アナリティクスエンジニアの組織役割を考えてみた
本記事は、前回の「なぜ私はアナリティクスエンジニアを目指すのか」の続編です。
前回は、自分自身がアナリティクスエンジニア(AE)を目指す背景と問題意識をまとめました。
今回はその実践として、AEという役割を組織の中でどう位置づけるか、どんな価値を提供すべきかを整理してみます。
「SQLばかり書いていて、肝心の分析に集中できない」
「属人化したダッシュボードや抽出依頼が積み重なって、アナリストの稼働が溶けていく」
そんな状況にモヤモヤを感じていたのが、AE Unit立ち上げの出発点でした。
この課題感を整理し、再現性・透明性・信頼性を備えたデータ基盤をつくるために、AEという役割を、明確に定義しようと考えたのです。
本記事では、
- AE UnitのMission / Vision / Values
- 目指すべき「To-be」の状態
- データアナリスト(DA)・データエンジニア(DE)との役割分担
などを、自分なりの言葉でまとめています。
同じような課題を感じている方、これからAEを立ち上げる方の参考になれば嬉しいです。
なぜAE Unitをつくるのか?
AEは、DAとDEの中間的な役割です。
このUnitをつくった背景には、次のような問題意識がありました:
- DAの工数が、分析よりも整備に多く割かれている
- 同じようなSQLやダッシュボードが、各所で属人的に作られている
- データの意味や出処がわからず、現場が安心して使えない
これらはすべて、「分析チームの生産性と信頼性を下げる要因」です。
AE Unitは、そうした“不”を解消し、攻めの分析を支える“土台”を担います。
MVV:AE UnitのMission, Vision, Values

Mission
信頼できるデータ基盤を通じて、すべての意思決定を支える
AE Unitは、正確で再利用可能なデータ基盤を構築・運用することで、事業と分析の生産性を最大化し、全社の意思決定に安心とスピードをもたらします。
Vision
誰もが安心してデータを使える状態を、当たり前に
現場・アナリスト・経営陣が、迷わず・悩まず・無駄なくデータにアクセスし、理解し、使える世界を目指します。
Values
| 価値観 | 内容 |
|---|---|
| 🔁 再現性 | データを「一度だけ使う」のではなく、再利用可能な形で整備する。 例:dbtによる変換ロジックの標準化・バージョン管理 |
| 🔍 透明性 | データの出処・意味・加工内容を、誰でも理解できるように記録・公開する。 例:Confluenceでの定義集、Data Catalogの整備 |
| 🛡 信頼性 | DEと協業し、データ障害や欠損などに迅速に対応する体制を構築する。 例:モニタリング・アラート・自動テストの仕組み |
| 🤝 共創 | DA・現場・DEと連携し、“使われる”データを共につくる姿勢を大切にする。 例:マート開発、要件ヒアリング、設計レビューなど |
To-be:AE Unitが目指す状態

🔁 再現性
- dbtで変換ロジックを標準化・再利用可能に
- 手動SQLや属人化したETLがゼロに近い状態
- 「目的ごとの」中間テーブル/マートが整備されている
🔍 透明性
- Data Catalogで、カラムの意味や由来が明示されている
- Confluenceでの定義集・活用ガイドが、現場にも浸透
- 「この数値の意味は?」という問い合わせが激減
🛡 信頼性
- 欠損・件数・遅延を可視化するダッシュボードを運用
- dbt testやcustom checkで自動テスト+CI運用
- 異常があればSlack等に即アラート通知
🤝 共創
- DAがマートを使ってすぐ分析に入れる環境
- 「データが揃っていない」ことによる分析遅延がなくなる
- ダッシュボード裏のロジックが全てバージョン管理・トレース可能
- 生成AIを用いた分析支援している
DA・DEとの役割分担

データアナリスト(DA)
- 定型・アドホック分析
- KPI設計とモニタリング
- ダッシュボードのモック作成
- 非定型なデータ抽出(要件定義含む)
アナリティクスエンジニア(AE)
- データ基盤整備(モデリング・dbt管理)
- ダッシュボードの実装・公開
- 抽出依頼対応(DA・現場どちらからも)
- データ探索性・信頼性の向上
データエンジニア(DE)
- データ基盤の運用・管理
- dbtにおけるstgまでのデータ整備
- パイプラインのインフラレイヤー対応
おわりに
DAの価値は、意思決定を前進させるインサイトの発見にあります。
そのためには、「整っている」ことが前提です。
AEは、まさにその整った状態=“当たり前品質”を担保する存在です。
そして、それを仕組みとして再現可能にし、全社の意思決定を速く・安心して進められる状態をつくるのが私たちの役割です。
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