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ピトー管の差圧から風速を計算する方法をわかりやすく解説

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ピトー管の差圧から風速を計算する方法をわかりやすく解説

ピトー管(Pitot tube)は、流体の 全圧(静圧 + 動圧) を測定することで風速を求める代表的な計測手法です。
風洞実験など幅広い分野で使われています。

この記事では、ピトー管が測る「差圧」から風速を求める方法を、気体の状態方程式やガス定数を使って丁寧に解説します。
乾燥大気を仮定した具体的な計算例も掲載します。


ピトー管が測定している圧力

ピトー管が測る圧力は以下の2つです。

  • 静圧(Static pressure)
  • 全圧(Total pressure)

この差が 動圧(dynamic pressure) で、風速と関係します。


ピトー管の先端にはいくつか穴が空いています。
赤丸部分の先端に空いている穴で計測できるのが全圧で、青丸部分の側面にいくつか空いてある穴で計測できるのが静圧です。
この差が動圧なので、差圧計でそれぞれの穴をチューブでつなぐことにより、直接動圧を計測することができます。


差圧と風速の関係式

ベルヌーイの式より、動圧 q は次の式で表されます。

q = \frac{1}{2} \rho V^2

記号の意味:

  • q:動圧(Pa)=ピトー管の差圧
  • \rho:空気密度(kg/m³)
  • V:風速(m/s)

したがって風速は

V = \sqrt{\frac{2q}{\rho}}

で求められます。


空気密度 \rho の求め方(気体の状態方程式)

空気密度は次式から求められます。

p = \rho R T
  • p:絶対圧力(Pa)
  • R:乾燥空気のガス定数(287 J/(kg·K))
  • T:絶対温度(K)

密度は

\rho = \frac{p}{RT}

となります。


乾燥大気を仮定した計算例

条件:

  • 動圧 q = 100\ \mathrm{Pa}
  • 気温 T = 20^\circ\mathrm{C}
  • 大気圧 p = 101325\ \mathrm{Pa}

絶対温度へ変換

T = 20 + 273.15 = 293.15\ \mathrm{K}

空気密度計算

\rho = \frac{101325}{287 \times 293.15}
\rho \approx 1.204\ \mathrm{kg/m^3}

風速計算

V = \sqrt{\frac{2q}{\rho}}
V = \sqrt{\frac{2 \times 100}{1.204}}
V \approx 12.9\ \mathrm{m/s}

まとめ

風速は

V = \sqrt{\frac{2q}{\rho}}

空気密度は

\rho = \frac{p}{RT}

R:乾燥空気のガス定数(287 J/(kg·K))
なので、風速は

V = \sqrt{\frac{2 \times q \times 287 \times (273.15+t)}{p}}

t:気温(^\circ\mathrm{C})
q:動圧(\ \mathrm{Pa})
p:気圧(\ \mathrm{Pa})

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