【第2回】Cursor×LaTeXで知識ゼロでもLaTeXレポがかける!(環境構築編)
はじめに
前回 はCursor×LaTeXの魅力を語りましたが、今回は実践編です。
「LaTeXは環境構築が沼」と言われますが、それは昔の話。
今回は CursorのAI Agent機能 を使って、面倒な作業を全てAIに丸投げする方法を紹介します。
対象読者
- Macユーザー
- ※Windowsの方も、AIに「Windowsでの環境構築法を教えて」と聞けば同様に実践可能です!
- Cursor (VS Code) をインストール済み
- 黒い画面(ターミナル)は極力触りたくない人
最強の環境構築法:AIに丸投げする
ぶっちゃけ、コマンドを一つずつ自分で叩くのは面倒だし、エラーが出た時の対処も大変です。
Cursorを使っているなら、AI Agent機能 に全て任せてしまうのが一番早く、確実です。
手順
- Cursorを開く
-
Cmd + Lでチャット欄を開く - 以下のプロンプトをそのままコピペして送信する
- 「Run Command」ボタンが出てきたらクリックして承認する
これだけです。特にタスク1のインストールは数分かかるのでYoutubeでも見ながら待ちましょう。
環境構築用プロンプト
# 指示
MacでのLaTeX執筆環境を構築してください。
# 前提
- Homebrewはインストール済みと仮定します(未インストールの場合はエラーが出るので指摘してください)。
- エディタはCursor (VS Code) を使用します。
# 実行してほしいタスク
1. BasicTeXのインストール (brew install --cask basictex)
2. パス設定の反映 (eval "$(/usr/libexec/path_helper)")
3. latexmkと日本語環境のインストール (sudo tlmgr update --self --all && sudo tlmgr install latexmk collection-langjapanese)
4. プロジェクトルートに日本語ビルド設定ファイル `.latexmkrc` を作成
- uplatex + dvipdfmx (日本語フォント埋め込み対応) の設定を記述すること
- 特に `$dvipdf = 'dvipdfmx %O -f ptex-ipaex.map -o %D %S';` の記述を忘れないこと
5. VS Code用設定ファイル `.vscode/settings.json` を作成
- 自動ビルドを有効化し、ビルドツールを latexmk に固定すること
# 注意点
- コマンド実行時に権限エラーが出ないよう、必要に応じてsudo権限を要求してください。
- ユーザーには「パスワード入力中は画面に何も表示されないが、そのまま入力してEnterを押す」よう伝えてください。
- 実行結果を確認し、エラーが出たら修正案を提示して再実行してください。
完了確認
AIの作業が終わったら、フォルダ内に .tex ファイル(例: test.tex)を作り、以下の内容を保存してみてください。
\documentclass[a4paper,11pt]{jsarticle}
\begin{document}
こんにちは、LaTeX!
\end{document}
test.texファイルを選択し、cmd + Sで保存すると、「コンパイル」が始まります(LaTeXのコードを読み取ってPDFに変換する作業)。
新しくPDFファイルが左サイドバーに作成されていることを確認して、クリックして開いてみてください!
右側にプレビュー画面が表示されれば成功です!
もしエラーが出る場合は、
- Cursorを一度再起動してみる(環境変数の反映のため)
- 「コンパイルエラーを修正して」とAgentチャット(Cmd+L)に頼む
を試してみてください!
次回は、いよいよレポートを書き始めます。
AIに指示出しして数式や図表を爆速で作る 「実践テクニック編」 です。
Next: 【第3回】Cursor×LaTeXで知識ゼロでもLaTeXレポがかける!(実践編)
第1回はこちら:【第1回】📝Cursor×LaTeXで知識ゼロでもLaTeXレポがかける!(魅力アピール編)
何が行われているのか?(解説)
AI任せで不安な方のために、裏で何が行われているか解説します。
手動でやりたい人もここを参考にしてください。
Step 1: LaTeX環境のインストール(手動の場合)
まずはMacにLaTeXのエンジンを入れます。フルセットのMacTeXは数GBあって重すぎるので、軽量版の BasicTeX を入れます。
ターミナルを開いて、以下のコマンドを上から順に実行するだけです。
1. BasicTeXを入れる
brew install --cask basictex
*Homebrewが未インストールの人はインストールが必要です
*これは数分〜数十分かかります
2. パスを通す
インストール直後はコマンドが見つからないことがあるので、これを実行します。
eval "$(/usr/libexec/path_helper)"
3. 必要なパッケージの追加
BasicTeXは最小限の構成なので、日本語環境と便利な自動ビルドツール(latexmk)を追加します。
sudo tlmgr update --self --all
sudo tlmgr install latexmk collection-langjapanese
(注:sudoコマンド実行時にパスワードを求められます。キーを打っても画面には何も表示されませんが、そのままパスワードを入力してEnterキーを押してください)
これで下準備は完了!
Step 2: Cursor (VS Code) の設定
次に、エディタ側の準備です。
1. 拡張機能を入れる
Cursorの拡張機能マーケットプレイスで 「LaTeX Workshop」 を検索してインストールします。これ一つでほぼ全ての機能が揃います。
*cursor 左サイドバーから、"拡張機能”を探し、そこから検索
2. プロジェクトの設定 (.latexmkrc)
ここが一番のキモです。
日本語のレポートをコンパイルするために、プロジェクトのフォルダ直下に .latexmkrc という名前のファイルを作成し、以下の内容をコピペしてください。
*ラクダマークのファイルが作成されます
#!/usr/bin/env perl
$latex = 'uplatex %O -kanji=utf8 -no-guess-input-enc -synctex=1 -interaction=nonstopmode -file-line-error %S';
$bibtex = 'upbibtex %O %B';
$biber = 'biber --bblencoding=utf8 -u -U --output_safechars %O %B';
$makeindex = 'upmendex %O -o %D %S';
$dvipdf = 'dvipdfmx %O -f ptex-ipaex.map -o %D %S'; % フォント埋め込み設定
$pdf_mode = 3;
3. VS Code設定の強制 (settings.json)
Cursorが余計な気を利かせて英語設定でビルドしないように、.vscode/settings.json も作っておくと完璧です。
{
"latex-workshop.latex.tools": [
{
"name": "latexmk",
"command": "latexmk",
"args": [
"-silent",
"-outdir=%OUTDIR%",
"%DOC%"
],
"env": {}
}
],
"latex-workshop.latex.recipes": [
{
"name": "latexmk (日本語)",
"tools": [
"latexmk"
]
}
],
"latex-workshop.latex.autoBuild.run": "onFileChange",
"latex-workshop.view.pdf.viewer": "tab"
}
Step 3: レポートを書いてみる
ここまで来れば準備完了です。 report.tex というファイルを作って、以下のテンプレートを貼ってみてください。
\documentclass[a4paper,11pt]{jsarticle}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage{amsmath,amssymb}
\title{レポート課題}
\author{氏名}
\date{\today}
\begin{document}
\maketitle
\section{はじめに}
CursorとLaTeXの組み合わせは最強です。
数式も $E=mc^2$ のように美しく書けます。
\end{document}
Cmd + S で保存すると、自動的にビルドが走り、右側にPDFのプレビューが表示されるはずです!
トラブルシューティング(実際に遭遇したエラー)
もしうまくいかない時は、以下のエラーログが出ていないか確認してください。私が実際にハマったポイントです。
Q1. spawn latexmk ENOENT と言われる
原因: latexmk コマンドが見つかっていません。
対処: Step 1 の sudo tlmgr install latexmk を忘れていませんか? インストール後にCursorを再起動すると直ることが多いです。
Q2. LaTeX Error: This file needs format 'pLaTeX2e' but this is 'LaTeX2e'
原因: 日本語用の設定 (uplatex) ではなく、英語用の設定 (pdflatex) でビルドされています。
対処: Step 2 の settings.json の設定が効いていない可能性があります。一度プロジェクトを閉じて開き直すか、.latexmkrc が正しい場所にあるか確認してください。
Q3. 日本語が表示されない、または文字化けする
原因: フォントの埋め込み設定がうまくいっていません。
対処: .latexmkrc の $dvipdf の行に -f ptex-ipaex.map が入っているか確認してください。
$dvipdf = 'dvipdfmx %O -f ptex-ipaex.map -o %D %S';
Next: 【第3回】Cursor×LaTeXで知識ゼロでもLaTeXレポがかける!(実践編)
第1回はこちら:【第1回】📝Cursor×LaTeXで知識ゼロでもLaTeXレポがかける!(魅力アピール編)
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