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自分を知ることで変わるエンジニア業務の進め方:ストレングスファインダーで気づいたこと

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はじめに

長いものでエンジニア歴8年目に突入しました。

その中でエンジニアとしてこれからもやっていけるのか?と強く不安に感じていた時期があり、
仕事に対して、最初は「自分には向いていないのでは?」と感じることが多く、何度も「他に自分に合った仕事はないのか?」と悩んだ時期もあり、正直、やめた方がいいのではないかと思うことも度々ありました。

しかし、今はむしろ「エンジニアとして向いているかもしれない」と思えています。

そのきっかけをくれたのが今回ご紹介する、ストレングスファインダーとの出会いでした。

本記事では、そんな自分の変化の過程をお話しし、もし同じように悩んでいる方がいれば少しでも参考になるものがあれば嬉しいです。

悩み・弱点

ここ数年、「どうすればもっと成長できるか」と模索しながら働くなかで、ずっと自分の中に引っかかっていた弱点のようなものが、次第に強く意識されるようになっていました。

  • 手が遅い
    • タスクの進捗が遅く、「まだそこまでしか終わっていないの?」といった反応をもらうことがあった。
    • 業務の優先順位付けや見積もりが苦手で、時間がかかる傾向があった。
  • 考えすぎ・ミスを恐れて動けないことがある
    • ミスや不備を恐れるあまり、必要以上にリスクを考えすぎて、最初の一歩を踏み出すのに時間がかかっていた。
    • 実際にやってみれば大丈夫なことでも、「間違っていたらどうしよう」と思考が止まってしまうことがあった。
  • 言われたことや仕様をすぐに理解できない
    • 話を聞きながらメモをとっても、頭の中で構造や動きをうまくイメージできず、理解が追いつかないことが多くあった。
    • 聞いた直後はわかったつもりでも、あとから実装しようとすると迷子になることがよくあった。

こうした悩みを相談することもありましたが、返ってくるアドバイスは「逐一報告すること」「〇分経ってわからなければすぐ聞くこと」など、対症療法的なものがほとんどでした。

業務自体は多少回るようにはなっていきましたが、根本的な問題が解消されたわけではなく、自分の弱点が足を引っ張っていることには変わりありません。末期では「自分の頭が悪いせいだ...」と本気で落ち込むことも多かったです。

ストレングスファインダーとの出会い

とにかく弱点を克服しようと、今流行りのMBTIや、無料の自己診断ツール、しまいには占い的なものまで、いろいろ試しては「根本原因」を探ろうとしていました。

そんな中、SESとして参加していた現場で、チームマネジメントの一環として、全員でストレングスファインダーを受ける機会がありました。

後述しますが、ストレングスファインダーは「自分の強みを知る」ことに特化した診断テストです。

これまで弱みにばかり目を向けてきた自分にとっては新鮮に感じ、興味本位で受けてみることにしました。

ストレングスファインダーとは

Gallup社が開発した「才能・資質」に関する自己診断テストです。

https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/254039/strengthsfinder.aspx

40, 50分かかるテストを行うことで、人の強みを34の資質に分類し、自分にどんな特性があるかを客観的に把握できます。

「弱点を直す」ではなく、「強みを活かす」ためのアプローチが特徴で、レポートも充実しています。

(最低$24.99~とお値段少し高めです)

ストレングスファインダーで見えた自分の資質

上位5資質

1位が「回復志向」だった意外さ

やってみてまず驚いたのが、1位が「回復志向(Restorative)」だったことです。

昔から勉強、テスト、なぞなぞや謎解き系の問題を解くことがあまり好きと言えるものではなかったので、「???」状態でした。

強力な「回復志向」の才能を持つ人は、問題を解決するのが好きです。新たな困難に遭遇するとうろたえる人もいますが、「回復志向」の持ち主はそれを力に変えます。状況を分析し、何が悪いのかを突き止め、解決策を見つけ出すという挑戦を楽しみます。彼らは問題を修正したり、活気を取り戻したりすることによって、物事を正常化させることを好みます。つまり、彼らは問題が発生しているときに勇気と創造力をもたらすのです。

ただ、振り返ってみるとエラー調査や原因分析は嫌いではなく、むしろやりがいを感じる場面も多くありました。

この結果をきっかけに、「問題対応力がある自分」に自信が持てるようになり、トラブル対応にも以前より積極的に関わるようになりました。

これはエンジニアとしての強みになると実感しています。

「慎重さ」は弱点ではなかった

もっとも衝撃を受けたのが、「慎重さ(Deliberative)」 という資質でした。

強力な「慎重さ」の才能を持つ人は、用心深く、決して油断しません。すべてが秩序正しいように見えても、表面下には数多くの危険が待ちかまえていることを感じ取っています。彼らはこれらの危険を回避するのではなく、一つひとつを表面に引き出します。そうして、危険はひとつずつ特定され、評価され、最終的に減っていきます。いうなれば、「慎重さ」の才能が強い人は徹底的で注意深いアプローチで物事を決定します。
さまざまなオプションを検討し、それぞれの選択肢の良い点と悪い点を評価します。彼らにとって、正しい選択をすることは、そのためにかかる時間よりも重要なのです。人生は地雷原を歩くようなものだと彼らは考えています。他の人は用心せずにこの地雷原を駆け抜けることを選択するかもしれません。しかし、彼らは違う方法をとります。彼らは危険を明確にし、その危険が及ぼす影響を推し量り、それから慎重に一歩ずつ踏み出します。細心の注意を払って進むのです。

以前の私は……

  • 「考えすぎて動けない」
  • 「手が遅い」
  • 「スピード感がない」

こういった特徴を自分の弱点だと思っていました。

でも実際には、それは「リスクをよく考え、確実に進めようとする」慎重さという資質だったのです。
そのことに気づいたとき、まるで霧が晴れたような気分でした。

(余談ですが、"人生は地雷原を歩くようなもの"という表現とてもわかる笑)

気づいたことと改善

慎重に進めることは悪いことではない

リスクを見越して慎重に進めることは、決して悪いことではない(ケースバイケースではありますが)。
ただし、考える時間が必要であることを事前に伝えないと誤解されることがあると気づきました。

そのため、今はある程度時間がかかりそうな場面や速度が求められる場面では、
「慎重に検討したいので、少しお時間をください」
このような一言を伝えることで、結果として「遅い人」と誤解されることが減り、自分のペースで進めやすくなりました。

「すぐに理解できない」ことへの気づき

また、すぐに理解できない自分を「ダメだ」と感じていたのは、実は 「早く理解しないといけない」と焦っていたから だと気づきました。

自分のペースを受け入れてからは、焦らずにじっくり向き合うことで、認識のズレやすれ違いも明らかに減りました。

このおかげで、周囲とのコミュニケーションがスムーズになったと感じています。

業務や役割の向き不向き

ストレングスファインダーは「自分の強み」を知るための自己診断テストで、高額プランでは34の資質順位を確認できます。私の下位資質については省略しますが、AIを活用することでエンジニアとしての業務への取り組み方の参考にすることも可能です。

向いている仕事

  • 障害・エラー調査などの問題解決
  • 設計・技術検討など、構造的に考えるタスク
  • チームメンバーごとの特性に合わせたサポートや調整役
  • アイデアを出したり、既存の仕組みを改善する仕事

苦手に感じやすい仕事(今は工夫しながら取り組んでいます)

  • スピードが重視される開発
  • 新しい人との関係構築(特に最初の一歩)
  • 自分が率先してモチベーションを鼓舞するような役割
  • 数値目標や競争を原動力にするスタイルの仕事

おわりに

自分の弱みだと思っていたものが、見方を変えることで強みにもなり得る——そんな気づきをくれたストレングスファインダーとの出会いは、今でも自分の働き方や考え方に大きく影響を与えています。

今は自身の強みだけではなく、弱い部分にも焦点をあてどう業務に活かせるかも模索中です。

ここまで読んでくださった方に、何かヒントになる部分があれば嬉しいです。

長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

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