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Snowflake Intelligenceは非エンジニアに使えるのか?公式ハンズオンを通じた検証と考察(新卒エンジニア視点)

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はじめに

近年、生成AIの進展により「自然言語によるデータ分析」が現実的な選択肢として語られるようになってきました。
SQLを書かずに質問するだけで分析できる──そんな世界が本当に来るのか、正直なところ半信半疑でした。

Snowflake社が提供する Snowflake Intelligence は、
エンジニアだけでなくビジネスユーザーも含めた幅広い層を対象にした
エンタープライズ向けのインテリジェンスエージェントとして位置づけられています。

本記事では、Snowflake未経験の新卒エンジニアである筆者が、
公式 QuickStart に沿って Snowflake Intelligence のハンズオンを実施した結果をもとに、

  • Snowflake Intelligenceとは何か
  • 実際に触ってみて、何が「楽」になったのか
  • 非エンジニア利用において、どこまで期待できるのか

について、体験ベースで整理・考察します。


本記事の前提(今回の軸)

  • 対象:初心者・非エンジニア
  • レベル:Snowflake未経験〜触り始め

ゴール

  • Snowflake Intelligenceの正しい位置づけを理解する
  • 利用によって得られる具体的な価値を把握する
  • 過度な期待を避けるための前提条件を整理する

本記事では、
機能の網羅的な紹介ではなく、
実際に触った結果、どう評価できるかを重視しています。


Snowflake Intelligenceとは何か(概要整理)


画像引用元:https://www.snowflake.com/ja/blog/security-governance-practices-snowflake-intelligence/

Snowflake Intelligenceは、
自然言語による質問を起点として、Snowflake上のデータを横断的に分析・推論し、
ユーザーにインサイトを提供するAIエージェントです。

主な特徴は以下の通りです。

  • 自然言語による質問インターフェース
  • 構造化データ(テーブル)と非構造化データ(テキスト)の両方を扱える
  • Snowflakeのセキュリティ・ガバナンス境界内で動作
  • 回答結果を参照元データまで遡ることが可能

触る前と後で変わった認識

重要だと感じたのは、
Snowflake Intelligenceは単体で完結するAIではないという点です。

セマンティックモデルや検索インデックスなど、
事前に定義された構造を前提として初めて価値を発揮する設計になっています。

触る前は
「AIが勝手にいい感じにやってくれる」
というイメージを持っていましたが、

実際には

「正しく設計されたデータ基盤があって初めて賢く振る舞えるAI」

という印象に変わりました。


ハンズオン:公式ガイドに沿って Snowflake Intelligence を構築してみた

この章では、Snowflake公式ドキュメント
はじめての Snowflake Intelligence
に沿って実施したハンズオン内容を、そのままの流れで整理します。

本章に記載している内容は、
公式ハンズオンで実際に行った手順のみです。


手順①:環境セットアップとデータ準備

最初に、Snowflake Intelligence が分析対象とするデータを
Snowflake 上に準備します。

公式ハンズオンでは、
構造化データ(売上データなど)と
非構造化データ(サポートチケットのテキスト)を
あらかじめ用意するところから始まります。

実施内容

  • Snowsight から SQL ワークシートを開く
  • ハンズオンで提供されている SQL を順番に実行
    • データベースの作成
    • スキーマの作成
    • テーブルの作成
    • サンプルデータのロード
  • 作業用ロールを SNOWFLAKE_INTELLIGENCE_ADMIN に切り替え

この段階では、
Snowflake Intelligence 固有の操作はほとんどなく、
通常の Snowflake セットアップ作業と同じ感覚で進みます。


手順②:Cortex Analyst の設定(構造化データ)

次に、構造化データを自然言語で分析できるようにするため、
Cortex Analyst の設定を行います。

ここで必要になるのが、
セマンティックモデルの定義ファイル YAMLです。

実施内容

  • Snowsight のメニューから
    AI と ML → アナリスト を選択
  • 新規作成から
    YAML ファイルをアップロード
  • 公式ハンズオンで提供されている
    セマンティックモデル定義ファイルをアップロード

この YAML ファイルには、

  • 分析で使うテーブル
  • ビジネス用語(例:売上、商品カテゴリ)
  • 集計方法

が定義されており、
自然言語の質問を SQL に変換するための前提情報になります。


手順③:Cortex Search の設定(非構造化データ)

続いて、非構造化データを検索・要約できるようにするため、
Cortex Search の設定を行います。

実施内容





  • Snowsight のメニューから
    AI と ML → 検索 を選択
  • 新しい Search サービスを作成
  • 以下を指定
    • サービスを作成するデータベース・スキーマ
    • 検索対象となるテーブル
    • テキスト列(検索対象)
    • 属性列(フィルタや条件に使う列)
    • 使用するウェアハウス

この設定により、
サポートチケットなどのテキストデータが
検索・推論の対象として使えるようになります。


手順④:Snowflake Intelligence Agent の作成

次に、Snowflake Intelligence の中心となる
Agent を作成します。

Agent は、
どのツールを使って、どのような質問に答えるかを定義する単位です。

実施内容


  • Snowsight のメニューから
    AI と ML → エージェント を選択
  • 新しいエージェントを作成
    • エージェント用スキーマを指定
    • 表示名を設定
  • 作成したエージェントを編集モードで開く

Agent に設定した内容

Instructions(指示)

公式ハンズオンでは、
エージェントが想定する質問例を
あらかじめ Instructions として定義します。

  • 6月から8月までの商品カテゴリー別の売上トレンドを見せてください
  • 最近、サポートチケットで報告されている問題を要約してください
  • 特定カテゴリの売上が増加した理由を教えてください

Tools(使用するツール)

  • Cortex Analyst
    • 先ほど作成したセマンティックモデルを指定
  • Cortex Search
    • 作成した Search サービスを指定

これにより、
エージェントが質問内容に応じて
構造化データ分析と非構造化データ検索を使い分けられるようになります。


手順⑤:Snowflake Intelligence の実行

最後に、Snowflake Intelligence を実行して
エージェントの動作を確認します。

実施内容

  • Snowflake Intelligence の画面を開く
  • ロールとウェアハウスを指定
  • 作成したエージェントを選択
  • 自然言語で質問を入力

実際に確認したこと


(例)6月から8月までの商品カテゴリー別の売上トレンドを見せてください

公式ハンズオンで想定されている質問を入力すると、

  • セマンティックモデルを使った SQL の自動生成
  • 検索インデックスを使ったテキスト要約
  • 結果の自然言語での説明

が一連の流れとして実行されることを確認できます。


ハンズオンを通じて分かったこと(まとめ)

このハンズオンを通じて分かったのは、
Snowflake Intelligence は

  • データ準備
  • セマンティックモデル定義
  • 検索インデックス作成
  • エージェント設計

といった 前提作業をすべて満たした上で使う仕組みだという点です。

公式ハンズオンは、
Snowflake Intelligence を「試す」ためのものというより、
正しく動かすための最小構成を一通り体験する内容になっていると感じました。

※以降の章では、上記ハンズオンで触れた内容を、体験を踏まえて補足します。


Cortex Analyst:ハンズオンで見えた「自然言語×構造化データ」の実態

Cortex Analystは、
自然言語の質問をSQLに変換し、Snowflake内の構造化データを分析するための機能です。

ここで重要になるのが セマンティックモデル です。

  • ビジネス用語(例:売上、商品カテゴリー)
  • 実際のテーブル・カラム定義

これらを事前に対応付けることで、
LLMが「どのデータを、どのように参照すべきか」を理解できるようになります。

実際に触って感じたこと

Snowflake Intelligenceの精度は、
データ設計とセマンティック定義の質に大きく依存する

セマンティック定義が曖昧な場合、

  • 意図と異なるSQLが生成される
  • 回答がぶれる

といった挙動が見られました。

裏を返せば、
データ設計が整っている環境では、非エンジニアでもかなり使えると感じました。


Cortex Search:ハンズオンで実感した非構造化データ活用の現実解

Cortex Searchでは、
サポートチケットや問い合わせ履歴のようなテキストデータをインデックス化し、
検索・要約・推論の対象として扱えるようになります。

特に AI_AGG() を用いた要約処理では、

  • 大量のテキストを人手で読む必要がなくなる
  • 全体傾向を短時間で把握できる

点が非常に有効だと感じました。

これは、
これまで分析対象外になりがちだった非構造化データを、意思決定に使える形へ変換する仕組み
と捉えられます。

体感としては、
ここが最も「非エンジニア向けの価値が分かりやすい」機能でした。


Agent作成によって見えたSnowflake Intelligenceの本質

Snowflake Intelligenceの中核は、
単体の機能ではなく Agent という概念にあります。

Agentでは、

  • どのツールを利用するか
  • どのような質問を想定するか
  • どのように回答するか

を事前に定義します。

この設計を通じて感じたのは、

Snowflake Intelligenceは
「何でも答える汎用AI」を目指していない

という点です。

誰に向けたAIなのか、
何を任せるAIなのかを明確にすることで、
業務特化型AIを作る思想が見えてきました。


実際に質問してみて分かったこと

定型的な分析質問

  • 月別・カテゴリー別の売上推移
  • 商品カテゴリごとのパフォーマンス比較

これらについては、
SQLを書かずに即座にグラフと説明が得られ、
非エンジニアにとって非常に大きな価値があると感じました。

特に、

  • 「まず何を見るべきか」を迷わなくてよい
  • 分析の初動を一気に進められる

という点は、
これまでエンジニアやアナリストに依存していた分析体験を
大きく変える可能性があると感じました。


「なぜ」に踏み込む質問

一方で、

  • 売上増加の要因分析

といった「なぜ」を問う質問についても、
単なる数値の列挙にとどまらず、

  • 関連しそうな指標の提示
  • 時系列やカテゴリごとの変化点の示唆

など、
仮説検討の出発点として十分に有用な情報が提示されました。

最終的な解釈や意思決定は人が行う必要があるものの、

「何を手がかりに考えればよいか」を
短時間で整理してくれる

という点で、
Snowflake Intelligenceは
思考を代替するAIではなく、思考を加速させるAI
だと感じました。


まとめると

Snowflake Intelligenceは、

  • 「考えなくていいAI」
    ではなく
  • 「考える前段を圧縮してくれるAI」

と評価するのが適切だと感じました。

この役割は、
非エンジニアが分析に参加する上で
想像以上に大きな価値を持つと考えています。


Snowflake Intelligenceによって楽になる点

  • 分析の初動が非常に速い
  • SQL知識がなくても結果に到達できる
  • 非エンジニアが分析プロセスに参加できる

特に、
分析を始める心理的・技術的ハードルを下げる効果は非常に大きいと感じました。


限界と注意点

一方で、以下の点には注意が必要です。

  • 曖昧な質問には曖昧な回答しか返らない
  • データ設計が不十分な場合、期待通りに動作しない

Snowflake Intelligenceは、
思考を代替するツールではありません。


結論:どこまで期待すべきか

Snowflake Intelligenceは、

  • ❌ 分析を完全に自動化するAI
  • ⭕ 分析を始め、広げるための支援ツール

と位置づけるのが適切だと感じました。

特に、

  • データ基盤が整っている
  • 非エンジニアにも分析を開放したい

という組織において、
その効果は大きく発揮されると考えられます。


おわりに(新卒エンジニアとしての所感)

今回のハンズオンを通じて、

  • AI以前に、データ設計が重要であること
  • AIは「答え」ではなく「補助線」を提供する存在であること

を強く実感しました。

Snowflake Intelligenceは、
データ基盤整備の「その先」で活きる技術であり、
人とデータをつなぐインターフェースとしての価値を持つと考えます。

本記事が、Snowflake Intelligenceを検討する際の
一つの参考になれば幸いです。

参考文献

電通総研 データテックブログ

Discussion

tshotsho

こんにちは、そのQuick Startを翻訳&日本用に修正したものです。Snowflake Intelligence をはじめとしたAIは分析の初動を早めたり、非エンジニアに分析できる術を提供できるものだと私も思っているので、うなずきながらブログ読ませていただきました。ブログありがとうございます!

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satosato

こんにちは、コメントありがとうございます!

Quick Start の翻訳・日本向け対応、とても分かりやすくて助かりました。
実際に触って理解を深める上で、そのままブログのベースとして使わせていただきました。
私自身も、Snowflake Intelligence をはじめとした AI は、分析の初動を早めたり、非エンジニアの方が分析に踏み出すきっかけを作ってくれる存在だと感じているので、同じ視点で共感いただけて嬉しいです。
ブログも読んでいただき、ありがとうございました!

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