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【2025年版】海外からオンライン受験!AWS SAAをChatGPTを駆使して1か月で合格した話

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先日AWS Certified Solutions Architect - Associate(SAA-C03)を受けて合格したので、その時を振り返ってみようかと思います。

受験前のスペック

私は現在、カナダ・カルガリーで働いている新卒2年目のフロントエンドエンジニアです。本業ではAWSを触る機会はほとんどなく、副業でもAmplifyを使ってウェブサイトを公開する程度でした。

「サーバーレスってなに?」「EC2とECSって同じサービスでしょ?」

そのくらいのレベル感で、もちろんAWS Cloud Practitioner(CLF)などのAWS資格も一切持っていませんでした。

試験を受けるきっかけ

試験に挑戦しようと思ったきっかけは、ポートフォリオとしての意味合いが強かったです。

現在ではVibe Codingを使ってアプリやインフラを一通り作れるようになってきました。ただアプリをリリースしたりGitHubにコミットを積み上げたりするだけでは、エンジニアとしての能力を客観的に示すのは難しいと感じていました。だからこそ「資格」という形でスキルを証明できるのは価値があると感じました。

ちょうどその頃、AWS認定資格をすべて取得した友人から「SAAはシステムデザインの勉強にもなるからおすすめ」と言われたこともあり、受験を決めました。

カナダからの受験になるので試試験会場での問題は英語です。ただ、母国語である日本語で学習・受験したい気持ちも強く、オンライン受験を選びました。

ちなみに友人からオンラインは準備が大変だからやめとけと言われましたが、そこまで大変ではなく、ネット環境が整っていれば安心して受けられるのでおすすめです。

勉強前にやったこと

まずはAWS公式のSAA試験ガイドを一通り読み、その時点で1か月後に試験を予約しました。日程を先に決めてしまうことで、勉強のモチベーションにつながると思ったからです。

次に、その試験ガイドをChatGPTにアップロードし、試験日までの学習計画を立てました。試験日は2025年の9月21日にしたので、逆算して「どの日に何を学習するか」を具体的に整理し、それをカレンダー形式(.icsファイル)で出力してGoogleカレンダーに読み込みました。

とはいえ、最後の2週間はカレンダーをあまり使わず、ひたすら「Well-Architected Framework」を解くことに集中していました。

勉強方針が決まったあとは

勉強スケジュールを立てたあとは、実際に使う教材を探しました。友人いわく「Ping-tの問題集が一番学びやすい」とのことだったので、迷わずこれに決定。結果から言えばこれが今回の試験のMVPでした。

Ping-tはただ問題を解くだけでなく、各サービスについて丁寧な解説がついているので、理解しながら学習を進められるのが魅力でした。

解説の例

ただし無料版だと、特定のサービスの問題だけを選んで解くことができないため、スケジュール通りに進めるのが難しいので、思い切ってプレミアムプランに課金しました。

1か月2,640円と、Udemyよりも安め。感覚的には「本を1冊買うくらい」のコスト感で、問題集と教材を同時に購入できるのでかなりお得だと思います。

勉強時間の確保

私はカナダでの本業に加え、日本で副業を2つ抱えていたので、朝から晩まで勉強に専念することはできませんでした。もちろん隙間時間にフラッシュカードを使って学習することはできますが、腰を据えて取り組めるのは朝7時〜8時 と 夜21時〜22時の2回だけ。

そのため、平日は1日およそ2時間、休日は4時間ほどを勉強にあてるペースで進めました。

最初の2週間

この時期は、Ping-tのサービス別問題を中心に進めました。初めて出会うサービスや内容については、まず解説を読み込み、Notionにノートを取るスタイルです。

最初の頃は本当にすべてが初見だったので、問題を解くよりもノート作成に時間を使い、後から改めて解き直しました。

実際に作成したノート

また、最初の数日はYouTubeなどの教材も試してみましたが、正直なところPing-tの解説のほうが圧倒的に理解しやすかったので、最終的にはPing-t一本で学習を完結させることにしました。

もちろん、実際にAWSを触って構築していたわけではないので、解説を読んでも「結局これって何をするサービスなんだろう?」とピンとこないものも多くありました。

**そういうときはChatGPTを活用しました。**わからないサービス名を入力して「実際のユースケースを具体的に教えて」と聞くと、使われ方やイメージがすぐに掴めます。

サービス名を見ただけでユースケースが自然と思い浮かぶようになるまで繰り返し確認したので、理解の定着が速く、ChatGPTは必要なときに必要な部分だけをかみ砕いて教えてくれるので、効率よく学習を進められました。

最後の2週間

直前期の2週間は、とにかく**「Well-Architected Framework」**を解きまくりました。

初めて問題を見たときはかなり焦ったのを覚えています。個別サービスの問題集とは内容がガラッと変わり、「あれ、これまでの勉強と全然違うぞ?」という印象でした。

というのも、「Well-Architected Framework」は単なるサービスの知識ではなく、サービス間の違いや使い分け にフォーカスした問題が多いからです。

例えばAWSにはデータ転送系のサービスがいくつかありますが、問題では「どの場面でどのサービスを使うのがベストプラクティスなのか」を問われます。こうした問題を解きながら、実際の設計での判断基準を学んでいきました。

この時期からは新しくNotionにノートを作成し、よく問われるサービス同士の違いをまとめていきました。試験本番に向けて「どのケースでどのサービスを選ぶか」を整理する作業が、理解を一気に深めてくれたと思います。

試験用ノートの一部

試験3日前:模擬試験に挑戦

試験の3日前あたりで「Well-Architected Framework」を8割ほど解き終えたので、仕上げとして模擬試験に取り組むことにしました。

Ping-tの模擬試験は制限時間130分・65問という本番さながらの内容です。ただ、毎日フルで130分を確保するのは正直きついので、1日1回だけ受験 → 間違った問題をノートにまとめる → 翌朝に見直すというサイクルにしました。こちらのほうが時間的にも負担が少なく、効率的に弱点をつぶせたと思います。この時点で正答率は8割弱だったかと思います。

試験前日

最初に書いたとおり、今回はオンライン受験を選んだので、前日には受験環境のチェックをしました。

AWS認定試験ではOnVUEというアプリを使って受験します。当日慌てないように、事前にアプリをインストールし、自分のPCやネットワーク環境で問題なく動作するかをテストしました。

OnVUEを使う際にはアクセスコードが必要ですが、テスト用のアクセスコードを発行して入力することで、実際の受験と同じ流れをシミュレーションできます。

なお、OnVUEの導入方法や利用手順は「AWS Certification Account」のダッシュボードから確認可能です。

AWS Certification Accountページ

それと前日には受験環境を整えるため、部屋の片付けも徹底しました。

私は自室で受験することにしたので、試験官から「余計なものが映っている」と指摘されないよう、モニターはすべて取り外し、テレビには布をかけ、机の上は PCと充電器だけを置ける状態にしました。

試験当日

当日になって知ったのですが、透明な容器に入った水なら机に置けることが判明。
開始直前に慌てて水を準備し、試験中はそれをがぶ飲みしていました(恐らく試験管にこいつ水めっちゃ飲むなと思われてたと思います…)

試験開始時間になり、「AWS Certification Account」をリロードすると、新しいアクセスコードが発行されていました。それをOnVUEに入力すると、携帯にURLが送られてきて「部屋や身分証の写真を撮れ」と指示が。

言われたとおりに部屋・顔・パスポートを撮影すると、画面がチャットに切り替わり、試験官から日本語でメッセージが届きました。おそらく機械翻訳を使っていたので、海外の試験官だったのだと思います。

続いてカメラチェック。まず「グッドポーズをして」と言われたので笑顔でグッドポーズ、その後「PCを持ち上げて部屋を一周見せて」と指示されました。

素直に従ったのですが、ここでトラブル。ベッドの上に置いていたダンベルを指摘され、「座ったまま手が届くか確認して」と言われてしまいました。

試験中にダンベル持ち上げてどうするねんと思いつつ、腕を伸ばして届かないことを証明しました。ここまででだいたい20分。ようやくチェックが終わり、同意書にサインして試験がスタートしました。

試験中の様子

他の体験談でも書かれていましたが、出題される内容はPing-tの 「Well-Architected Framework」 に近い問題が多く、難易度は「簡単すぎず、難しすぎず」といった印象でした。

一方で、問題文は明らかに生成AIによる自動翻訳っぽい箇所もあり、主語が曖昧だったり「何を言いたいんだ」と思うものも数問ありました。そのときはすぐに 英語表示に切り替えて読み直す ようにしました。

また、役立ったのが Flag機能。3回読んでも答えが浮かばない問題は一旦飛ばし、最後の見直しで再挑戦しました。特に試験序盤は頭のエンジンがかかり切っていなかったので、この機能にかなり助けられました。

結果は

無事に合格し、スコアは 800/1000点。合格ラインが720点なので、少し余裕を持って合格できたかなと思います。

おわりに

個人開発ではVPCやEC2などを触る機会はあまりありませんが、今回の学習を通して、各サービスの違いやユースケースを知識として落とし込むことができました。

勉強方法としてはPing-t一本で押し切りましたが、UdemyやYouTubeを併用すれば、より深くサービスを理解できると思います。

実際、試験後に副業先の先輩エンジニアとAWSの話をしたところ、圧倒的な知識の差を痛感しました。やはり本当に現場で役立つ知識を身につけるには、手を動かして学ぶことが一番だと実感しています。

ちなみに今は趣味でiOSで学習系アプリを開発しているので、次はそのアプリを活用しながら上位試験(SAPなど)に挑戦してみようかなと思っています。

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