ド初心者が2年間回路・基板設計に挑戦してみた結果(後編)
1.はじめに
皆さん、こんにちは!
阿部野獣です。
ド初心者が2年間回路・基板設計に挑戦してみた結果の後編となります!
今回からはCADを用いた回路・プリント基板設計に入ります。
一応これ単体でも完結するように書いていますが、前編を読んでからのほうが話の繋がりが見えてくるので、まだご覧になっていない方は是非こちらの方をチェックしてみてください!(笑)
この記事では、自分が動かせるような基板を作れるようにまでどのようなことをやったのかを取り留めもなく書いていきます。
一応これから回路や基板を作る!という人向けに直接的なハウツーというよりは、私の経験が何かの参考になれば幸いです!
2.2年目(1) CAD勉強編
さて2年目に突入してから、流石に手書きの回路図や配線図では後の設計製作が大変になってしまうと思いCADを探してみることしました。
すると、kicadというCADを見つけました。
ネットや書籍でも多数の参考例が載ってるし、なんせ無料だしということで早速ダウンロードして、いざ開いてみると…
ボタン多すぎて、何からやればいいのかわからん……

kicadの画面。ボタン多すぎて何が何だかわからない。
というわけで、はじめからちゃんとした回路図を描く作戦は諦めて、これもまたLチカの回路図を描くところから入りました。
2-1.回路図を描こう!
Lチカの回路図を描くにしろ何にしろkicadの使い方を知らなければ、何もできません。
そこで、サイトやyoutubeを見ながら見様見真似で作ってみることにしました。
基本的な操作方法については、私が参考にした以下の神教材たちが圧倒的にわかりやすいので、そちらを参照してみてください!
(私が書くより100倍正確です!笑)
▼ Lチカの回路図を作る際の教材にした動画。動画なので、一緒に手を動かせてわかりやすい。
▼ 一番お世話になったと過言ではないサイト。用語や使い方が懇切丁寧に書いてある。
ですが、やはり実際に手を動かしみると動画通りにはいかなかったり、エラーを吐いてしまうことが多々ありました。
そこで、自分が回路図を書いたときに起きたエラーをいくつか書き出してみようと思います。
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電源のシンボルを配置したのに認識されない。
- 解決方法はPWR_Flagのシンボルをつなげることで解決します。おまじいみたいなものです。
(有識者の皆様、雑な解釈でごめんなさい!)
- 解決方法はPWR_Flagのシンボルをつなげることで解決します。おまじいみたいなものです。

電源のシンボルを置いたのに、エレクトリカルルールチェッカー(ERC)でエラーを吐いてしまう。

PWR_Flagというシンボルをつなげたもの。無事エラーが解決している。
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PWR_Flagをつなげたのにエラーを吐いてしまう。
- この場合、部品のピン自体がすでに「電源出力」の設定になっているため、PWR_FLAGを外すかシンボルのピンの設定を変えることで解決しました。

PWR_Flagを配置したのに、ERCでエラーを吐く。

解決方法1。PWR_Flagを外してみると、無事エラーが解決している。

解決方法2。シンボルのピンを変更すると、エラーは解決しているがなにやら警告が出てしまった。
という感じで試行錯誤をしながらLチカから始まり、様々な回路図を作っていきました。
(説明が雑でごめんなさい(泣))
kicadを触りたてで、どんな回路を作ればいいのかわからない!という人は私がやったこととして、arduinoキットとブレッドボードを使って組んでいたものをkicadで起こしてみるというをお勧めしたいと思います。
理由としては、Arduinoキットに入っている「〇〇センサモジュール」といった既製品は、KiCadの公式ライブラリには登録されていません。
つまり、回路図を描くためには、自分でデータ(シンボルやフットプリント)を作成する必要性が出てくるわけですね。
ただ、シンボルやフットプリントを自作できると設計の自由度が一気に広がると感じました!
2-2.基板(PCB)設計をしよう!
2-2(1).その前に…
回路図が描き終わったら、すぐに基板の設計(配線)に入れるかというと、そうではありません。
PCBエディタに移る前に、以下の3つの準備を行う必要があります。
- 回路図のシンボルに番号を振るアノテーション
- 回路の不具合がないかどうかのチェックを行うエレクトリカルルールチェッカー(ERC)
- PCB設計図においてのシンボルにあたるフットプリントの割り当て
私個人の思想になりますが、ERCで絶対にエラーや警告を残したまま、PCB設計に行かないというのを徹底しています。
ERCは回路設計自体のミス(論理的な間違い)までは検出してくれませんが、未接続や電源の衝突、部品データといったケアレスミスやデータの不整合は確実にチェックしてくれます。
データシートの読み間違いはどうしようもありませんが、ERCを通すだけで凡ミスによる基板の動作不良は防げます。
なので、面倒でもエラーや警告を0にしてから進むことを強く推奨します!
2-2(2).PCBエディタで設計しよう!
さて、事前準備が完了したらいよいよ基板設計のほうに入ります。
基板設計ではPCBエディタというものを使用します。
いざ開いてみると、下の写真のような画面が出てきます。

実際のPCBエディタの画面。回路図以上に何が何だかわからない。
PCBエディタ画面の基本的な操作方法は、基本的な使用感は回路図エディタの時と変わりませんが、レイヤーがある点が違います。
説明すると長くなってしまうので、以下にわかりやすく解説しているサイトをご紹介します。
▼ PCBエディタの操作方法について書かれてある。
▼ PCBエディタ内でもわかりにくいレイヤーについてわかりやすく解説してある。
先ほど書いた通り、基本的な操作は回路図とあまり大差ないですが、じゃあ設計の仕方も同じかというとそうではありません。
それは配線(パターン)幅の調整です。
くわしい理屈は、後程貼る実際に実験されている有識者の動画があるでそちらに譲りますが、一般的に多くの人(私も含めて)が目安にしているルールがあります。
配線(パターン)幅1mm=流れる許容電流が1A
この認識で設計しておけば、大電流が流れても配線が焼き切れることはまずないです。
ただ、なんでも太くすればいいというわけではありません。
信号線や電源ラインなど、用途に合わせて配線幅を変えてあげることが大切です。。
個人的なおすすめ設定としては
- 信号線(arduinoやesp32などのGPIOピン)
→ 0.2〜0.25mm 前後(絶対にもっと細くてもいい) - 電源ライン
→ 流したい電流[A]×1.0mm(1.1〜1.2倍)
しかし、基板サイズ的に「電源ラインでそんなに太い配線は無理!」という場合もあります。
そのときは、空いているスペースを銅箔で埋め尽くすベタ塗り(kicadでは塗りつぶしゾーン)、も検討することをおすすめします。
もう一つ注意点として、信号線を配線する際にはなるべく直角にならないようにするを挙げたいと思います。
カクカクした直角配線ではなく、45度で配線するのがいいと思います。
これの理屈も他の専門サイトなどにある説明を参考にしてほしいですが、一言でいうとノイズを低減させるためです。
電源ラインに関しては、なるべく太く短く配線することだけを意識すればいいです。
(なるべくなので基板の構成上、配線が長くなってしまっても問題ないと思いますが一応...)
▼ イチケンさんの実験動画。配線幅ごとの発熱などを実験されており、非常に参考になります。 ▼ 基板設計時のノイズ対策(ノイズ対策.com) ▼ マイクロマウスの基板設計事例(アールティ)
3.2年目(2) 製作編
KiCadの使い方がだんだんとわかってきた頃から、自分の作りたいものをとりあえず作ってみるフェーズに移行しました。
ここからはもう、決まった教材などありません。
- 作りたいもののコンセプトを考える
- ざっくりとした回路構成を考える
- 実際に設計してみる
- 分からないことがあれば、本やブログ等を読み漁って知識や理論を学ぶ
私は大学のプロジェクトに関連したものや、個人的な興味で思いついた基板(変な音がなる基板)を実際に作ってみたりしました。

変な音のなる基板。回路をミスったため、何も操作していないのに音が鳴り続ける。

自作esp32開発ボード。初のチップ部品に挑戦した。

市販基板(黒色)と自作基板(緑色)。esp32開発ボード(+モータドライバーと加速度センサー)を作ってみた。
世の中には、いろいろな「作ってみた」記事や動画があります。
暇な時にそれを眺めて、ピンときたものを作ってみたりすれば、自ずと技術や知識はついてくると思います!
ただし、周りのすごい人と比べて焦ったり、焦燥感に駆られてやっても楽しくありません。
一番は、自分のペースで新しい発見を楽しみにしながらやることだと感じています。
そんな純粋な感動を大切にしながら、ぜひ新しい知識の発見を楽しんでみてください。
ド初心者の私が2年間でここまで来れたのですから、あなたにもきっとできます。
応援しております!
4.おわりに・感想
長々と書いてしまいましたが、「ド初心者が2年間回路・基板設計に挑戦してみた結果」は以上となります。
2年間やってみた率直な感想ですが…正直、まだまだ知らないことだらけです。
電子回路の世界は奥が深すぎて、学べば学ぶほど分からないことが増えていく気がします(笑)
ですが、それも含めて楽しんでいこうと思います。
今後も自分のペースで、様々な回路や基板設計に挑戦し続けていくつもりです。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
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