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ねじを精密に回せ

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ねじをどうやって正確に回すか?という話です

ドライバーの準備

分からなかったらセットになっているものを買って下さい。
サイズ違いのドライバーは必ず全部用意してください。
プラス精密ドライバーの#00、#0、#1を用意してください。可能であれば#2も購入しておいてください。
マイナスドライバーは基本的に不要なので、必要とするネジがある場合のみ購入すればいいです。それ以外のマイナスはスクレーパーかテコかオープナーの代わりにしかなりません。
メーカーがわからなければ日本メーカーのものを選んでください(Vessel、SK11、エンジニアなど)。

ビット交換式はお勧めしません。
プラス型から棘が生えた形状のドライバー(ポジドライブ、PZ)はIKEAの家具かスキー板ぐらいでしか使いません。なんなら捨てて良いです。

特殊加工ドライバーについて

Wera Lasertip、SK11パーフェクトドライバーなど特殊加工が行われたドライバーもあります。
先端形状が十字ではないものは力を掛けて使うのが前提なのであまりおすすめしません(木ネジなどに対して威力を発揮します)。
先端がレーザー加工やサンドブラストなどでザラザラになっているものは脱落防止になっており、こちらはあってもいいでしょう。
分からなかったら普通のを買ってください。

その他特殊なドライバー

電動ドライバー

慣れないうちはやめた方がいいです。手動のドライバーで押しつけと回転の加減に慣れてから使用しましょう。

ラチェットドライバー

左右にねじるように回すと、片方への回転だけがネジに与えられるドライバーです。構造上がたつきが出やすいため、十字穴から脱落しやすいですが、慣れれば作業の省力化・高速化に貢献します。

ねじを回す

どのドライバーを選択するか分からないとき、以下の手法で選択してください。
・手持ちのドライバーの中で、ねじより明らかに大きいものをまず当てる。
・入らないなら、1つサイズを下げて試す。
・これを繰り返し、ぴったり入るものを探す。

金属おねじ対金属めねじ

ねじ穴に合うサイズのおねじを持つねじを用意し、ねじ穴に当てます。
ドライバーを十字の穴の奥まで当て、逆方向(反時計回り)に回転させ、ネジが少し上がってきてから落ちるまで回転させます。
これでおねじとめねじのねじ山が一致したため、この状態で正方向(時計回り)に回転させます。
十字穴から脱落しない程度の力で抑えつつ、軽く回転させていきます。
ねじの頭が締結物に当たって回転抵抗が増えるのを感じたら、すぐにねじ止めをやめます。
別のねじ穴でも締結を行う場合、同じ手法で一つずつ仮締めを行います。
この際、最初の一点の対角にあるねじを締め、次に移動してまた対角………と、遠い場所のねじに移動しつつ締めるのが一般的です。

全てのねじ穴に仮締めを行った後、本締めを行います。押し込み方向と回転方向の両方に力を掛け、45度程度さらに回転させます。
強く締めすぎるとねじ山の破損や被締結物の割れを招くため、適切な強さでの締め込みが必要になります。被締結物表面の歪みなどを見て調整してください。

セルフタッピング

下穴に合うサイズのねじを用意します。
下穴はだいたい、「ねじが完全に通り抜ける最小の穴」の直径の70%程度の直径になり、これにセルフタッピング(めねじの溝を切る)ねじを挿入することによりめねじを生成することができます。
下穴に垂直にねじを当て、強く押し込みながら正方向に回転させます。
ねじの頭が締結物に当たる直前で止め、別のねじを締結直前まで回していきます。
すべてのネジを仮締めしたら、それぞれのネジを被締結物に当たるまでゆっくり回していきます。
強く締めすぎると、被締結材のネジ部が舐めたり、ネジ頭がねじ切れる原因になるので、注意してください。。

特殊なネジ

皿ネジ(ネジ頭の被締結物と接触する側が円錐状になっているネジ)

比較的強度が高いネジです。下穴のフチに面取りを施すことで被締結物から飛び出さないようにする必要があります。

キャップボルト

六角形の穴が付いたボルトの一種です。ドライバーではなく六角レンチを使用して締結します。

安いドライバーの何が悪いのか

  • 単純に強度がない
    • 先端がグリップから外れたり、ねじれたりすることがある
    • グリップが割れる・溶けることがある
  • さびやすい
    • 錆は伝染し、ネジ側に移る
  • 稀に精度が劣るものが入っている
    • ネジ側を殺す可能性がある
    • 死んだネジを抽出してネジ側を復活させるには専用工具(エキストラクター)や力(ドリルによる破砕)と技術(別の材を利用した埋め立てやエンザートによる復旧)が必要
  • ちゃんとした構造になっていないものがある
    • 力を掛けるためにグリップを太くするべきところを、別のグリップを取り付けてL字にさせるなど
      • 小型化のためにグリップ取り付け型でもいいが、T字にするべき
  • 力が要る
    • いいドライバーなら、あまり押し込まなくても十字穴に噛みこんでしっかり回る
    • 精度が低いドライバーを回すと、十字穴の一部のみに当たって回るため、そこからネジが削れていく
    • 押し込む力でこれを無理やり補正できるが、いいことではない

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