【宇宙工学の最大学会】宇科連 参加前の準備と回り方
※本記事は自身の学内の研究室および衛星開発プロジェクトの後輩への宇科連合参加時のマナーや持ち物を示すために書いた記事をもとにしています.
誰かの参考になればと思い一般向けにも開放しますが,やや身内の学生に寄せた内容になっているかもしれません.
宇科連とは?

「宇科連(宇宙科学技術連合講演会)」とは,一般社団法人日本航空宇宙学会が主催し,JAXAをはじめ多くの学術機関が共催する,日本最大級の宇宙科学・宇宙技術の学会イベントです.研究者,技術者,企業の開発者や事業者など,幅広いバックグラウンドを持つ方々が最新成果を発表し,交流を深めています.
2025年時点で第69回を迎える歴史ある催しで,宇宙産業就労人口約1万人に対して参加者約2000人と,毎年多くの参加者が集まります.近年の宇宙産業の盛り上がりもあり,ビジネスセッションの開催や企業ブースの拡大など,研究・産業の双方を俯瞰できる貴重なイベントとなっています.
今年のWebサイトはこちら
宇科連の基本情報
宇科連は,例年4日間の日程で開催されます.
2025年は 11月25日(火)〜11月28日(金) の開催予定です.
開催地は毎年日本全国津々浦々ですが,今年は札幌です.
会期中は大規模な会場が丸ごと使用され,約20室で複数のセッションが並行して進みます.それぞれのセッションでは複数の講演が行われ,1日を通して非常に多くの研究成果に触れることができます.

宇科連に参加するメリット
宇科連には,研究者・学生・企業関係者など多様な立場の参加者が集まります.
学生にとっては,自身の将来を考えるうえでも絶好の機会となります.
- 他大学・他プロジェクトの衛星開発や研究の取り組みを知れる
- 普段は話せない相手に技術的な悩みを相談できる機会がある
- 業界の最新動向や企業の取り組みをまとめて把握できる
- 第一線の研究者と直接話せる
- 各種研究やビジネスを見て将来の進学・就職の選択肢が広がる
専門的な内容を受け取れることも学会の大きな利点ですが,「人と対面で会える」というのが大きなメリットだと思います.
はじめましての人への話しかけ方
さて,「人と対面で会える」ということが大きなメリットとお伝えしましたが,いざ学会に放り込まれても,どのタイミングで話しかければいいかをイメージすることは難しいかもしれません.
ここで,皆さんが懸念する内容として,
- 今話しかけていいのか
- 話しかけて対応してくれるのか
- 自分の知識で話しかけて無礼じゃないのか
といったような内容が挙げられるかと思います.
話しかけるのに適したタイミング
自分自身,過去に発表を行った年は直前までスライドの修正可能箇所が無いか考えたり,発表練習をしたりと,落ち着いて誰かと話す気持ちの余裕は少なかったと思います.そんな人たちには,発表を終えた直後の休憩時間に質問とセットで話しかけるのが無難と思います.
宇科連では,数件の発表ごとに休憩が挟まれます.
そのタイミングで,
「発表内容について質問があります」
と丁寧にお声がけすると,自然に会話が始めやすいです.
※ただし,発表者が明らかに疲れている・研究室のメンバーと話している場合は,無理に割り込まないよう注意しましょう.
懇親会にも参加しよう
もう一つ,おすすめのタイミングは懇親会のタイミングです.
宇科連では,3日目の会期が終わった夜に,近隣の宴会場や野外施設を貸切って,懇親会が開催されています.この懇親会にも多くの参加者が参加しており,前回大会の2024年大会では800人ほどが参加していました.(この人数に関しては私の記憶なので間違っている可能性がありますmm)

ここに参加している人たちはお酒を飲んだり,おいしいご飯を食べたり,完全にオフのテンションなので,比較的カジュアルに話しかけることができます.
非公式の食事会にも潜り込もう
宇科連の会期中は,毎晩参加者同士での食事会が企画されています.
同じ分野を専攻する研究室や企業同士,分野は違えど年が近い学生同士で集まったグループ,同じセッションで発表した登壇者,そこに会期中に出会って仲良くなった質問者や初対面の人まで混じって会場近くの繁華街で宇宙に関してアツい議論が繰り広げられる...!
居酒屋一軒が複数グループの宇科連参加者で埋め尽くされるのも,もはや毎秋の風物詩です.
発表者や企業の皆様も,非公式な食事の場だからこそ言える普段の小さな喜びや悩みを聞かせてくれたり,思いがけない共通点で意気投合したり,いろいろな人とお話をするとこんなチャンスに巡り合うかもしれません.
聴講スケジュールを立てよう
先述のように,20近い会場で並行して発表が行われるため,計画を立てないと「聞きたかった発表が終わっていた」という事態が起こりがちです.
そこで,宇科連のホームページで公開されている,2つのドキュメントを参考にしましょう.
日程表はどの部屋でどのテーマ(セッション)が行われているか,視覚的に理解することができます.一方で,プログラムでは,各部屋・各セッションで具体的にどのような内容の発表がされているかを詳細に把握することができます.


興味分野から内容を絞りたい場合
宇科連のセッションは「軌道・姿勢」,「推進」,「宇宙ビジネス」等,領域別に分かれています.
まず,何日目のどの会場(A会場,B会場など)でどのテーマのセッションが開催されているかを確認して,プログラムで詳細な内容を見るといいかもしれません.
具体的な講演内容や発表者で絞りたい場合
日程表ではどのセッションがどの会場で何時から何時に開催されているかしか記されていませんが,プログラムには,講演タイトルや著者・所属が記されています.
特定の講演者や所属,キーワードで内容を絞りたい人はプログラムから見ていくといいかもしれません.
(参考)宇科連の周り方~私の場合~
私の場合は,まずプログラムを始めにざっと日程表を流し見して,興味があるセッションをいくつかピックアップします.とは言いつつ,具体的な講演名が無いとイメージがわきにくいので,早い段階でプログラムにチェック移ります.
- 日程表をざっと確認し,興味のあるセッションを把握する
- プログラムで聴講したい講演をチェックする
- 日程表と照合し,時間が重なるものを調整する
- 部屋移動の距離なども考慮し,無理のないスケジュールにする
※下に添付する画像は,2年前の第67回参加時の私のプログラムと日程表の一部です


マナーと注意事項
宇科連に参加する学生の多くは研究室や大学の予算で参加していると思います.
いただいた投資を少しでも有益に使えるよう,発表時間は聴講に集中して学びを持ち帰りましょう.
多くの関係者が集まるこの機会にいろいろな方々と交流をしたいと思う学生も多いかもしれませんが,発表を控えている方や,遠方からの移動や準備で疲れている方々もいらっしゃいます.無理に話しかけたり,無闇矢鱈と名刺交換の数を増やすようなアプローチはせず,参加者にリスペクトをもって関係性を築きましょう.
また,相手の発表や取り組みを少しでも理解しようという姿勢も大切です.事前に聴講予定の発表や訪問予定の企業ブースが決められたら,その分野に関する文献や資料を少しでもいいので読んでから参加することで,会場での限られた時間を有意義に使うことができ,相手へのリスペクトにもなりますし,失礼にもあたりません.
※学生は往々にして「無知」は許されますが,「無礼」が許されるわけではありません.
服装とか持ち物
服装はスーツ(モノづくり系の人は作業ジャケットの場合も)
基本的にはスーツが無難です.
発表者はよりフォーマルな印象の装いが好まれます.
サイエンス系の学会では私服可の場合もあるようですが,宇宙開発分野は公的機関・重工系企業の文化が強く,スーツが一般的です.
衛星開発系の学生は,プロジェクトの作業着を羽織ることもあります.格好いいし,自己アピールにもなるので,個人的にはおススメです.

また,荷造りをされる際には天気も気にすると良いでしょう.
今年の会期は天候も悪く,最高気温が1桁の日がほとんどなので,防寒対策も大事そうです.
持ち物
おすすめ度★★★ | 名刺&名刺入れ
会期中は様々な企業・研究室の方との交流があるので,自身の所属や活動内容を一目で伝えられる名刺を持参すると良いです.
どれくらいの人と交流するか,何日間参加するのかによって差はあると思いますが,おおよそ50枚ほどあると安心だと思います.不安な人は100枚くらいあれば十分でしょう.
おすすめ度☆★★ | iPad,小型PC
発表者は事前に「予稿論文」を学会に提出しています.
参加者は会場でそのPDFを閲覧できますが,閲覧には会場で告知されるパスワードが必要で,事前に印刷して持ち込むことが難しいため,タブレットがあると便利です.
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