AIが働き、私は温泉に入る。SDDとODDで変わった開発体験♨️
こんにちは。はたまさ(@hatamasa1988)です。
今年も気づけばアドベントカレンダーの季節ですね。
何も考えず反射的に参加しました。
今年最後のアドカレ執筆です!
今回は SDD(Spec Driven Development) で、
私が好きな ODD(温泉 Driven Development) にイノベーションが起きた話。
そしてそこから見えてきた AI時代の開発とエンジニアの前提がどう変わったか 感じたことについて書きます。
ここではSDDについての詳細は省かせていただき、その概念とSDDと人間の関わり方に主にフォーカスして書いています。
※この記事は『カンリー Advent Calendar 2025』の、12月22日分(22日目)の記事として執筆しています。
環境について
始まりは今年の7月でしたので世間は Claude 3.5 sonnet、ChatGPT 4o くらいの時期でしょうか。
詳細は割愛しますが、家庭内で利用するツールをAIコーディング実験ついでに開発することにしました。
仕事では ClaudeCode と Cursor をハイブリッドで使っていますが、プライベートでは Cursor に課金していました。明確な指示をする開発スタイルが好きなため、 Cursor のエディタと一体で軽量、サクサク動く体験が好きで個人では Cursor を今でも課金しています。
言語、フレームワークも VibeCoding で AI(壁打ちはChatGPT) に決めさせました。
- 個人開発である
- 個人と家庭の状況説明(重要)
- まずは個人利用優先
- ゆくゆくは公開できるようなバランスの良さ
- 運用でもリソースが最小で済む
- 作るサービスの特性
などを打ち込みゼロベースで決めさせたところ、フロントエンドは素の HTMLとjs 、バックエンドは Flask(Python) という、二度見してしまうような技術選定でしたが、ここは VideCoding なのでそのまま Approve しましたw
(フロントの前提は極端ですが、当初は API を叩くだけの簡易的なUIを想定していたためなのかなぁ)
Spec Driven Development と温泉は、驚くほど相性がいい
かなりの期間開発を進め、色々やりましたが、その内容はAppendixで後述します。
割と最近のある日、仕事終わりに
「今日なら温泉に行けるのでは?」
という奇跡のような時間が発生しました。
温泉に到着して、まずは温泉とサウナにじっくりと入ります。
その後、心身ともに綺麗になった後、ラウンジでビールを飲みながら、Spec Kit をインストールしました。
温泉特有の「今日はもう頑張らなくていい空気」と、
初めて触るおもちゃでワクワクが止まりません。
細かい実装は考えずに、「何を」「なぜ」やるかだけをまず書きます。
質問に回答していくうちに spec が完成し、それをレビューし修正を何度か繰り返します。
plan を実行した後にできる実装プランと一緒に想定時間が書いてありました。
・・・では、その45分、温泉に入らせていただこう。
AIが実装している間、人間は温泉に浸かる
実装はAIに任せ、私は温泉へ。
湯船につかりながら
「今この瞬間、裏でAIがコードを書いている」
温泉に入りながらこの事実を噛み締めます。
温泉から上がってスマホを見ると、
GitHub に PR ができていました。
しかも、ただの依頼ベースで書いた実装より、構造も意図も分かりやすいです。
普段であれば
「オレより優秀では?」
「これからエンジニアはどうなるのだろうか?」
という不安を抱くと思いますが、
サウナ → 露天風呂でととのったメンタルでは
そんなことは微塵も感じません。
ありがとう、温泉。
稼働していない時間の価値が変わった
この体験を通して
エンジニアの稼働の概念が壊れ始めている
ということを体感しました。
自分が働いていない間も、AIは止まらずに開発を進めるため、そこで重要なのは、
- 作るものの意図に沿った spec を書けるか
- AIが認識・実装しやすいコードベースであるか
- AIが動き続けられる環境を作れるか
つまり、稼働時間ではなく、稼働を設計する力 が価値になると言うことかと思います。
自分が稼働していない時間をどう、価値創出に変えられるかという観点でいうとマネジメントと全く同じではないでしょうか。
SDD でよりそれが現実味を帯びてきたと感じています。
AI時代は成果で評価しやすい
「エンジニアを成果主義で評価するのは難しい」
と、そんな note を過去に自分も書いたことがあります。
ただ、AIによって開発速度が上がると、
成果が出るまでの時間差がますます開きます。
- AIを走らせ、短期間で成果を出す人
- AIと噛み合わず、前に進まない人
AI時代は、成果主義の出方が明確になる と感じています。
温泉は、第二のローカル環境だ!
SDDとODDを体験して、
私のエンジニア観(そして温泉感も)は何段階もアップデートされたと感じます、
- 人間がAIが働きやすい環境を設計する
- AIが働く(その間に温泉で整う)
- 成果物をレビューする
そしてAIコーディングが進んだ日本では、温泉が第二のローカル環境になる日が必ずくると思っています。
温泉は、Dockerに次ぐ「開発環境としての発明」である。
一昔前にスーパー銭湯やサウナ施設に 仕事ができるラウンジやコワーキングスペースができ始め、コロナ過で一般的になったリモートワークがそれに拍車をかけました。
これからはAIがそれにさらなる拍車をかけます。
spec を書き、湯船につかりながら思考を巡らせ、上がったら PR ができている。
これはもう、多くの人が感じている
ODD(温泉 Driven Development)の第二フェーズ です。
あとはあなたも温泉に行き、specを書き、湯船に浸かるだけです♨️
Appendix:AI開発を振り返って
ここからは Appendix です。
温泉の話は一旦忘れてくださいw
下記は個人開発を振り返ってのVibeCodingへの所感です。
本記事を執筆するつもりではなかったため、計測されたデータや異常が現れた際のスクショなどで示せてないことを踏まえて読んでいただけますと幸いです。
AI時代は「負債が溜まる速度」が異常に速い
AI時代の開発は、とにかく速い。
コーディング速度が上がり、PRが量産されます。
一方で、
レビューで品質を担保する難易度は確実に上がっている
と感じています。
結果として、
技術的負債が溜まるスピードも異常に速い。
これは各所で言及されていますが実際に開発した上で実感しました。
VibeCodingで個人開発を始めた結果
個人開発しているプロダクトで、
「VibeCodingって実際成り立つのか?」
を実験的にやりました。
運用はかなり雑で、
- 実装はほぼAI任せ
- 一応レビューはする
- ただし致命的でなければ一旦マージ
AIなら後から一気に負債解消できるぜ!の仮説の元、一旦マージのハードルを普段の半分以下にしていたと思います。
初期は最高でした。
機能は増えるし、速度も爆速です。
異変と崩壊
爆速な開発速度も一瞬でした。
しばらくすると、
- 同じプロンプトで実装が終わらない
- 修正するたびに別の場所が壊れる
- AIのコード品質が明らかに落ちる
正確には、
コードベースの悪い構造がそのまま拡張され、AIが正しく理解できなくなった のかと思います。
開発速度が落ち、アーキテクチャリファクタへ
最終的に、
- 小さな変更が重い
- 説明コストが高い
- 開発速度が明確に落ちる
これは負債だと認識しました。
負債とは資産の対になる物で、開発における生産性を落とすものと定義すると、負債そのものでした。
結局、
アーキテクチャレベルのリファクタ
を行う決断を自らしました。
アーキテクチャをドキュメントに起こして参照(cursor project rulesに設定)させても、元のコードをベースとして負債を増やすコードが量産されました。
ClaudeCodeならどうだったかなーとか思いますので今度はClaudeCodeを個人課金して実験しようと思います。
さいごに: AI時代に必要な前提
この経験から確信したのは下記のようなことです。
- 初期アーキテクチャと設計の重要性
- リファクタを定常業務として織り込む必要性
- 「何が負債か」明確にすること
AI時代では、何も意識しなければ負債が猛スピードで溜まります。
だからこそ、速さに耐えられる設計とテックマネジメント能力が必要になるのではないかと考えます。
ただ一番確信したことは SDDの価値はやはり Spec である ということです。
(当たり前かもしれませんがw)
SDD はめんどくさいドキュメンテーションをAIの力で加速させたのがイノベーションであると私は感じています。
ドキュメンテーションはそれを書く人間の能力に依存するところが大きいです。
SDD でしたらそこをAIの力で、AIに適切なドキュメントテーションをしてくれるので、結果AIコーディングの速度も品質も向上するのだと私は感じています。
今後カンリーでは SDD、AI-DLC の取り組みを加速していきます。
気になる方は このテックブログ(や私の X)を要チェックです!
ではでは、皆様本年は大変お世話になりました!
また来年もよろしくお願いいたします!
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