【CBT化】令和8年度以降の応用情報/支援士/高度試験、気を付けたいこと
この記事は Agent Grow Advent Calendar 2025 の記事です。
CBT化の発表
2025年8月、IPAより情報処理技術者試験のCBT化について発表がありました。
(詳細は下記リンクへ)
応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式での実施について
現在はITパスポートと基本情報、情報セキュリティマネジメントがCBT方式です。
つまり、今後は情報処理技術者試験の全てがCBT方式となります。
この記事について
従来の紙による試験と比較した際に、CBT方式ならではの気を付けたいことがあると思います。
この記事では、それについてご紹介します。
尚、執筆時点(2025年10月) ではCBT方式が開始される前であるため予想でしかなく、実際は異なる部分もあるかと思います。
これから受験される方については、参考程度にお読みいただければ幸いです。
気を付けたいこと
今回は、単純に『紙からPCに変わった』だけであると考えられるので、
基本情報や情報セキュリティマネジメントのように、出題方法(問題数や問題文の長さ、分野など)の変更はされないと考えられます。
つまり、科目の名称は変わりますが、勉強方法や試験対策は今までと変わらないと思って良いでしょう。
- 午前 → 科目A
- 午後 → 科目B
では、本題に移ります。
その1:本文に書き込みができないかも
影響:主に科目B(旧:午後)
紙とペンであれば、問題文にも設問にも好きなだけ目印が付けられました。
※出典:令和5年度 秋期 応用情報技術者試験 午後 問題冊子


書き込みの一例として、下記のような用途があります。
- 段落に線を引いて区切る(見やすくする)
- あやしいポイントに印を付ける
- 関連のありそうなキーワード同士を紐づける
これらは、設問を解く際に問題文を効率よく読むために有効な方法です。
しかし、PCの画面には書き込みができません。
また、おそらく本文に目印を付ける機能は実装されないと予想しております。
私は別の国家試験もCBT方式で受験しました。
長文を読む形式の問題でしたが、目印を付ける機能はありませんでした。
【対策】
では、どうすれば良いでしょうか?方法を考えます。
まず思い付く方法は、受験時に渡されるであろうメモ用紙とペンを使い、白紙の状態に書き込むことです。
- 段落のタイトルをメモし、全体の構成を押さえる
- あやしいポイント、キーワードをメモする
もしくは『書かないことに慣れる』という方法もあります。
過去問をPCの画面のみでひたすら演習することで、頭の中で整理する力を養うというのもよろしいかと思います。
メモ用紙には、忘れそうな点や本当に重要なポイントだけ書くことで、より効率良く解答できるかもしれません。
過去問はIPAで公開されていますし、過去問道場も執筆時点では応用情報のみ科目Bに対応しています。
PC画面だけでも勉強することは十分可能ですので、ご自身に合う方法を見つけてみてください。
その2:ボリュームを把握しづらいかも
影響:科目B(旧:午後)
紙の場合は、問題冊子として配られます。
冊子ですので、ページで区切られています。
ページ数で全体のボリュームをある程度把握し、時間配分を考えることができます。
目安は下記のような感じです。
- 応用情報:4~5ページ程(内、設問が0.5~1ページ程)
- 支援士:7~9ページ程(内、設問が1~1.5ページ程)
- 高度B1:5~7ページ程(内、設問が0.75~1.25ページ程)
- 高度B2(記述式):11~14ページ程度(内、設問が1.25~1.75ページ程)
たとえば、1ページ5~6分のペースで読めば・・・などと考えることができます。
一方、CBT方式ではどうでしょうか?
予想ではありますが、ページで明確には区切られていないと考えられます。
縦にひたすらスクロールするのではないでしょうか?
そうなると、単純に問題文の量から時間配分を考えるのは難しそうです。
【対策】
これに関しては、紙での試験と対策は変わらないと思います。
ひたすら過去問を解いて、自分のペース配分を把握し調整することです。
私の話で恐縮ですが、支援士試験の午後問題を過去3年分の計6回を解いてみたところ、何も意識しない状態での自分のペース配分を把握することができました。
- R5春以前の午後Ⅰ:1問につき約40分程度
- R5春以前の午後Ⅱ:1問につき約90分程度
- R5秋以降の午後:1問につき約60分程度
あとは自分の中で速いか遅いかを判断し、読み方や解き方を工夫するなどすることで、最適なペースを確立すれば良いのです。
これで、紙のページがPC画面の縦スクロールになっても根本的に試験問題のボリュームさえ変わらなければ、影響は受けにくいと考えられます。
ひとつの参考意見として、ぜひ過去問とにらめっこをして考えてみてください。
その3:変換ミスに注意!
影響:科目B(旧:午後)
記述式や論述式ならではの、気をつけたいポイントです。
紙の場合は手書きで解答するので、下記のような面で困ったと思います。
- 漢字が書けない(知らない、思い出せないなど)
- 書き間違い(知っているのに勘違いなど)
「手書きからキーボード入力になった!これで漢字はもう間違えない!!」
そう思う気持ちも分かります。
ですが、キーボード入力は必ず正確と言えるのでしょうか?
キーボード入力ならではの気を付けたいポイント、それが『変換ミス』です!
スペースキーを連打し、一見正しい変換がされたように見えても反応の遅延が起きたり、同音異義語を選択してしまったりなど、急いでいる時ほど起こりやすいものです。
試験の本番では緊張もすると思いますので、なおさらですよね。
たとえば・・・
『ふくごう』を変換する時、いかがでしょうか?
複合? 復号? 複号?
冷静に考えれば、問われている内容に沿った漢字を選択するはずです。
- 情報セキュリティ:暗号化したものを復号する
- データベース:〇〇と□□の組合せによる一意の複合キーとする
しかし、スペースキーを押したときに最初に出てくる漢字をそのまま選んだり、緊張により間違った漢字を選んでしまうかもしれません。
上記の情報セキュリティとデータベースの漢字を、逆に使う間違いもあり得るということです。
【対策】
これに関しては、2つ必要と考えられます。
まずは、やはりひたすら過去問を解いて、使うであろう漢字に慣れることです。
分野によって、使う漢字はある程度絞られると思います。
もうひとつは更に重要で、試験の本番での見直しです!!
手書きでの書き間違いよりも、PCの変換ミスの方が発生しやすいと考えられます。
この見直しが、点数を確実に稼ぐ鍵になるかもしれません。
その4:答え合わせができない?
影響:全て
今までは、試験問題の冊子に答えを書き、それを持ち帰ることで解答速報や模範解答との答え合わせができていました。
しかし、CBT方式になると問題冊子は持ち帰ることができません。
問題文はPC内にあるからですね。
そもそも画面に書き込みができなければ、持ち帰っても答え合わせはできないのですが・・・。
また、メモ用紙も試験センターで回収されると思います。
(私は他の多くの試験でCBT方式を受験していますが、全て回収されています)
そして、試験直後に専門学校や出版社などで解答速報を配信しておりますが、今後は無くなることも予想されます。
答え合わせができなくなるから、需要が少なくなるかな? というのが理由です。
【対策】
どうしても答え合わせがしたのであれば、覚えて帰ってくるしかないのでは?と思います。
上記で書いた通り、そもそも解答速報が今後も続くのか?も疑問です。
基本情報なども、CBT方式への移行時は同じ流れだったのかもしれません。
そう考えると、これも時代の流れと受け入れるしかなさそうですね。
さいごに
以上の4つが、私が考える気をつけたいことでした。
4つの中で一番気を付けたいのはどれか? と問われたら、迷わずこう答えます。
★変換ミス★
理由は、点数に直接影響することだからです!
では、今後受験をする予定の皆様、一緒に勉強を頑張りましょう!!
特に、応用情報に挑戦される皆様、YouTubeチャンネルから応援しておりますので、もし興味がございましたら覗いてみてください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
Discussion