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【8th長崎QDG】参加レポ

2025/02/16に公開

初めに

こちらの記事は2025年2月7日に行われた8th長崎QDGに同僚に誘われて参加してきたレポート(もしくはメモ)になります。

8th長崎QDGの概要

https://nagasaki-it-engineers.connpass.com/event/316177/

開催日時・場所
日時: 2025年2月7日(金)10:00~18:30
会場: DEJIMAメッセ長崎(長崎市尾上町4-1)※オンサイト開催
主催・参加費
主催: 長崎IT技術者会 および 8th長崎QDG実行委員会
参加費: 一般 8,800円、学生 1,100円(※社会人学生は対象外)
イベント概要
本イベントはNaITEによる長崎市内で年に一度開催されるフラッグシップイベントで、今回は「品質・テスト」がテーマです。

セッション内容(一部今回のメモしている内容の抜粋):
• 事業継続を支える自動テストの考え方: 末村 拓也 (Autify, Inc.)
• テストアーキテクチャ設計で実現する高品質で高スピードな開発の実践: 苅田 蓮 (フリー株式会社)
• ビジネスと現場活動をつなぐソフトウェアエンジニアリング ~とあるスタートアッププロダクトの成長記録より~: 水野 昇幸 (システムエンジニアリング)
• 社内有識者観点を用いたソースコードレビュー自動化の取り組み: 武次 恭平 (京セラコミュニケーションシステム株式会社)
• ゆもつよがこの30年間自ら経験してきたQA、テストの歴史と未来: 湯本 剛 (フリー株式会社、株式会社ytte Lab.)

スペシャルセッション:事業継続を支える自動テストの考え方

末村拓也氏(Autify, Inc.)によるセッション。

一旦ChatGPTと壁打ちしつつ、まとめると以下のような内容。
• ソフトウェアは事業の変化に合わせて拡大・複雑化するため、実際の使われ方(=契約)を具体的に示す自動テストが、品質や安全性を担保する「生きたドキュメント」として不可欠である。
• 自動テストは、プロバイダー(機能や関数)とコンシューマー(ユーザーや関数の呼び出し元)のやりとりを明示し、ソフトウェアのリファクタリングや分割統治といった手法を支援することで、変化に柔軟に対応し続けるためのエンジニアの知恵である。
• 結果として、テストは単なる不具合検出に留まらず、事業・アプリケーション・テストが一体となって進化する仕組みを実現する重要な技術と位置付けられています。

聞いた感想ですが、スライドも自分のようなテスト初心者でも限りなくわかりやすいような表現を用いられているのと、末村さん自身が面白い方で眠かった頭でもスッと入ってきました。

技術・事例・研究セッション:テストアーキテクチャ設計で実現する高品質で高スピードな開発の実践

苅田蓮氏(フリー株式会社)によるセッション。

セッション1同様にまとめると以下のような内容...
• 論理的機能構造を使ってシステムの機能リストを作成し、各機能をテストケースとして抽出する。
• テストケースを「重篤度」(Critical~Minor)で評価し、ユーザーに影響の大きい問題を重点的に検知できるテストスイートを構築する。(この評価自体は関係者で話し合って決めている。)
• テストの実行コストや実施方法に応じて「テストサイズ」(Small~Large)を分類し、リグレッションテスト全体の最適化を図る。
• このアプローチの組み合わせで、CIパイプラインでのテスト実行時間を大幅に削減し、リリースサイクルを短縮しながらも高い品質を維持できた

こちらはどちらかというと事例紹介なため、かなり実践的な内容に思えた。
テストはシステムが複雑な場合は、網羅的にはコスト的に不可能ということから考えても合理的な方法に思える。

スペシャルセッション:ビジネスと現場活動をつなぐソフトウェアエンジニアリング ~とあるスタートアッププロダクトの成長記録より~

水野昇幸氏(フリーのシステムエンジニア)によるセッション。

内容のまとめ...
• 初期フェーズでは、素早くアイデアを試すためにバグは許容され、ペーパープロトや手動テストを使って迅速なスクラッチ&ビルドが行われるが、顧客獲得後は品質や安定性が求められるようになる。
• プロセス改善、テスト環境の整備、監視システムの導入、ツール活用や自動化といった段階的な取り組みによって、リリース頻度の向上と品質確保を実現し、最終的にビジネス成長と顧客満足を目指している。
• 内部の改善活動(プロセス、ツール、監視、テスト自動化など)が、現場の生産性向上や、ES(従業員満足)からCS(顧客満足)へと連鎖し、全体としてより高品質なソフトウェア開発につながる

勝手ながらバグが許容されて、お客さんがついたあたりでそこら辺が問題になってくという話にかなり共感を持った...
ただこの話では自社サービスとしてやっているから改善活動が行えているが、受託の場合はR&D的なプロジェクトだとしても最初からテストを入れか、それともそこら辺含めて説明して納得の上で作業するしかないんだろうな。
あとオフレコの話が多めでこれはある意味この長崎という開催地ならではの強みを感じた。

技術・事例・研究セッション:社内有識者観点を用いたソースコードレビュー自動化の取り組み

探したがスライドが見当たらなかった。

武次恭平氏(京セラコミュニケーションシステム株式会社)によるセッション。

内容のまとめ...
• サイクロマティック複雑度、認知的複雑度、保守容易性指数、コードクローンなど、145項目のルールを策定し、プルリクエストごとに静的解析を実施することで、コードの品質と複雑さを数値化する。
• 有識者のレビュー観点やコーディング規約のフィードバックを取り入れ、暗黙知を明文化することで、全体のレビュー品質を均一化し、待ち時間の短縮にもつなげる。
• 解析結果をもとに、AIが自動で修正提案やPRの要約を行い、レビュアーの対応時間を大幅に削減(約100時間程度)する仕組みを導入する。

静的解析を用いたコードレビューから始まり、そこから内部メンバーの意見を反映させてAIの自動修正提案やRP要約なども取り入れていて、開発する際のチェック体制のコスト削減に力を入れてきたんだなぁという印象をもった。

スペシャルセッション:ゆもつよがこの30年間自ら経験してきたQA、テストの歴史と未来

湯本剛氏(フリー株式会社、株式会社ytte Lab.)によるセッション。

内容のまとめ...
• 初期は手書きのバグレポートや暗黙のテストケース作成など、試行錯誤の現場から始まり、製造業のQC活動がその背景にあった。
• ISO9001やCMMなど国際基準の導入、そしてISTQBなど資格制度の普及(日本だとJSTQB)により、日本でもテストの体系化とプロセス改善が進んだ。
• 外資系企業の進出やアジャイル開発の普及に伴い、従来の固定的なSQA(品質保証)から、現場と統合した柔軟なQAへと役割が変化している。
• リスクベースのテスト、予防指向の手法、そしてツールを活用した効率化が今後の課題であり、全体としての品質向上に寄与する取り組みが求められている。

QA関係のこれまでの歴史について筆者視点から1個のセッションにまとまっている内容で、ボリューミーだった。

最後に

長崎QDG、めっちゃ面白かったですし、美味しいものを食べてきました。
誘ってもらい、色々と手配してもらった同僚には感謝してもしきれないです...
人前で話すのはそんなに得意ではないので、これを機にいろんなIT系カンファレンスに聴講として参加して知見を伸ばしていければと思います。

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