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ReplitとCline(Cool Cline)を比較してみた

2025/01/15に公開

最近何かと話題のClineについて、私も触ってみました。
「アプリケーションを一からプロンプトベースで作成する」という観点で言うと、以前Replitも触っているので、今回はReplitとClineとの比較記事を書いてみることにしました。
(どちらかだけの記事はよく見かけるのですが、比較記事はあまり見ないなぁと思ったため)

関連記事:

なお、Clineの操作や活用方法などについてはすでに他の方の素晴らしい記事があるので、いくつかこちらでご紹介することとすることで代えさせていただこうと思います。

Cline関連参考記事:

比較の前提

今回の比較においては、VS Codeの拡張機能として Cool Cline を、生成AIとして DeepSeek のAPIを利用しています。
したがって、DeepSeekのAPIを利用しているメリット、デメリットも比較結果の内容に含まれますので、その点はご了承下さい。

Clineのほうがいいかも(Replitのほうがダメかも)

  • アジャイル的に作成する場合、圧倒的に安く試行錯誤できる
    (Replitだと修正ごとに$0.25かかる。Clineでは変更内容の大きさ等により変更はあるが大体1回の修正ごとに$0.01-$0.04くらいの幅で対応可能)
    → ただし、これは 「DeepSeekを使っているから」 という側面が多分にあります。ChatGPTやClaudeを使うとAPI料金が格段に違うので、注意が必要です。(作業を実施するのにAPIトークン数は結構消費するため)

Replitのほうがいいかも(Clineのほうがダメかも)

  • サーバも含めたインフラアーキテクチャも合わせ提供されるため、「いったんローカルで動くもの」を作るClineより、動くものの公開に向けたハードルは低い
  • DeepSeek自体が中国系の生成AIであるため、支払い情報やスクリプトの内容の保護などのセキュリティ面等に懸念はある
    (支払いについては、一応直接のクレジットカード番号等の提供ではない(Paypal経由)ではありますが・・・)

どっちもあまり変わらない(どっちもいい、どっちもダメ)

  • ライブラリ等の知識、実装経験がなくてもどういったものを作りたいかということから実際に動くものが作れる
  • 「どういったものを作りたい」というところを明確に言語化できないといけないので、要件を明確に言語化する能力が必要(アジャイル的に作る際の「まずどこまで作る」という部分の切り分けも含む)
  • コードの内容がライブラリの選定から実装まで自動でなされてしまうため、生成されたコードを自力で直そうとするのは難しい
    (ちゃんと明示的に指定しないと自分の知らないライブラリを採用されたりする可能性はあります)

結論

  • 単純にローカルで動くものをデモする、自分で遊ぶ(公開する場合はインフラリソースを自分で準備する)のであれば、Cline+DeepSeekを使うのが安く作れるしよさそう
  • 公開前提、インフラリソースの整備まで自動でやってほしい場合はReplitを利用するのがよさそう。ただし、費用が多少かかるのはあきらめないといけない。
    (現状であれば$25/monthかかり、そのサブスクライブの中で与えられるクレジット(利用枠)をいかにうまく使うかというところが頭の使いどころ)
  • そもそも、 「大規模に公開するものを作る」「商用サービスを作る」 といったところになってくるのであれば、今はどちらも手を出さない方がいい
    (テストやら、セキュリティやらといった部分でどうしても現状は懸念が残る)
Accenture Japan (有志)

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