Windows 11 導入に有効な MBR2GPT の使い方
Windows 11をインストールするためには、TPM 搭載のほかに 起動ドライブが GPT(GUID Partition Table) 形式であることが必須です。
この事を一般に、BIOSがUEFIモードでブートとか セキュアブートが必要とも表現されますが、いずれも Cドライブが GPT パーティション形式であることが大前提です。
GPT パーティション形式は 64bit版 Windows XP で導入されました。
しかしWindowsでは歴史的に 32bit アークテチャ(x86) を中心で普及し、昔からの MBR パーティーション形式が利用されていることが多かったため、例え 64bit版 Windows を使用する場合でも MBR 形式が使われて来た事例がよくあります。
この様な背景から、Cドライブが MBRパーティーション形式 であることが原因で Windows 11 をインストール出来ない環境を修復する方法を紹介します。つまり Windows が標準提供している、OSやデータを保持したまま、パーティションを GPT 形式に更新するツール、MBR2GPT.EXE の使い方、利用上の注意点からトラブル対応方法までをお伝えします。
変換操作の前にインストールディスクで起動して、コマンドプロンプトやDISKPARTコマンドなどで、変換対象のディスク番号を調査したり、データがあるパーティションを削除して3個に調整する必要があります。以降はPCのパーティション操作に十分詳しい人向けの操作である点にご注意ください。
内容
- パーティーション形式の調査
- なぜ GPTか?
- GPT 環境簡単構築法
- MBR2GPT 準備
- MBR2GPT 実行
- MBR2GPT トラブル対応
- MBR2GPT 完了後にすること
パーティーション形式の調査
現在使用しているパーティーション形式を調査する方法を示します。
もしここに挙げる調査方法でCドライブが「GPT パーティーション形式」であることが確認出来れば、Windows 11 への更新の際にパーティーション形式が障害にはなりません。
TPM (Trusted Platform Module) の有効化と、BIOS のブートモード設定がUEFI であることを確認すれば、Windows 11 をインストールすることが出来るはずです。なお2024年12月に実質的なCPU要件が撤廃されたので、CPU要件はここでは扱いません。
調査方法-1
コンピューターの管理で Cドライブのディスク(下記の場合はディスク 0)の上で右クリックして表示されるポップアップメニューを観察して、薄っすら「GPT ディスクに変換(V)」があるかどうかを確認する方法です。これが見える場合はMBR形式です。おそらく操作の手間が一番少ないので、一番よく使う方法です。

下記の様に「MBR ディスクに変換(V)」が薄っすらと表示されれば、それは GPT 形式のドライブであることを示します。

調査方法-2
別の方法として「MSInfo32」を起動して、他のWindows 11 関連であるセキュアブートの状態とともに確認する方法があります。以下の様にBIOS モードが レガシ と表示される場合は、起動ドライブがMBR形式であると判断出来ます。

一方でGPT形式のディスクから起動している場合は、次の通り「UEFI」と表示されます。

調査方法-3
これまでは間接的に調べる方法を紹介しましたが、直接ディスク形式を確認することも出来ます。デバイスマネージャーの「ディスク ドライブ」のクラスにある、調査対象ディスク(のプロパティ)を開いて、ボリュームタブを開きます。その後「表示」ボタンをクリックすることで、直接現在の物理ディスクのパーティションのスタイル(形式)を読み出して、表示します。

GPT 形式の場合は、次の様に表示します。

GPT の優位性
MBR 形式は、初代 IBM PC のPC DOS 2.0 を原型にこれまで追加拡張されながら利用されて来たため、x86マシンのブートローダーを先頭ブロックに置き、4個の基本パーティション、最大2TB のディスク容量などといった多くの歴史的な制約があります。一方でGPT 形式ではブートローダーはUEFIに配置、パーティション数の制限が無く、ディスク容量も実質制限がありません。特筆すべきは、CRCを活用したパーティション管理テーブルのバックアップ機能です。UEFI の普及にも後押しされ、容量制限の撤廃だけではなく、より安全で柔軟なパーティション管理方式に以降するのは当然の流れと言えます。
この様に優れたGPT形式ですが、Windows 11 での必須要件となる以前に普及しなかったのは、次の理由です。
- BIOS 対応の遅れ
- 優位点の周知の欠如
事実として、市場でのBIOS対応が遅れたのは、UEFI ブート搭載BIOSが一般化するまでに時間がかかったのと、UEFI ブート搭載BIOSでもデフォルトが非 UEFI の CSM (Compatibility Supported Module) 有効状態がデフォルトで出荷される場合が多かったからです。
これにより、例えTPM搭載の x64 Windows 搭載のPCであっても、従来形式との互換性を重視して、MBR 形式でフォーマットされたPCが出荷される場合がありました。この様なPCを Windows 10 で使っていた場合、Windows 11 を使うためには、まさしくパーティション形式を GPT パーティション形式に変更する必要があります。
GPT 環境簡単構築法
GPT はディスクドライブの物理フォーマットが MBR とは異なるため、データを配置している場合には通常、パーティション形式を変更出来ません。データを別のメディアにバックアップなどしておいて、Cドライブの内容維持を諦めれば容易に GPT 形式が利用出来ます。
この方法はMBR2GPT コマンドを使わない、一番簡単にGPTパーティションを利用する方法です。
まず Windows 10やWindows 11の新規インストール時に、インストール対象の PC のBIOSを、UEFI モードを有効にするか、または CSM (Compatibility Supported Module) を無効に設定後、UEFI モードで PCを起動します。その後。既存データを含む全てのパーティションを廃棄して「CLEAN」状態にすることで直ぐに、すなわち新規インストール時に利用が可能になります。
詳細手順は参考動画で示しています。
GPT 形式を使うか、Windows 11 をインストールする場合の一番のお勧め手順です。
MBR2GPT の準備
前述の事情によりMBR2GPT は、古い32bit時代のデータやディスク形式を保全しながら、パーティション形式を最新の GPT 形式に変更するための特殊なツールです。
ドライブの物理形式データの書き換えを行うため、実際のところコマンド実行よりも、事前準備やトラブル対応に手間がかかる点に注意が必要です。
なお Windows を起動したまま MBR2GPT を実行することも可能ですが、トラブルが多いためお勧めしません。ここでも紹介しません。
変換対象の、Windows 10またはWindows 11のMBRパーティーションテーブルで正常動作しているPCを用意して、次の準備事項を確認しておきます。
- USBフラッシュメモリーに、Wアーキテクチャに合わせたindows インストールメディア(ISOファイル)を作成
- 必要な場合は、データのバックアップ
- 必要な場合は、PC の BIOS を最新に更新
- BIOS設定変更時に認証が外れる場合あるため、Microsoft アカウントでのサインイン
- CrystalDiskInfo と SCANDISK や Cドライブのスキャンによるディスクの正常性検証
- DISKPART コマンドなどを使用して、Cドライブのパーティーション数を3個以内に調整
以下に操作手順を示しますが、4番の調査と4個以上のパーティションの削除操作は、環境によって異なります。具体例は載せないので、各自で判断して実行してください。
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操作対象 Windows 向けに作成したインストールメディアで起動、言語確認の起動画面で「次へ」
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コンピューターを修復する を選択
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トラブルシューティングのコマンドプロンプトを起動
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DISKPART コマンドとDIRコマンドを駆使して、GPT変換対象のドライブ番号を調査・確認し、パーティション数が4個以上であればパーティションを削除します。
決まった手順はありません。各自で判断してマッピングされたボリューム内容を注意深く調査して、必要時は削除します。
DISKPART は間違えると回復不能なコマンド操作をするため、利用時は十分な注意も必要です。 -
ディスク番号に合わせて変換確認を実行(下記はディスク番号が"1"の場合)
例えば Windows をインストールメディアで起動して、そのインストール先ディスクの設定やパーティーション確認時に既存パーティーションを全て削除するかまたは、Shift-F10 キーでコマンドプロンプト起動、そこで DISKPART.EXE の CLEANコマンドを実行することで Cドライブが空(から)にしてから Windows の新規インストールを実行します。
変換実行手順
MBR2GPT の実行には、いろいろな方法がありますが、これまで十回程度試して、一番安定動作すると思われる手順を紹介します。
その安定動作の前提がこの インストールメディアで起動 する方法です。前述の様に、Windows の動作状態での強制変更は避けるべきです。
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変換対象のWindows バージョンと同じインストールメディア のWindows 10またはWindows 11で起動
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進む
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コマンドプロンプトを起動して、DISKPARTコマンドとDIRコマンドを駆使して、GPT変換対象のドライブ番号を調査・確認
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ディスク番号に合わせて変換確認を実行(以下はDISKが1 の場合)
X:\>mbr2gpt.exe /validate /disk:1
- 変換実行(以下はDISKが1 の場合)
X:\>mbr2gpt.exe /convert /disk:1
次の様に表示されれば完了。
MBR2GPT: Attempting to convert disk 1
MBR2GPT: Retrieving layout of disk
MBR2GPT: Validating layout, disk sector size is: 512 bytes
MBR2GPT: Backing up the system partition
MBR2GPT: Creating the EFI system partition
MBR2GPT: Installing the new boot files
MBR2GPT: Performing the layout conversion
MBR2GPT: Migrating default boot entry
MBR2GPT: Adding recovery boot entry
MBR2GPT: Fixing drive letter mapping
MBR2GPT: Conversion completed successfully
MBR2GPT: Update WinRE config file
MBR2GPT: Before the new system can boot properly you need to switch the firmware to boot to UEFI mode!
変換完了後は、BIOS設定でCSM無効化(または UEFI ブート有効化)して、U起動デバイスを Windows ... に設定し完了
トラブル対応
mbr2gpt.exe /convert の実行結果が
Cannot find OS partition(s) for disk 0
の場合は、下記手順を参考にして、MBR 状態での起動パーティション(2番目のパーティーション)のアクティブ化済設定を確認します。このトラブルの原因は、
> bootrec /fixmbr
> bootrec /Rebuildbcd
実行で何も表示されないことです。該当起動DISKの第2パーティションを、Active 化した後、再実行することでエラーが無くなるはずです。
> diskpart
DISKPAT> sel disk 0
DISKPAT> sel part 2
DISKPAT> active
DISKPAT> exit
bootrec /Rebuildbcd
これで追加しますか?YesでOK で完了です。
変換完了後の注意
Windows 10でパーティーション形式をこの手順で変更した場合は、Windows 11のインストールは Windows Updateでのインストールではなくインプレースアップグレード方式でインストールするか、あるいは Windows Updateでインストールした後で、インプレースアップグレード方式でのWindows 11の再インストールをお勧めします。
詳細な原因は不明ですが、Windows UpdateでWindows 10から更新した環境では、更新後だいたい2年以内に何らかの不具合が発生し、再インストールが必要になることを経験しています。
参考動画
Windows 10 サポート終了に備えたMBR2GPT の使い方を解説
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