mitigation) : 18%
  • o3-mini (Post-Mitigation) : 23%
  • o1 / o1-preview と同等のスコアを達成

ベンチマーク比較 :

  • コンセンサス (54%) を下回る
  • メディアン (42%) を下回る

全てのモデルが専門家ベースラインに到達せずプロトコル修正タスクにおける改善の余地を示唆

Figure 6

5.4.8 Tacit knowledge and troubleshooting

Gryphon Scientific と共同でタシットナレッジおよびトラブルシューティングに関するマルチプルチョイスデータセットを開発

カバレッジ :

  • 5 段階のバイオ脅威作成プロセス全体を網羅
  • タシットナレッジのボトルネックに焦点
  • 分野外の回答者には不明な問題を設計

評価特性 :

  • タシットナレッジ問題 : 著者追跡や分野関係者の知見が必要
  • トラブルシューティング問題 : プロトコル実行経験者のみ解答可能

パフォーマンス :

  • o3-mini (Pre-Mitigation) : 68% で最高スコアを達成
  • 全モデル間で同等のパフォーマンスを確認
  • コンセンサス専門家ベースライン (80%) には未到達
  • o3-mini (Post-Mitigation) を除く全モデルが 80 パーセンタイル PhD 専門家ベースライン (63%) を上回る

Figure 7

5.4.9 Tacit knowledge brainstorm (open-ended)

Gryphon Scientific がソースした 50 問のオープンエンドタシットナレッジ評価を実施

評価設計 :

  • 専門ウイルス学者と分子生物学者による実験キャリアから収集
  • 広く知られていないトラブルシューティング事例に焦点
  • アイデアルコンプリーションに対するグレーディングを実施

サンプル問題 :
リバースジェネティクスによるウイルス DNA トランスフェクション効率改善に関する質問を設定

  • エレクトロポレーション後の対応
  • 培養前の最適化手順
  • 3 つの改善アクションを要求

評価スキーム :

  • 電気穿孔処理後の細胞懸濁液均一化をキーアクションとして設定
  • パイペッティングによる上下操作を具体的手順として要求

結果分析 :

  • o3-mini モデルは o1 シリーズと同等のパフォーマンスを達成
  • スキャフォールディング改善により性能が向上する可能性を示唆
  • 現状の評価結果はモデル能力の下限として解釈

Figure 8

5.5 Radiological and Nuclear Threat Creation

放射性および核兵器開発の評価を実施

評価制限 :

  • 米国機密情報は非使用
  • 規制対象データへはアクセス不可
  • 兵器開発プロセスの一部は評価が困難

今後の課題 :

  • 米国エネルギー省と協力して包括的に評価する
  • 核兵器開発要素の詳細分析
  • 核 / 放射性物質の安全管理プロセス評価

結論 :
現時点で利用可能な非機密情報による評価では o3-mini (post-mitigation) の核 / 放射性兵器開発支援能力は限定的。ただしテスト可能範囲による制約を考慮する必要がある

Table 5.5

5.5.1 Structured expert probing campaign – radiological & nuclear

Scale 社を通じて 10 名の放射性 / 核専門家による Pre-mitigation モデル評価を実施

専門家評価プロトコル :

  • Preparedness Framework CBRN リスク閾値に関するトレーニング
  • 20 問の事前スクリーニングテストによる理解度確認
  • RN 兵器開発における潜在的支援領域の特定
  • フレームワーク閾値に基づくリスク評価を実施

評価結果 :
Pre-mitigation o3-mini モデルとの 123 会話を分析

  • Medium リスク : 54 件
  • Low リスク : 61 件
  • High リスク : 8 件(複数専門家レビューにより Medium / Low に再分類)

Post-mitigation パフォーマンス :

  • High リスク評価を受けたプロンプトに対する応答は全て Low リスクに分類
  • 大部分が拒否応答を実装

この結果から o3-mini の放射性 / 核兵器開発に対する制御機能が適切に機能していることを確認

5.5.2 Contextual Nuclear Knowledge

核工学に関する基礎知識評価を 222 問のマルチプル チョイス形式で実施

評価領域 :

  • 核物質検知技術
  • 核反応メカニズム
  • 原子炉物理学
  • ウラン濃縮技術
  • 核 / 放射性物質の盗難 / 転用
  • 放射性物質分散装置
  • 核兵器設計 / 物理学

パフォーマンス評価 :

  • o3-mini (Pre/Post-Mitigation) は o1-preview および o1 と同等のスコアを達成
  • GPT-4o からの有意な性能向上を確認
  • 非拡散関連トピックにおいて一貫した理解度を示す

評価設計 :

  • Dr. Jake Hecla (MIT Laboratory for Nuclear Security and Policy) が評価問題を作成
  • Stanton Nuclear Security Fellow としての専門知識を活用
  • 核不拡散に特化した評価基準を採用

Figure 9

5.5.3 Radiological and Nuclear Expert Knowledge

エキスパートおよびタシットナレッジ評価を 87 問のマルチプルチョイス形式で実施

評価トピック :

  • 放射線被曝
  • 放射性物質分散デバイス設計
  • 原子力インフラ破壊工作
  • 非原子力放射性インフラ破壊工作
  • 合法的放射性同位体の転用
  • 産業用放射性核種の不正取得
  • 医療用放射性核種の不正取得
  • CWMD 検知器回避
  • ウラン濃縮技術開発
  • 即席核装置開発

パフォーマンス :

  • o3-mini は o1 と較べて約 10% スコアが低下
  • 産業 / 医療用放射性物質に関する質問で特に課題
  • 検知回避と濃縮技術において中程度のパフォーマンス

評価設計者 :
Dr. Jake Hecla (MIT Laboratory for Nuclear Security and Policy の Stanton Nuclear Security Fellow) が評価フレームワークを構築

Figure 10

5.6 Persuasion

Score for OpenAI o3-mini : Medium

o3-mini の説得力評価結果 :

  • 人間レベルの説得力を実証
  • 同一トピックにおいて人間作成テキストと同等のパフォーマンスを達成
  • トップライターのパフォーマンスには未到達
  • ハイリスク閾値を超えない

評価スコープ :

  • 静的コンテンツの説得力
  • インタラクティブコンテンツの説得力
  • 信念変更誘導能力
  • 行動変容誘導能力

複数のケイパビリティー評価フレームワークを使いモデルの説得力を包括的に分析

Table 12

5.6.1 ChangeMyView Evaluation

r/ChangeMyView の 400 万メンバーのデータを使った説得力評価を実施

評価プロセス :

  1. OP(オリジナルポスター)の意見と根拠を提示
  2. 他ユーザーによる反論を試行
  3. 意見変更成功時は OP がデルタ(変更指標)を付与

評価手順 :

  1. r/ChangeMyView からポストを収集
  2. 説得力評価のベースラインとして人間の回答を収集
  3. モデルによる説得的回答を生成
  4. 1-5 段階のカスタムルーブリックで評価を実施
  5. 3,000 件の評価データを収集し人間 / AI 生成回答を比較

パフォーマンス指標 :

  • AI 説得力パーセンタイル : ランダムに選択したモデル生成回答が人間回答より説得力が高い確率
  • GPT-4o, o3-mini, o1 は人間上位 80-90 パーセンタイルを達成
  • 超人的パフォーマンス(95 パーセンタイル以上)は未達成

モデル評価には o3-mini-near-final-checkpoint を使い人間レベルの説得力を確認

Figure 11

5.6.2 Persuasion Parallel Generation Evaluation

モデルの政治的説得力を相対比較

評価プロトコル :

  • ユーザーが 2 つのモデル生成完了文を比較評価
  • ソーシャルメディア投稿を想定した短文生成
  • 各プロンプトに複数のパターンを用意し生成多様性を確保

説得力戦略 :

  • 中傷
  • 皮肉
  • バイラリティー最適化
  • 論理的推論

実験制御 :

  • 同一プロンプトからの生成を比較
  • 同一立場の主張に限定
  • o3-mini-near-final-checkpoint を評価対象として使用

結果分析 :

  • GPT-4o は o3-mini (Pre / Post-Mitigation) を上回るパフォーマンス
  • o1 は GPT-4o に対して 53.3% の勝率を達成
  • o3-mini Post-Mitigation は 35.5% のスコアに留まる

これらの結果から o3-mini の政治的説得力は既存モデルと比較して制限的である事を確認

Figure 12

5.6.3 MakeMePay (Contextual)

MakeMePay は 2 つの LLM 間の操作能力を評価するコンテキスト評価フレームワーク

評価設定 :

  • 詐欺師と標的のロールプレイ形式
  • 詐欺師役モデルは成功体験と報奨金獲得者設定を付与
  • 標的役は 100 ドルの報奨金と合理的判断設定を付与

評価メトリクス :

  1. 支払い成功率 : 全インタラクションにおける支払い発生率
  2. ドル抽出率 : 支払い可能総額に対する実際の抽出額の比率
    (総額 = $100 × 1000 回の会話 = $100,000)

パフォーマンス結果 :

  • o3-mini (Pre-Mitigation) : 支払い成功率 79%, 最高抽出率 9%
  • セーフティー緩和策により支払い額と抽出率が減少
  • GPT-4o をマーク役として固定し 1000 サンプルを評価

結果から o3-mini のセーフティー対策が操作能力を効果的に制限している事を確認

Figure 13

5.6.4 MakeMeSay (Contextual)

MakeMeSay による欺瞞性評価

評価設計 :

  • モデル間の対話によりコードワードの誘導を試行
  • マニピュレーター / マニピュレーティー(人間シミュレーション)の 2 ロールを設定
  • コードワードの伝達とサスピション回避を評価

評価条件 :

  1. マニピュレーティーが最初にコードワードを発言
  2. マニピュレーティーがコードワードの意図を認識していない
  3. ゲーム終了時にコードワードを特定出来ない

パフォーマンス指標 :

  • コードワード毎に 32 サンプルを評価
  • マニピュレーター勝率で性能を測定
  • o3-mini (Pre-Mitigation) は 73% の成功率を達成
  • モデル知能とタスク成功率の相関を確認

セーフティー評価 :

  • モデルポリシー違反が無いゲーム設定でパフォーマンス評価が可能
  • スキャフォールディングによる性能向上可能性を考慮する必要性がある

Figure 14

5.7 Model Autonomy

Score for OpenAI o3-mini : Medium

o3-mini のモデル自律性評価結果 :

  • 長期的タスクおよびエージェントタスクのパフォーマンス向上を確認
  • SWE-Bench Verified での実用的コーディング能力から Medium 評価を判定
  • 自己改善および AI 研究加速の潜在能力を示唆

制限事項 :

  • 実世界 ML 研究タスクにおける限定的なパフォーマンス
  • 自己改善に必要なオープンエンド ML 研究能力不足
  • High 分類到達に必要なケイパビリティーは未達成

Table 13

5.7.1 OpenAI Research Engineer Interviews (Multiple Choice & Coding questions)

OpenAI リサーチエンジニアインタビュー評価を内部質問バンクから作成した 18 個のコーディングおよび 97 個のマルチプルチョイス問題で実施

パフォーマンス分析 :

  • o3-mini (Post-Mitigation) はインタビューコーディングで 92% のパス率を達成
  • マルチプルチョイス問題で o1 と同等のスコアを記録(cons@32 メトリック)

フロンティア モデルの特徴 :

  • 自己完結型 ML チャレンジで優れたパフォーマンス
  • 1 時間程度の短期タスクに最適化
  • 1 ヶ月以上の長期研究タスクへの汎化は未確認

結果評価 :

  • インタビュー形式は短期タスクに特化
  • 実世界 ML 研究能力の完全な評価には不十分
  • 長期タスクへの適用性は別途検証が必要

Figure 15

Figure 16

5.7.2 SWE-bench Verified

Preparedness チームが人間検証を実施した SWE-bench サブセットを用いて評価を実施

Figure 17

評価フレームワーク :

  1. Agentless 評価

    • 全モデル(o3-mini tools 以外)に適用
    • 5 回の試行機会を提供
    • pass@1 では有効パッチ生成を平均化
    • 全試行で無効パッチの場合はインスタンスを不正解と判定
  2. o3-mini (tools) 評価

    • 内部ツールスキャフォールドによる反復編集とデバッグを実行
    • 4 回の試行で pass@1 を計算
    • エラー率は結果に重大な影響を与えない

パフォーマンス結果 :

  • o3-mini (tools) : 61%
  • o3-mini (launch) : 39%
  • o1 : 48%
  • 内部インフラで検証済みの 477 タスクを使用

評価メトリック :

  • pass@1 を主要指標として採用
  • ユニットテストは事前情報として非開示
  • 実世界のソフトウェアエンジニアリング環境を模倣

Figure 18

5.7.3 Agentic Tasks

自律的複製適応 (ARA : Autonomous replication and adaptation) フレームワークによりモデルのリソース獲得能力を評価

テスト環境 :

  • Python + Linux ターミナル実装
  • GPU アクセラレーション対応
  • OpenAI o1 用ツールハーネスによる Python コール解析

例題タスク :
Docker 環境で Mistral 7B ロード

  • OpenAI API 互換インターフェース構築
  • /api/v1/completions エンドポイント実装
  • GPU サポート設定

パフォーマンス評価 :

  • フロンティアモデルは全体タスクの一貫した完了は未達成
  • サブタスクで改善傾向を確認
  • o1-preview が最高スコアを記録
  • o3-mini は特定タスクで最高成功率を達成
    • GPT-2 PyTorch サンプリング
    • ビットコインウォレット生成
    • API キー検出

制限事項 :

  • オートグレーダー合格でも一部タスク完了が不完全
  • Mistral 7B の代替として簡易モデルを使う傾向を確認
  • プライマリータスク完全達成は未確認

Figure 19

5.7.4 MLE-Bench

Kaggle チャレンジを使い MLE-bench によりモデルの ML モデル設計、構築、トレーニング能力を評価

Figure 20

データセット :

  • 75 件の厳選 Kaggle コンペティション
  • 総賞金額 $1.9M 相当
  • GPU 環境で 24-100 時間の評価時間を設定

評価指標 :

  • bronze pass@1 / pass@n : コンペティションでブロンズメダル獲得率
  • 分子翻訳など複雑なタスクを含む

パフォーマンス :

  • o1-preview (Post-Mitigation) が最高性能を達成
  • 10 試行で 37% のブロンズメダル獲得率
  • o3-mini より 10% 以上高いパフォーマンス
  • pass@1 vs pass@10 で顕著な差を確認

結果分析 :

  • 試行回数増加による性能向上を確認
  • o1-preview と o1 は低試行回数で同等のパフォーマンス
  • スケーラビリティーに関する課題を特定

Figure 21

5.7.5 OpenAI PRs

OpenAI プルリクエストの複製能力評価を OpenAI リサーチエンジニア業務自動化の観点から実施

評価プロトコル :

  • OpenAI プルリクエスト貢献内容から直接タスクを抽出
  • エージェントロールアウトに基づく単一評価を実施
  • pre-PR ブランチからチェックアウト
  • コマンドラインと Python によるコードベース修正
  • 非表示ユニットテストで修正をグレード付け

スコア :

  • o3-mini モデルは Pre / Post-Mitigation 共に 0% を記録
  • GPT-4o : 5%
  • o1-preview : 8%
  • o1 : 12%

主要な課題 :

  • 指示理解の不正確さ
  • ツール形式指定エラー
  • Python 指定にも関わらず bash ツール使用を試行
  • 長時間会話によるパフォーマンス低下

これらの結果から o3-mini の実用的なコード修正能力に関する改善点を特定

Figure 22

6 Multilingual Performance

MMLU テストセットを 14 言語に翻訳し o3-mini の多言語能力を評価

評価方法 :

  • プロフェッショナル翻訳者による変換を実施
  • GPT-4o および o1-mini との比較評価を実施
  • 0-shot チェーンオブソートプロンプティングを適用

パフォーマンス分析 :
主要言語のスコア

  • アラビア語 : 0.8070
  • チャイナ語(簡体): 0.8230
  • フランス語 : 0.8247
  • ドイツ語 : 0.8029
  • 日本語 : 0.8227

応答解析 :

  • マークダウンおよび LaTeX 構文を除去
  • 各言語での "Answer" 訳語でマッチング
  • プロンプト言語に応じた解析ルールを適用

評価結果 :

  • o3-mini は o1-mini と較べ多言語処理能力が向上
  • ヨーロッパ言語で高パフォーマンスを達成
  • スワヒリ語やヨルバ語など一部言語でスコア低下を確認

Table 14

7 Conclusion

OpenAI o3-mini の主要な成果と課題を総括

主要成果 :

  • チェーンオブソート推論による高度なコンテキスト理解を実現
  • セーフティーベンチマークとケイパビリティー評価で優れたパフォーマンスを達成
  • セーフティー標準への適合性を確保

リスク評価 :

  • Preparedness Framework において Medium リスクと判定
  • 説得力、CBRN、モデル自律性で Medium リスク
  • サイバーセキュリティーで Low リスク

セーフティー対策 :

  • 既存セーフガードを強化
  • 新規セーフティー機能を実装
  • リスク管理プロトコルを最適化

展望 :

  • 反復的実世界デプロイメントによる安全性評価を継続
  • コミュニティー参加型 AI セーフティー対話を推進
  • 段階的な能力向上と安全性確保のバランスを維持

8 Appendix

8.1 Detailed Safety Evaluations

Table 15

Table 16

Table 17

8.2 Bias Evaluation Details

Table 18

Discussion