フーリエ解析とは、複雑な関数や現象を三角関数で表せる簡単な波に分解して表現する手法である。複雑な波で表される現実世界の音や光などの現象は、フーリエ解析を使って分解することで、簡単な波の合成であることを示すことができる。
 本書では、はじめに、フーリエ解析の中でも基本となるフーリエ級数、複素フーリエ級数、フーリエ変換、離散時間フーリエ変換、離散フーリエ変換の導出を行う。特定の分野を前提にしてこれらを導出することも可能だが、広い分野で活用するためには、それぞれの分野で矛盾なくフーリエ解析が成り立つことを示す必要がある。よって、本書では特定の分野を前提としない数学的な導出を行う。
 つぎに、離散フーリエ変換を計算機で高速に計算する手法である高速フーリエ変換と、高速フーリエ変換を改善したSplit-Radix FFTの導出を行う。
 最後に、フーリエ解析と計算機の一例として、高速フーリエ変換がデジタル信号処理の分野において、どのような役割を持つかを述べる。