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今回はUnrealEngineのプログラミングとブループリントとC++の概要について解説していきます。

このページではUE5のプログラミングとはどんなものなのか？二つあるプログラミング言語「ブループリント」と「C++」の違いや、まず最初はどっちを使うべきのかなどを解説していきます。

UnrealEngineでのプログラミングについて

まずそもそも「プログラミング」について解説すると、プログラミングとは処理や機能を作ることです。例えばスマホで電源ボタンを押したら電源が付いたり、FPSのゲームをプレイ中にクリックして弾を撃ったり、回復アイテムを使ったらHPが回復するなどのプログラム(機能)を書いて作る事をプログラミングと言います。

ではUnrealEngineのプログラミングとは何を具体的に指しているのでしょうか？プログラミングを行う事によりゲームの中でキャラを操作したり、ボタンを押してアイテムを購入したりなど「ゲームを動かす」事ができるようになります。要するにプログラミングでゲームに何らかの機能を追加できゲームを動かす事ができるという事です。ゲームを作る上でプログラミングは一番重要といってもよい項目になります。プログラミング未経験者の方でも1からご理解頂ける様にこの本ではUE5のプログラミングについて解説しているのでぜひ活用してみください。

では実際にプログラミングの過程を見てみましょう。

実際に、プログラミング(ブループリント)でゲームの機能を作る様子を見てみよう

では簡単にプログラミングによってゲームに機能を追加してみようと思います。今回は下の動画でクリスタルのようなオブジェクトを回転させる機能をプログラミングによって1から実装してみました↓

1. まず最初にゲームをプレイした時点ではクリスタルは回転していません。これはただの3Dモデルで何も機能を持っていないからです。
   
2. ブループリントと呼ばれるグラフを繋いでいくプログラミングによって、回転させる機能を作りました。これは↓最初は意味不明ですが勉強すれば理解できるようになります。簡単に説明するとアイテムを常に回転させるという意味のプログラミングになります。
   
3. これで再度ゲームをプレイしてみるとアイテムが回転するようになりました。
   

たったの24秒で最初は動かなかったアイテムが回転するようになりました。これが「プログラミング」にあたり、回転するというプログラム(機能)をつけたという事になります。

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ゲームの機能を作る = プログラミングです。ではなんとなくプログラミングについて理解できた所でUnrealEngineの二つのプログラミング方法を紹介していきます。

UnrealEngineのプログラミング言語は2つある

UnrealEngineではプログラミング方法は「ブループリント」と「C++」の二つがあります。つまり二つの方法があるという事はゲームの機能の作り方が二種類あるという事です。どちらも同じ機能を作る事ができるのですが、それぞれメリットデメリットがあるので違いとともに紹介していきます。まずはブループリントから紹介していきます。

ブループリントとは？

ブループリントとはグラフを線で繋げる事によってゲームの機能を作るプログラミングです。先ほどのYouTubeの動画の中でもブループリントでアイテムを回転させる機能をつくりました↓

ブループリントは直感的でとても簡単、実装が速いのが特徴です。ではブループリントの仕組みについて少し紹介します。

・ブループリントの仕組みを簡単に紹介

動画で紹介したアイテムを回転させたブループリントについてどういう仕組みなのか簡単に説明します。

ブループリントではノードと呼ばれるグラフを白い線(ワイヤー)で繋げて処理を作っていきます。左の「イベントTick」というノード(赤色のグラフ)は「常にこのノード(グラフ)につなげた処理を実行する」という機能を持ったもので、右の「Add Actor Local Rotatation」というノード(グラフ)は「アイテムを回転させる」という機能を持ったものになっています。この二つのノードをワイヤー(白い線)で繋ぐ事で「常にアイテムを回転させる」という機能になり、ゲームをプレイするとアイテムが回転するようになるといった仕組みになっています↓

こうやってノードを繋げてゲームの機能を作成する方法がブループリントになります。ブループリントのようなグラフでプログラミングを行う事を「ビジュアルスクリプティング」と呼びます。

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なお、ここで理解できなくも全く問題はありません。これから実際にブループリントを使って理解していきましょう。

※ビジュアルスクリプティングとは？

ビジュアルスクリプティング(別名ビジュアルプログラミング)はテキストではなくグラフ方式で行うプログラミングです。ビジュアルスクリプティングで有名なものに子供用の教材「Scratch」があります↓

それぞれの機能を持ったグラフを組み合わせる事によってプログラミングを行っていきます。ビジュアルスクリプティングは直感的に操作しやすいため、比較的簡単に使用できます。ただしプログラミングの仕組みとしては一般的なプログラミングと何ら変わりません。

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ブループリント = ビジュアルスクリプティングで簡単なプログラミングの事です。ブループリントは簡単そうだとは感じ取れたと思いますが、このブループリントだけで本当にゲームは作れるのでしょうか？答えはYESです。しかしブループリントではできない事もあります。それは後ほど紹介するとして次にもう一つのプログラミング「C++」を見ていきましょう。

もう一つのプログラミング「C++」とは？

C++とは一般的なプログラミングと同じテキストベースのプログラミングになります。ブループリントと同じくゲームの機能を作成する事ができ、先ほどブループリントで作ったアイテムを回転させる機能もC++で作る事ができます。実際にC++で作る様子もYoutubeで見てみましょう。ブループリントと同じアイテムを回転する機能をC++によって作成しています↓

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ではC++について簡単に仕組みを紹介していきますが、既にブループリントでゲームを開発する事を決めている方はここはスキップしても構いません。

✓C++の仕組みを簡単に紹介

では、上のYouTubeの動画でアイテムを回転させるために作成したコード(テキスト)の意味について簡単に解説します↓

画像で言う赤枠の部分がアイテムを回転する機能なので、そこを解説していきます(下のコードが赤枠の部分のテキストです)。最初は訳がわからないかと思いますが勉強すれば理解できるようになっていきます。

void ARotationItem::Tick(float DeltaTime)
{
	Super::Tick(DeltaTime);
	FQuat QuatRotation = FQuat(FRotator(0.f, 1.0f, 0.f));
	AddActorLocalRotation(QuatRotation, false, 0, ETeleportType::None);
}

では、解説します。

1. まずは以下のコードの中に鍵括弧{}がありますが、この鍵括弧の中に書いた処理は「常に実行」されます。つまり以下のコードは常に何かの処理を実行するために必要なコードという事です。

void ARotationItem::Tick(float DeltaTime)
{
	Super::Tick(DeltaTime);
    
}

2. さらに下の別のノードでは「アイテムを回転させる」という処理が書いてあります。

	FQuat QuatRotation = FQuat(FRotator(0.f, 1.0f, 0.f));
	AddActorLocalRotation(QuatRotation, false, 0, ETeleportType::None);

3. 1の鍵括弧の中に2のコードを入れて以下のようになりました。これで「常にアイテムを回転させる機能」の出来上がりです。

void ARotationItem::Tick(float DeltaTime)
{
	Super::Tick(DeltaTime);
	FQuat QuatRotation = FQuat(FRotator(0.f, 1.0f, 0.f));
	AddActorLocalRotation(QuatRotation, false, 0, ETeleportType::None);
}

4. ゲームをプレイしてみるとブループリントと同じようにアイテムが回転するようになりました。

なんとなくC++はこういうものなんだなとイメージを掴めてもらえればオッケーです。

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C++ = テキストベースのプログラミングです。見ての通り簡単そうなのはブループリントで、難しそうなのはC++ですが仕組み自体は一緒です。ではこれからブループリントとC++の違いについて解説していきます。

二つの言語は同じ機能を実装できる

紹介したようにブループリントでもC++でも同じ機能を作る事ができます。

右がブループリントで作ったもの、左がC++で作ったものですがどちらも全く同じ挙動をしています↓

プログラミングの種類によって機能が違ってくるという訳ではありません。なのでものすごくざっくり言うとブループリントとC++は書き方が異なるだけで同じ機能を実装できるという事です。

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こう見ると、簡単そうなブループリントの方が良さそうですが一概にはそうとは言えません。なぜならC++で作るとゲームのパフォーマンスが良くなるなどのメリットなどがあるためです。それぞれのメリットデメリットを見ていきましょう。

ブループリントとC++の特徴(メリット,デメリット)

ブループリントとC++について特徴を一覧で見ていきましょう。

ブループリントの特徴一覧

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簡単に特徴をまとめるとブループリントは簡単でとても便利で実装が速いです。しかし処理速度が遅い場合があり、多くはないが実装できない機能もあるという事です。

C++の特徴一覧

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つまり簡単に特徴をまとめるとC++はブループリントより多くの機能を実装でき、パフォーマンスも良いです。ただしブループリントよりかなり難易度が上がるという事です。

✓ブループリントとC++の特徴まとめ

ブループリントの特徴はなんといってもシンプルで簡単、機能の実装がものすごく速く、ネットにある情報量も豊富です。一方C++はゲームのコアな部分までアクセスでき、実装できる機能が多く、パフォーマンスが良いという事です。つまりそれぞれ一長一短で一方の方が確実に優れているとは言う事はできません。

ゲームは「C++」と「ブループリント」どちらか一方でも、両方でも作れる！

まず前提としてブループリントのみでもゲームは作れますし、C++だけでもゲームは作れます。そして両方を使用してゲームを作る事も可能です。

・ブループリントのみで作られたゲーム

例えば以下のBrightMemoryというゲームはブループリントのみで作られたゲームとの事です(ソースはこちら)。ブループリントのパフォーマンスが悪いと言えど、少なくともこのゲームで遅いと感じる事は無さそうです。

・C++で主に作られたゲーム

フォートナイトはブループリントとC++両方が使われていますが、ほとんどはC++で作られています(ソースはこちら)。特にフォートナイトのような大規模なオンラインゲームではC++でパフォーマンス良く実装する事が重要になってきます。

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プログラミングで作るのは機能の部分であって見た目の部分とは一切関係ありません。つまりブループリントのみでもフォートナイトのような見た目のゲームは作れます。

・一般的なゲームにはブループリントとC++両方が使用されている

一般的なゲームに使用されているパターンとしてはブループリントとC++両方を使ってゲーム開発される事が多いようです。実際に両方の良さを活用してゲームを作る事が一番ゲーム開発が捗るでしょう。例えば、ブループリントでゲームの大部分を作ってブループリントで作れない機能はC++で補うだったりといった方法がよく行われます。

ブループリントとC++どっちでゲーム開発をする？

ブループリントとC++は一長一短だと言う事がわかりました。ではどちらを使用してゲーム開発をするべきなのでしょうか？おすすめは状況に合わせて選ぶという事です。

例えばプログラミング未経験の初心者の場合はブループリントでのゲーム開発が圧倒的におすすめです。一方、C++の使用がおすすめな方は既にUnrealEngineを習得しており、かつプログラミングの経験も豊富で、オンラインFPSのような大規模なゲームを作る場合に適しているでしょう。

そして最終的にはブループリントとC++両方を習得して、両方の良さを活かしてゲームを開発できるように目指すのがベストだと思います。両方使える場合だとプロトタイプや小規模なゲームは実装が速いブループリントで、ゲームがプロトタイプから製品版に移行する時にはC++で実装したりなどそれぞれの良さを活かして使い分ける事ができます。

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という訳でブループリントとC++は自身のレベルや作るゲーム合わせて選ぶという事がわかりました。では学び方としては最初はどちらを学んでいけば良いのでしょうか？

初心者の方はまずブループリントを極めよう

プログラミング経験者の方であればC++でも構いませんが、個人的には初心者の方であれ経験者の方であれブループリントから始める事をおすすめします。というのもほとんどのUnrealEngineでのゲーム開発に関わるネットの情報や教材はブループリントで解説されているためです。また、ブループリントとC++は見た目は異なるものの、仕組みやプログラミングで使用する機能の部分に関しては何ら変わりはありません。例えば、上記で比較した「アイテムを回転させる」という機能を持つブループリントとC++は見た目が異なるだけで仕組みは全く同じです。

つまり簡単なブループリントから基本やプログラミングの仕組みを学び、その後にC++を少しずつ学んでいくという方がゲーム開発について理解しやすいと個人的には思っているからです。という事で初心者の方は簡単なブループリントから学んでいく事をおすすめします。

この本ではブループリントを使ってゲーム開発について学んでいきます📝

この本一巻でもブループリントを使用してUnrealEngineでのゲームの作り方について解説していきます。もしこの本に需要があればC++編として別冊の三巻を作りたいと思っています。まずはブループリントからプログラミングを一緒に極めていきましょう！

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まだUrnealEngineを触った事がない初心者の方は何の話をしているのか、わからなかったかもしれませんが、要するにUnrealEngineでゲーム開発を行うならブループリントを学んでいきましょうという事になります。まだ現在本は作成中ですが1から解説していきますのでプログラミング初心者の方もぜひチャレンジしてみてください。

まとめ - UE5のプログラミングについて

UnrealEngineではプログラミングは二つの方法があります。それがブループリントとC++で、どちらも全く同じ機能を作る事ができ、仕組みも一緒です。つまり、ざくっり言うと見た目が異なるだけです。ブループリントの特徴は簡単で直感的、作業も速いです。一方C++は難しいですがC++にしか作れない機能があったりパフォーマンスが向上する場合があります。状況に合わせてブループリントかC++かを選ぶ事が重要で、初心者の方は簡単なブループリントから学ぶのがおすすめです。この本でもブループリントを使ってゲーム開発をしていきます。