📝

Windows 10 上で TeX ディストリビューションを更新した際のメモ(クロス投稿)

2020/09/30に公開

初めに

Overleaf (オンライン上でのLaTeXコンパイルサービス)の環境が TeX Live 2019 にアップデートされたというニュースがありました(その後、Overleaf 上で使用する TeX ディストリビューションを自由に選べるようにするアップデートが行われました)。

we’re pleased to announce that we’ve now upgraded our LaTeX compile servers to make TeX Live 2019 available.

(これに触発されて)私も5年前インストールしてから一度も更新していないローカル(Windows 10 Pro)でのTeXディストリビューションを更新しようと思い立ったので、その際の記録をクロス投稿で残しておきます(ここでは TeX Live, W32TeX の両方について書いています)。元の投稿

TeX Live の場合

Linux 環境上で TeX Live をインストールする際はaptを使います(こちらを参考にしています):

sudo apt install texlive-lang-cjk
sudo apt install texlive-fonts-recommended
sudo apt install texlive-fonts-extra
sudo apt install xdvik-ja
sudo apt install mimetex
sudo apt install latexdiff

ただし以前のバージョンからアップデートする際は上記のコマンドを繰り返す必要はありません。tlmgrを使うだけで済みます。

tlmgr

tlmgr(Tex Live package manager の略らしいです、公式ドキュメントはこちらです)とは TeX Live のパッケージ管理ツールのことで、TeX Live 専用のaptに相当します。次のようにコマンドラインで使います(Windows/Cygwin ならば sudo は不要です):

sudo tlmgr update --self --all

W32TeX の場合

W32TeX を初めてインストールした際にTeXインストーラ3を使ったユーザーが多いと思います。

角藤さんによるW32TeXを含むWindows用日本語TeXのインストーラです.「誰にでもインストールできるTeX」を目指しています.

TeXインストーラ3は名前をそのままにしながらもアップデートされており、2019年8月には Version 0.91 が公開されています。W32TeX をアップデートするには最新のTeXインストーラ3を使えばいいのです。

更新手順の概要

  1. TeXインストーラ3を改めてインストールします。以前にインストールしたことがあれば「同名のファイルがあります、上書きしますか?」と聞かれるのでファイルを上書きします。
  2. 初めてインストールした際と同様に.exeファイルを実行します。
  3. インストーラが起動されてインストールが始まります。以前インストールした古いソフトウェアは自動でアンインストールされて新しいものがインストールされます。
  4. dvioutをどこにインストールしますか?」と聞かれるのでお好みの場所を選択します。
  5. インストールが終了したら各ソフトウェアごとにインストールの成否が表示されます。「成功」と出ていれば問題ありません。

動作確認のやり方

  • TeXworks を起動して正しくコンパイルできるか確かめてみましょう。
  • TeXworks が最新版になっているかを確認するには、画面上部にあるHelpをクリックしてAbout TeXworksを選択します。こうすれば現在使っている TeXworks のバージョンを確認できます。今回の更新作業では2019年3月に公開された Version 0.6.3 が入りました。
  • Windows 10 上で TeX ディストリビューションを正常にインストールできていればコマンドプロンプト上または Windows PowerShell 上でplatex, dvipdfmx, pdflatex, xelatex, lualatexなどのTeX関連コマンドが使えます。これらも試してみましょう。

参考文献

「美文書作成入門」第7版(技術評論社から刊行、tlmgrの解説が載っています)

Discussion

ログインするとコメントできます