Pencilが10万ユーザー突破、複数AIエージェントが並列で動くSWARMモードを発表
10万ユーザー突破とSWARMモード
IDEに統合できるAIネイティブなデザインツールPencilが、10万ユーザーを突破しました。創業者のTom Krcha氏がXで発表し、同時に新機能SWARMモードをお披露目しています。
SWARMモードは、複数のAIデザインエージェントがチームとして並列に動く機能です。公式では "Your autonomous design agency" と銘打たれていて、直訳すると「あなただけの自律型デザインエージェンシー」。なかなか大胆なキャッチコピーですね。
PencilはもともとClaude CodeなどのAIエージェントがMCP経由でキャンバスを直接操作できる設計でした。SWARMモードはこの仕組みをさらに押し広げ、複数のエージェントが同時に異なる画面のデザインを進められるようにしたものです。ホームページ、プロフィール画面、設定画面を同時並行で生成する、といった使い方が想定されています。
最近のアップデートまとめ
SWARMモードと合わせて、最近出荷されたアップデートの量がすごいです。主要なものとそれ以外に分けて整理してみます。
主要アップデート
- Codex対応。OpenAIのCodexエージェントがPencilのキャンバス上で動くようになった
- Windowsアプリ。以前はmacOSとLinuxのみだったが、ついにWindows版が登場
- マルチウィンドウ対応。複数のデザインを別ウィンドウで同時に開ける
- カスタムフォント。好みのフォントをデザインへ適用できるようになった
- PDFエクスポート。デザインをPDFとして書き出せる
パフォーマンスと操作性の改善
大きなファイルを扱うときのパフォーマンスが大幅に改善されています。コピー&ペーストのロジックも刷新され、ペースト先が階層内の正しい位置へ配置されるようになりました。
新たに追加されたUltralightモードもおもしろいです。UIをすべて非表示にしてデザインだけに集中できるモードで、エージェントが自動で動いているときも操作パネルが邪魔になりません。
AI連携の拡大
AI連携の幅が一気に広がりました。
- VSCode Copilot対応
- OpenCode CLI対応
- Gemini CLI対応
- Kiro CLI対応
- Antigravity Gemini対応
- Opus 4.6、Sonnet 4.6対応
Claude Code以外のAIツールからもPencilを操作できるようになっていて、特定のプラットフォームに縛られない方向へ進んでいます。デスクトップ版Claude AgentではAWS BedrockやVertex AIなどサードパーティのログインにも対応しました。
国際化とフォーマット対応
IMEのサポートが入り、日本語・中国語・韓国語の入力ができるようになりました。日本語でデザイン作業をするエンジニアにとって、地味ですが嬉しい改善ですね。
レイヤー単位でJPG、PNG、WebP形式へのエクスポートにも対応しています。
デザイン機能の追加
楕円にstartAngle、sweetAngle、innerRadiusプロパティが追加され、円グラフやドーナツチャート、円弧を描けるようになりました。ダッシュボード系のUIをデザインするときに便利です。
ドキュメント間でノードをペーストするときにスロットが保持される機能や、SVGをキャンバスへ直接ペーストできる機能も入っています。Variablesのチェーンも導入されました。変数を連鎖的に参照できる仕組みです。
ドキュメント整備
Pencilの公式ドキュメントと.penファイルフォーマットの仕様書が公開されました。.penはJSON形式のテキストファイルなので、仕様が出たことで外部ツールとの連携やカスタム処理を組みやすくなります。
そのほかの改善
- チャットへのファイルペースト
- Prompt Galleryの追加
- Claude/CodexのAPIキー直接入力
- Linux ARM版のビルドとMCP対応
前回の記事からの変化
筆者は以前、新デザインツールPencilはなぜエンジニアに刺さるのかという記事を書きました。そのとき課題として挙げていた「Windowsネイティブアプリ未提供」と「Claude Codeへの依存度の高さ」、どちらも解消に向かっています。
Windows版は正式にリリースされ、Codex、Gemini CLI、VSCode Copilot、Kiro CLIなど多数のAIツールへの対応が進みました。特定のAIプラットフォームに依存しないオープンな方向へ舵を切っているのがわかります。
SWARMモードが示す方向性
SWARMモードの登場は、デザインツールの使われ方そのものが変わりつつあることを感じさせます。
従来のデザインツールは、人間が1画面ずつ手で作る前提でした。PencilはまずAIエージェントが1画面を作る段階を経て、今回の複数エージェントが並列で複数画面を同時に作る段階へ進んだわけです。ユーザーの役割が、手を動かすデザイナーからAIチームへ指示を出すディレクターに変わりつつあるんですね。
10万ユーザーという数字は、この方向性に手応えを感じている人が着実に増えている証拠でしょう。気になった方は公式サイトからぜひ試してみてください。
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