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開発チーム16名で「手書きコード禁止」AIハッカソンをやってみた

に公開

こんにちは!
株式会社ココナラのマーケットプレイス開発部 Web開発グループ バックエンド開発チーム所属のさいぴーです。

2025年12月22日、Web開発グループ16名(バックエンド8名・フロントエンド8名)が一堂に会し、「生成AIの利活用」をテーマにしたAIハッカソンを開催しました。

この記事では、運営メンバーとして、また参加者としてもイベントに参加した私から、その様子や得られた学びについてレポートします。

🎯 開催の背景

AX推進の本格化

ココナラでは現在、全社的にAX(AI Transformation)推進が本格化しています。
Web開発グループでも、AIを活用してエンジニアが本質的な仕事に集中できる環境を目指しています。

ただ、AIを使うこと自体が目的ではありません。
エンジニアが本質に集中するための手段として位置づけたいというのが、私たちの考えです。

イベントのゴール

今回のゴールは、FE・BEの領域関わらずWeb開発グループ全体で日々AIのナレッジを共有し、試行錯誤によりアウトプット向上ができるスタート地点に立つことです。

AIの利便性・可能性を皆で共有し、業務課題解決のためにどんどん使っていこうという雰囲気を作ること。そして、他の人の活用事例から学びを得ること。この2点を軸にイベントの目標を設定しました。

📋 イベント概要・タイムスケジュール

項目 内容
日時 2025年12月22日 13:00〜18:00
場所 SPOT渋谷SIRO (SPACEMARKETリンク)
参加者 16名(FE・BE混合)
テーマ 生成AIの利活用
時間 内容
13:00〜16:30 1部:AI活用ハッカソン
16:45〜17:45 2部:ナレッジ共有会
18:15〜 懇親会

会場の様子
会場の様子

🛠️ 1部:AI活用ハッカソン

コンセプト「エンジニアの本気 × AI」

**「AIを使えば、私たちはもっと速くなれる」**を証明するため、チーム対抗の実戦形式としました。

特に重視したのは以下の2つです。

  • 開発スピードの限界突破 - 短時間で動くものを作り切る
  • 最新AIツールの業務レベル検証 - Cursor / Claude Code / Gemini等を実際の開発で試す

お題

社内の「地味な不満」を解消するワン機能ツールをAIを活用して作成する。

「明日から使いたい」「役立つツール」というコンセプトを軸に、開発業務で日頃使えるようなものをテーマに各チームでアイデアを出し合いました。

ルール

  1. 手書きコード禁止 - ロジックは原則AIに書かせる(人間は指示とレビューに徹する)
  2. 仕様書駆動 - PRD(要件定義)を書き、AIに実装させるフローを守る
  3. 作成するツールは一つ - 時間が余ったらツールを拡張
  4. 成果物の最低要件 - 「動くもの」と「説明資料(READMEレベル)」が揃っている状態

「手書きコード禁止」というルールはなかなか刺激的ですが、自分で書くという手段を封じることで新しいAI活用の道を見つけることを期待しています。

チーム編成

以下のポイントを考慮した上で、4名1チーム × 4チームで編成しました。

  • FE・BEを混ぜる
  • AI使用レベル(Claude Code、Cursor等の利用状況)を考慮してバランスよく分ける
  • あまり接点のない人同士を意図的に組み合わせ、コミュニケーションを促進する

評価基準

評価はGoogleフォームで全員が行う形式とし、主に以下の観点から5段階評価してもらいます。

  • 役に立つか(明日から業務で本当に使えそうか)
  • 今すぐ欲しいか(自分も使ってみたいと思うか)
  • 着眼点・おもしろさ(課題の見つけ方や解決アプローチが面白いか)
  • AIの活用度(AIをうまく活用できていたか)

各チームの成果

当日は、約3時間で4チームがそれぞれツールを作り上げ、発表しました。ここでは、その概要と、他チームのメンバーから寄せられたコメントの一部を紹介します。

チームA:dev環境デプロイスクリプト

背景・課題

複数ある開発環境へブランチを指定しながらデプロイする作業が煩雑で、本質的ではない作業に時間がかかっている。

解決策

一つのスクリプトで、対話的にリポジトリとブランチを選択していくことで、デプロイが完結するツールを作成する。

他チームからのコメント
  • 「今までもどかしく感じていたところに手が届くとても良いツール」
  • 「明日から使ってみたいです!」
  • 「シンプルに便利」

チームB:ReleaseGuard(リリースガード)

背景・課題

自分がリリースする際、他の人がリリース中かどうかの確認を人手に頼っているため、他の人とリリースが競合してしまうリスクがある。

解決策

リリース状況をGoogleカレンダーで可視化し、誰がいつリリースしているかが一目でわかるシステムを作成。

他チームからのコメント
  • 「リリース時の手続き周りの着眼点が面白かった」
  • 「日頃ワークフロー化したいと思っていた内容」
  • 「ワークを進める中での役割分担や、フロー図の用意など、複数名のプロジェクトの進め方が上手」

チームC:Yondoke(読んどけ)

背景・課題

チャットのチャンネルが多すぎて、重要な情報を見落としがち。「あれどこいった?」が多発し、地味につらい。

解決策

複数チャンネルのメッセージをAIで要約し、ネクストアクションを抽出するCLIツールを作成。

他チームからのコメント
  • 「メッセージのトリアージという発想がだいぶ面白かった」
  • 「メンションは溜まりがちなので一気にまとめられるのすごく助かる」
  • 「各所からメッセージが多い人だと便利そう」

チームD:会議資料リンク監視Bot

背景・課題

カレンダーの会議予定に資料リンクが貼られておらず、毎回「リンクください」のやり取りが発生。参加者x分数だけ無駄が発生している。

解決策

翌日の予定をスキャンして、資料が添付されていない会議の主催者にリマインドを送るSlackBotを作成。

他チームからのコメント
  • 「自分もドキュメント貼るの忘れがちなので、あるとありがたい」
  • 「Googleカレンダーの予定に注目してその問題を見つけた点がおもしろかった」
  • 「資料がないことのMTG非効率性解消に役立つ」

どのチームも「手書きコード禁止」のルールを守りながら、約3時間という短い時間にもかかわらず動くものを完成させ、発表時にデモを披露していました。
AIに指示を出す→レビューする→修正を依頼する、というサイクルを高速で回すことで「小さく早く」の開発スタイルを全員で体現していました。

💬 2部:ナレッジ共有会

1部のハッカソンで集中して手を動かした後は、少しゆるめの雰囲気でAI関連のナレッジを共有するセッションを設けました。

📝 1. Tips & ノウハウ共有(40分)

Miroを使って、全員がAI活用のTipsを付箋形式で投稿し、59件もの多くのノウハウ・質問が集まりました。

カテゴリ 投稿数
コード活用 12
プロンプト技術 14
ベストプラクティス・失敗談 21
その他相談 12

注目のTips

投稿された中から、当日議題に上がったいくつかを紹介します。

MCP vs スクリプト

MCP より​スクリプトと​ルール書いた​方が​いいよ

MCP の中でも冪等な処理をするものについてはスクリプトにして Cursor Project Rules や Claude Code Skills と組み合わせることで、MCP 連携によって消費されるコンテキストを節約し、作業用のコンテキスト比率を増やすことができる、という tips でした。

compact や clear をまたいだ記憶管理

session memory を​導入して​ compact や​ clear を​跨いだコンテキスト維持を​実現しているよ

(auto-)compact によるコンテキスト圧縮が発生すると、それまでに議論していた重要な記憶が欠落する恐れがあります。それを回避するため、そのセッションの TODO タスクリストや重要な決断の履歴をマークダウン形式でファイルに記録しておき、/{save, load}-memory コマンドで読み書きできるようにしている、という話でした。これにより、セッションが切れたあとでも昔の作業に戻れる、というメリットもあるようです。

その他

​AI活用と言いつつ、Claude Code と​ Cursor にツールが限定されているのは​なんでだろうって​思ってます。​

日常の​会話レベルでも​「言葉間​違ってないか、​別解釈できる​もの​いいしてないか」を​確認するのに​使っていった​方が​いい。

このように「AIを開発に使おう」という視点以外からの意見も多く集まり、AIに対して組織・個人がどう向き合うかについて改めて考える時間にすることができました。

📊 2. 現状のナレッジ共有の課題感と、これからの話(15分)

ノウハウ共有の話題や、事前にとっていたアンケートの結果をもとに、現状のナレッジ共有における課題のリストアップや、今後はどう進めていくのがよいのか、という議論を行いました。
「あ、みんな同じこと思ってたんだ」というポイントがいくつも見つかり、短期・中長期それぞれですべきことについて多くの意見が集まりました。

短期施策

施策 課題 詳細
AI雑談チャンネル作成 既存のチャンネルはプロの集まり感があって投稿しづらい 気軽に情報共有できる場を用意
ai-playgroundリポジトリ作成 自分が作ったコマンドやファイルをどこに置けば良いかわからない 作った便利ツールを気軽に置ける場所を用意
モブプログラミングの開催 他の人がどうやってAIを使っているのかわからない AI活用派の作業を皆で見ながら知見を共有

中長期施策

施策 課題 詳細
AI R&D枠の確保 進行中のプロジェクトがあったりすると時間が確保しづらい 週1〜2時間の実験・学習時間を仕組みとして枠取りする
人気Tipsのハンズオン ナレッジ共有のみだと自分の作業にどう役立つかイメージしづらいときがある 実践的な学びの場として、具体的なタスクで実践する場を設ける

💡 学びと気づき

今回のイベントを通じて、いくつかの重要な気づきがありました。

1. PRD(仕様書)駆動の重要性

各チームとも、最初に課題と要件を整理してからAIに実装させることで、短時間でも大きな方向性のブレなく実装できたのではないかと思います。
「手書きコード禁止」というルールが、逆に「指示の出し方」や「ドキュメント整備」に意識を向けさせる結果になったのかなと感じています。

2. 既存ツール連携の発想

各チームの解決策には既存のツールをつなぐ発想が多く、「新しいものを作る」より「つなぐ」方が実用的という学びがありました。
約3時間という制約があり、かつ既存の仕組みに導入するという点においては、ゼロから作るより既存のAPIやツールを組み合わせる方がたしかに現実的と感じます。

3. FE・BE横断の交流は価値がある

普段接点のないメンバー同士がチームを組むことで、異なる視点やノウハウが共有されました。また、複数名で作業するにあたってREADMEやAGENTS.mdを整備することの重要性を再認識することができました。

🔜 今後に向けて

今回のイベントは「スタート地点に立つ」ことがゴールでした。ここからが本番です。

今回議論した短期・中長期施策を進めながら、「AIを使えば、私たちはもっと速くなれる」 を体現できる組織を目指し、これからも取り組んでいこうと思います。


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