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スピードと品質を両立させる「KAIZEN大会2025」 — 過去の知見を仕組みに変えて、2026年の信頼を創る

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2025年もあっという間に終わろうとしています 終わりました…。

2025年はリリースの規模が拡大し、多くの価値を届けることができた一方で、残念ながらいくつかのデグレ(デグレード)を発生させてしまいました。

開発プロセスの中で一番防ぎたい、そして仕組みで未然に防ぐことができる「デグレ」をテーマに、年末の節目にチームみんなで 「KAIZEN大会2025」 を実施しました。
そこで出た課題と、私たちが決めた「仕組み」への対策を共有します。

なぜこの会をしたのか

個人を責めるのが目的ではありません。
「個人の注意不足」で片付けず、開発フローや環境という「仕組み」で解決することを目指しました。
仕組みを整えることで、メンバーが不安なく挑戦でき、かつお客様に常に安定した品質を届け続けられる「信頼の基盤」を作ることが目的です。

振り返りのステップ

  1. 発生事象の棚卸し: 2025年に起きたデグレをすべてドキュメントに書き出し、一覧化。
  2. 原因と暫定策の記入: 実装者やパッチ適用者が、当時の状況を振り返り記入。
  3. QAとの合同対策会議: エンジニアだけでなくQA担当者も交え、恒久的な対策を議論。

振り返ってみると、日々の業務の中で見落としていた課題が可視化され、チーム全体で「品質」に向き合う良い機会となりました。

実施した対策の紹介

KAIZEN大会ではいくつか改善案が出されましたが、その中から4つの対策を紹介します。

1. コンフリクト解消の「迷ったらWチェック」

大規模な開発が重なると、マージ作業で複雑なコンフリクトが発生します。

  • 課題: コンフリクト解消時に、他人の修正を誤って消してしまったり、古いコードを復元してしまったりした。
  • 対策: 「コードの整合性」はAIでも補助できるが、「実装の意図」の衝突は人間が判断する。「1箇所でも判断に迷うコンフリクトがあれば、必ずペア(または元の実装者)に確認を依頼する」 というルールを徹底。自分の判断だけに依存せず、チームで事故を防ぐ体制を構築しました。

2. デザイン改修時の機能欠落防止:コードベース確認と比較キャプチャ

UI刷新プロジェクトで、見た目は綺麗になったものの、既存の機能が消えてしまう事象がありました。

  • 課題: Figmaのデザインにすべての状態が網羅されているわけではないため、デザイン通りに実装するだけでは不十分だった。
  • 対策: コードベースでの機能確認: 実装前に既存コードを読み込み、現行機能のロジックに漏れがないかを洗い出し、AIレビューによる整合性チェックを実施。
    最後に、PRに必ず新旧画面の比較キャプチャを貼り、ビジュアルの変化だけでなく、機能が維持されているかをレビュアーが客観的に確認できるようにしました。

3. 「本番同等環境」での検証フロー構築

「特定の環境では再現しない」という、環境差異によるデグレも発生しました。

  • 課題: 本番環境特有のシステム構成や制約条件が再現されていない環境でのみ検証したため、本番特有の挙動に気づけなかった。
  • 対策: 検証環境の利用定義を見直し。環境差分がリスクとなり得るケースを定義し、本番と同等の構成でテストを完了させるフローを標準化することで、リリースの確実性を高めました。

4. 【進行中】AIレビューの改善とエージェントの見直し

「人の目」だけに頼らず、AIによる自動ガードレールを強化する取り組みです。

  • レビュー観点の追加(Skillsの強化): 今回棚卸ししたデグレ傾向を踏まえ、チェックすべきポイントを具体的にAIの指示(プロンプト/Skills)へ追加。
  • コンテキストの注入: 基本テストパターンや具体的な利用シナリオを「前提知識(Skills)」としてAIに読み込ませ、ロジックの矛盾を検知しやすくします。
  • AIエージェントの刷新: 変更内容の影響範囲をより正確に特定できるよう、AIエージェントの役割分担やモデル構成を根本から見直しています。

AI時代の「高速開発」を支えるハイブリッドな品質管理

今後、私たちの開発はAIの活用によってさらに「爆速」になっていきます。
だからこそ、そのスピードに耐えうる AIとのハイブリッドな品質管理 が必要不可欠です。

広範な影響調査や定型的なロジックチェックはAIエージェントに自律的に行わせ、人間は「仕様の意図」や「UXの感性」という、より高度な判断に時間を割けるようにする。
この、AIによる自律的なガードレールと、人間による最終的な意思決定を掛け合わせるサイクルを回していくことが、スピードを加速させながら「確かな品質」を届けるための鍵になると考えています。

2026年に向けて

今回の大会を通して、私たちは自分たちの「心理的盲点」を正しく認識することができました。

「コンフリクト、自分でなんとかしなきゃ」
➡︎ チームの対話による「Wチェック」の標準化へ

「デザインが正解だろう」
➡︎ 人間によるコード調査 + AIレビューの「二重解析」へ

「開発環境で動いたから大丈夫だろう」
➡︎ 「本番同等環境」での検証 + AIの「自動ガードレール」へ

2026年は、仕組みとAIの力を使って、メンバーが安心してリリースでき、お客様に最高品質を届けられる体制をさらに強化していきたいと思います!!

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