mem9でClaude Codeにセッションを越える永続メモリを持たせる
はじめに
Claude Codeはセッション情報を保持しますが、その「記憶」は基本的にローカルのファイル(CLAUDE.md やメモリディレクトリ)に依存します。複数マシンを使っていたり、長期間にわたるプロジェクトの文脈を保ちたい場合、.claudeごとコピーしたりすることになります。それでもまあ実用上困らないことは多いのですが、アプリケーションと同様に、データベースに保存してみるというのはどうでしょう?
筆者が所属するPingCAPは、TiDBというデータベースを開発している会社です。AIのワークロードに早くから注目し、ベクトル機能やハイブリッド検索などを提供していますが、その中で顧客から出てきた要望が、AIエージェントに記憶を持たせたいというものでした。
これに答える形で開発したのが、本記事で紹介する mem9です。mem9は、Claude Codeなどのエージェントにセッションやマシンをまたいだ永続的なクラウドメモリを付与するプラグインです。mem9はClaude Codeのフックを利用して、セッション情報をクラウドデータベース(TiDB Cloud)に保存し、セッションはもちろん、マシンを越えて同じ文脈を保持できるようにします。
この記事では、mem9 を Claude Code で使えるようにするセットアップ手順と、実際の使い方を紹介します。
mem9とは
mem9 は、AI エージェント向けの永続クラウドメモリサービスです。OpenClaw/Claude Code/Codex/Open Code/Dify/Hermes Agentなどに対応し、主な特徴は以下のとおりです。
- セッションを越えた記憶: Agentのセッションを跨いで文脈が保持される
- マシンを越えた共有: 別の端末からでも同じメモリにアクセスできる
-
クラウド管理: メモリはローカルファイルではなく mem9 のクラウド(
https://api.mem9.ai経由)に保存される - 会話履歴のインポート: 既存の会話履歴を手動で取り込める(自動スキャンはしない設計)
ローカルの CLAUDE.md が「リポジトリに紐づく知識」であるのに対し、mem9 は「個人/エージェントに紐づく長期記憶」を担う、という棲み分けで考えると分かりやすいです。また、セッション情報を元に分析ダッシュボードを作る機能なども提供されています。
では、実際にClaude Codeにmem9をセットアップしてみましょう。
セットアップ
mem9はプラグインとして提供されており、Claude Codeのプラグインシステムを通じてインストールします。
Claude Codeを起動して、下記のコマンドを入力して、mem9プラグインをインストールします。
claude plugin marketplace add mem9-ai/mem9
claude plugin install mem9@mem9
インストール後、/reload-plugins コマンドでプラグインをリロードします。
プラグインをインストールすると、mem9の初期化も同時に行われ、個人の保存領域も初期化されます。設定情報は、~/.claude/plugins/data/mem9-mem9/auth.jsonに保存されます。
このファイルは下記のようになっています。API KEY の部分が重要です。これはクレデンシャルなので、絶対に外部に公開しないようにしてください。
{
"base_url": "https://api.mem9.ai",
"api_key": "<API KEY: 絶対に共有しないでください>",
"created_at": "2026-04-10T00:00:00.000Z",
"source": "auto_provisioned"
}
使い方
セットアップが完了すれば、特別なコマンドを意識せずに利用できます。Claude Codeのフックを利用して、セッション情報をmem9のクラウドに保存する形で動作します。また、ユーザーが何か指示を行う際に、過去の履歴から関係する情報をmem9から検索して、コンテキストに追加します。
基本的にフックを利用して自動でコンテキストに差し込まれるため、能動的にmem9を操作する必要はありませんが、Claudeにmem9に情報を覚えさせたり、検索させたりすることも可能です。例えば、下記のようなプロンプトでmem9の情報を検索させることもできます。
❯ mem9から、過去どんな記事の作成をclaudeに頼んだか思い出してくれる?
...
⏺ mem9 プラグインが入っているので、クラウドメモリに直接問い合わせて「過去にどんな記事作成を頼まれたか」を検索します。
...
過去の記事作成依頼(mem9 より)
┌────────────┬──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────┐
│ 日付 │ 依頼内容 │
├────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────┤
│ 2026-04-24 │ 5月のTiDB関連イベントのドラフト作成 │
├────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────┤
│ 2026-05-01 │ TiDB Weekly ドラフト(5月1日号)の作成 │
├────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────┤
│ 2026-05-08 │ TiDB Weekly ドラフト(5月第1週)の作成 │
├────────────┼──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────┤
│ 2026-05-15 │ TiDB Weekly ドラフト(5月15日号)の作成 │
└────────────┴──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────┘
他のマシンでの利用
他のマシン(や、コンテナ上のClaude Code等)で同じmem9の記憶を利用したい場合は、同様にmem9プラグインをインストールして、同じAPIキーを設定すればOKです。
プラグインのインストールまでは同じで、プラグインインストール後に~/.claude/plugins/data/mem9-mem9/auth.jsonのapi_keyを、最初のマシンで使っているものと同じに書き換えます。これで、同じmem9の記憶を複数マシンで共有できます。
これは特にエージェントをサービスとして動かす場合などに便利でしょう。サーバレスサンドボックスでハーネスを実行しつつ、mem9で記憶を管理する、という形も考えられます。
複数エージェントでのメモリの共有
他のコーディングエージェント(例えばCodex)でも同じmem9の記憶を共有することができます。Claude Codeと同様に、Codex側でもmem9プラグインをインストールして、同じAPIキーを設定すればOKです。
実際に複数のコーディングエージェントを使って共有のコンテキストを使うケースはあまりないかもしれませんが、筆者はClaude Codeをオーガナイザーとして利用し、Codexに一部のサブタスクを実行させる(例えばE2Eテストの実行など)という時に利用したりしています。このあたりは今後メモリの活用が進んでいく中で、ユースケースが出てくるかもしれません。
セッション情報の分析
mem9のYour Memoryでは、保存されたセッション情報の検索や、タグクラウドなどの分析を提供しています。APIキーを入力して、自分のセッション情報を確認できます。

おわりに
mem9は、ローカル保存のセッションファイルに変わる、セッション・マシンを越えた永続的なクラウドメモリを提供するプラグインです。エージェントのメモリ機能は今後ますます重要になっていくと思わるため、mem9のようなツールがどのように活用されていくのか、是非今後も注目してください。
また、エージェントは知識をファイルの形で共有することが多いですが、このようなファイルをクラウドに保存し、マウントすることができるサービスdrive9も提供しています。次回はこちらについて説明する予定です。ご期待ください。
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