ガジェットキットを頒布するときに気を付けること
自作キーボード向けですが、アケコンキットとか左手デバイスにも適用できると思います。
※同人系のやり方もあります
一番大事なこと
可能な限り後のサポートを行わずに済むことです。
つまり、説明書に明記された別購入品とキットの中身がすべて揃っていればそれ以外を必要とせずに制作が可能であり、同時にある程度のトラブルシューティングまで行えるのがいいでしょう。
自作キーボードにおいては、キットの部品がそろっていることと、ビルドガイドが充実していること、の2つが大きな要素として存在します。
確認事項
ビルドガイドの記述を確認する
実際に自分の書いたビルドガイドを読みながら処理してみるのが確認として有効です。
スイッチやネジの必要数、実際の組み立てに無理がないかなど、一つずつ確認していきます。
任意に購入して使用するパーツがある場合、ある程度の対応性を確認すると、のちのサポートを削減することができます(Ex.Pro Microに対するElite-CやKB2040の対応)
頒布価格の設定
だいたい原価(=基板やケース、パーツの価格(含送料)+梱包費)を2~3倍程度した数字を頒布価格にすると、販売時の送料、即売会の出展料や交通費などの経費もある程度賄える数字になります。
とはいえ、単なる目安ではあるため、例えばイベントでたくさん売れることが見込めるから少し安くする、恒常的に頒布するので少し高めにしておく、など、頒布の負担に合わせて調整しましょう。
サポート窓口の設定
Twitterのアカウント等への問い合わせを設定する場合が多いほか、Boothでの頒布であればメッセージ機能が使えます。
この部分は好みで大丈夫ですが、2か所以上へのアクセスが可能だとアカウント凍結などの際もサポートを継続できます。
小部品の梱包
梱包
ポリ袋などにまとめて投入するのが一番楽だと思います。
この際、シール付きOPP袋などだとネジが突き破ることがあるし、シールの隙間から漏れることもあるため、厚手のジッパーバッグの方が安全です。
また、部品の素材により小分けにした方が安全で(例えば、プラ製品はゴムに浸食されることがあります)、センサー類などの電子部品はESDバッグに入れるとより安全です。
数の確認は頑張って数えるか、ねじカウンターなどの器具を使うのが一般的です。
秤を使って最後に重量を確認すると確証も取れていいでしょう。
長さごとに分離するか、否か?
ネジやスペーサーの種類や長さごとに梱包を分けるか、という話がありますが、私の意見では、長さの違いがはっきりとわかる(1.5mmほど違うなら……)なら一包化してもいいと考えています。しかし、例えば3mmと3.5mmのスペーサーを使い分けるだとか、M2とM1.7のネジを両用しているという状態であれば、それぞれ分けておいてもいいと思います。
ただし、何も気にせず取り違えたまま使ってしまう人もいるにはいるので、あまり効果がないこともあることは留意しておきましょう。
余剰資材
ネジやスペーサーを少し多め(+2個程度)に入れておくと、エラー品が入っていた時やなくしたときのサポートが減る、数個程度入れ忘れたときでも問題なく作れる、などの利点があります。
ただし、頒布数が増えると当然余剰資材の量も増えていきます。
余剰の幅の大きさは購入のインセンティブに繋がりづらいので、頒布前の財力と相談、でもいいかもしれません。
逆にそこまでするなら舎などでスペーサーを買ってもらうでもいいですし、逆に入手性の良い資材は入れず、少数だけ使うものだけを入れるやり方もあります。
大部品の梱包
梱包にはいろいろと流派があると思いますが、かんたんな手法をいくつか紹介します。
梱包フィルム+エアクッション
伸縮性のあるフィルムで基板をまとめて包むやり方です。基板どうしのスレを抑えられるほか、安価に梱包できますが、耐衝撃性はないため、エアクッションや丸めた梱包紙で包むといいでしょう。
はがしづらいため、ハサミが必要になるという問題点があります。
コピー用紙+ジッパーバッグ
コピー用紙を板物の間に入れてスレを防止する手法です。ある程度面積のある薄板の梱包には最適で、これを大型のジッパーバッグ等に入れて綺麗にたたむと、輸送時のサイズを抑えることができます。
汎用ケース+専用クッション
安定的に入手できるプラケースを用意しておき、3Dプリンター等で内張りを作る手法です。
面倒ですが、高級感があります。
専用工具を同梱する場合、予備のネジを余らす場合では、ちゃんとしたケースを残した方がなくしづらいため、こちらが手段に入ります。
梱包資材の省略
クッション封筒などの資材を使うこともできますが、曲げ耐性があまりないことには注意しましょう。
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